新卒入社でインフラ輸出部門に配属を受けて10年超の期間、イラク向けのインフラ案件の営業を担当してきました。直近の4年間は隣国のヨルダンに駐在し、営業の前線で顧客との折衝を行っていました。
2017年3月、BBT大学院を修了したタイミングと同時期に日本に帰任し、現在はエジプト向けのインフラ案件を担当しています。
多国籍のビジネスマンとの取引を通じて、グローバル競争環境下における自身のレベルの低さを痛感し、悔しい思いしてきました。例えば、問題解決能力、グローバルチームビルディング、プレゼンテーションなど、どれをとっても私の力は及びませんでした。このままでは近い将来、ハングリー精神と能力を備えた新興国の若者たちに圧倒されてしまい生き残れないのではないかという強い危機感を覚えたので、新たな成長を求めるべくMBAの取得を決意しました。
どこにいてもオンラインで実践的な学びができることに惹かれました。
以前から大前研一氏が学長を務めておられるBBT大学院の存在は知っていましたが、参加した説明会で海外駐在中でも場所と時間を問わず受講できることを聞いたので、試しに単科生として「問題発見思考」1科目のみを受講しました。想像以上に内容が充実していて、楽しく1年間学べたので、次の1年も継続して「ファイナンス」や「マーケティング」など、複数科目の単科を受講していきました。
単科受講を通して、本科生としてもっと学びたいと強く思うようになり、仕事との両立も可能だと判断し、入学を決意しました。
『卒業研究』は他の科目と異なり、クラスメイトとの議論を通じて理解を深めながら進めることが出来ない為、ひとりで最初から最後まで取り組む必要がありました。
研究テーマは「自分の所属する組織に対する新規事業提案」を選択しました。常日頃から新規事業の案を発想する癖を付けるよう心掛けてはいましたが、いざ事業計画書を描くとなると様々な検討課題が表面化し、実現性のある事業を構築する難しさに頭を悩ませていました。計画性を持って研究を進められず、右往左往していたと思います。
克服できたのは、私と同様に海外在住のクラスメイトとのオフタイムでの交流が大きかったと思います。互いに居住国は異なりましたが、研究に煮詰まったときは都度電話して相談に乗って貰いました。効果的なアドバイスと励ましを受けたおかげで、研究をやり遂げることができました。
毎週「もしあなたが〇〇社の社長だったら、どのような戦略で会社を成長させるか」といったテーマで課題が出て、1週間かけて情報収集と分析を行い、本質的問題の特定と自分なりの結論の提示を行う内容でした。毎週課題が出るので、在学中は脳みそが休まることなく、緊張感をもって取り組み続けていました。自分が考えた提案に対してクラスメイトからのご意見や質問を受けたり、大前学長の解説を聞くことで、大きな気づきを得て理解を深めることができるケース・スタディです。他人の立場になって考える「疑似体験」の道場であり、実際の仕事と異なり失敗することはありません。
この経験は、いざ自分が決断を求められる立場になったときに、自分自身の力で結論を導き出すことに役立つと信じています。
BBT大学院での学びはアカデミックな内容ではなく、実際のビジネスで応用できるものでした。
私は、講義や議論を通して新しく得た考え方について、直ぐに実際のビジネスに落とし込むよう心掛けていました。クラスメイトとの議論内容をそのままビジネスでの議論に持ち込んだり、学んだ事例研究を現実の問題分析に応用したりしました。実践で応用してみると、そこからまた新たな気づきが生み出されるので、クラスに戻ってまた議論することでさらに考えを深めることもできました。
仕事と大学院の両立は、フルタイムの大学院では得られない相乗効果があったと思います。
海外駐在中でしたので、日本勤務と異なり自分の裁量で仕事を進めやすく、仕事とプライベートと学びを比較的バランスさせることができました。やるべきこととやらないことの区別をはっきりさせて、やるべきことだけを出来るだけ効率的に片づけ、纏まった時間を確保して学びの時間に充てるように心がけていました。また、10分程度の隙間時間も無駄にせず、クラスメイトの発言閲覧などに時間を充てていました。
仕事が繁忙期になると、時間を作れず、苦労した時期も多くありました。特に海外出張に出てしまうと、移動や会食を含めて仕事に費やす時間が長くなってしまい、さらに劣悪な通信環境も相まって、仕事だけで手いっぱいでした。学びの時間を全く持てないほど追い込まれてしまったときは、体調と相談しながら、都度判断していきました。
在学中は、日本人ビジネスマンがまず出張しないような新興国に頻繁に出張していました。一日に何度も停電が起きるような地域でしたので、通信環境は劣悪でした。講義の視聴やダウンロードは出来ず、Web検索での調べ物もできない状態でした。
そのような環境下でも出来ることはありました。例えば、視聴可能な全ての講義映像をスマホに、また、クラスメイトの発言をAirCampusインストール版に事前にダウンロードしておき、オフラインでも視聴/閲覧できるようにしていました。さらに、通信環境が悪いことをポジティブに捉えて、課題について自分の頭だけでじっくり考える時間を持つようにしていました。
どんなにやり繰りしても、クラスの議論に取り残されてしまう部分はあったので焦りましたが、それは仕方ないと割り切りました。その分、別の週にできるだけ追いつくよう努力しました。
組織マネジメントや起業論などの講義やクラスメイトと深い議論によって、自分を客観的に見つめるようになり、周囲から信頼されるようになるにはどうしたらよいか、自分はどうあるべきかという問題意識を持つようになりました。志の持ち方や毎日の一挙手一投足に至るまで考えるようになるほど大きな影響を受けたと思います。周囲の方々から信頼されるよう自分自身を律するようになり、それが結果的に仕事の成果にも繋がっていると感じています。
これまでの人生では、国際情勢や政治経済のニュース含め、自身の興味やビジネスに関係しないニュースは聞き流しており、あまり関心を持っていませんでした。自身の視野は狭いままで、よってそこから生みだされる発想も小さいものでしかなかったと思います。
普段関心のない事柄に対して、自分の頭で考えること、そしてその考えを発信するのはとても難しいことです。事実に基づく内容でなければ説得力は得られないし、事実だけを述べていては新しいことを生み出すことはできません。
毎週の大前ライブで取り上げられるニュースを含めて何事にも興味を持ち、興味を持ったことは情報を収集し、その背景にあるものや社会への影響を自分の頭で考える癖をつけました。考えたことを発信するとクラスメイトから新たな意見を頂けるので、さらに深く考えることができました。
大学院を通じて、一生涯考え続ける大切さを理解できたと思います。
この度日本に帰任し、新しいフィールドでの仕事を担当することになりました。入社前から興味のあった分野でもあり、まずは期待される役割を果たせるよう努力していきたいと思います。プライベートでも、刺激を求めて新しいことに次々と挑戦していこうと思います。やりたいと思ったことは、やっていきます。
今後、変化の激しい世の中でも周りに流されることなく、自分自身が進む方向は自分で考え決断していきたいと思います。
人は、新しいことに挑戦することで成長し、成長によって充実した人生を過ごすことが出来ると信じています。挑戦は簡単なことではないと思いますが、夢や目標・何かやりたいことを持っているならば、一歩踏み出すことが出来ると思います。
人それぞれ志は異なりますが、BBT大学院で得られるものがご自身の目標に沿ったものであるならば、ぜひBBT大学院に挑戦することをお薦めします。
大学院で新たに得られる考え方は、クラスメイトとの議論を通して自分の血肉となり、必ずプラスの結果を得られると思います。本科生のハードルが高いのであれば、私のように単科生として受講をスタートするのも良いと思います。