20代で就職後、現在まで同一の製薬会社に勤務しています。研究業務(医薬品の合成研究)、開発業務(新規医薬品候補化合物の治験業務)を担当後、新規医薬品のグローバル研究開発チームにおいてプロジェクトマネジメント業務を担当しています。
MBAの取得というよりは、経営を体系的に理解したいという希望のほうが強くありました。製薬業界は「ハイリスク、ハイリターン」型の業界といわれており、新薬開発の成功確率は著しく低いことが知られています。私はその中で入社以来研究、開発業務を続けており、その環境にどっぷりつかっていました。常に多大な投資が必要な反面、特に売上、利益には直接的には貢献していないこの業務が、経営側からはどのような視点で見られているのだろう、というぼんやりとしたイメージからMBAにたどり着きました。さらに調べるにつれ、単に経営的な視点のみならず、実学を学べる分野だと強く感じ、MBA取得に挑戦することを決めました。
経営を体系的に学ぶこと、また会社勤務を続けながら経営を学ぶことに関しては、BBT大学院以外にも選択肢はありますし、実際いくつかの大学院の説明会にも参加しました。ただし、私が学びたかったものは学問ではなく実学であり、答えがない時代にいかに考えるか、現在目の前で起こっていることに対して当事者意識をもって自分の考えを明確に示すというBBT大学院の学習スタイルにとても魅力を感じたため、入学を決めました。
これまでの業務の中で全く経験してこなかった財務情報の読み方などがある、『アカウンティング』は全く頭に入ってきませんでした。もちろん、歴史的背景からその必要性という部分は講義で理解できますが、実際に手渡された財務諸表から会社の状況を理解することは全くできませんでした。これに関しては卒業した今でも難しいのですが、科目の中だけではなく、RTOCS(Real Time Online Case Study)やさまざまな場面で常に財務情報を眺めてみる癖を作ることで、少しずつ内容を理解できるよう、今も努力を継続中です。
『問題発見思考』とRTOCSです。『問題発見思考』で、その問題の表面的な部分ではなく本質、何が実際に起こっているのかという部分を理解する能力を磨き、RTOCSで実際に今現在目の前で起こっていることに対して応用する。まさに自分が学びたかったことを実践できる科目でした。
会社勤務を続けながら学ぶ機会として選んだBBT大学院ですが、初めは「遠隔教育システム」というものに対し、どのようなものなのか、実際に学習効率が上がるのかに対し、なんとなく不安を感じていました。しかし入学後、その不安は一掃されました。もちろん、対面での口頭のコミュニケーションにもそのよさはありますが、AirCampusでは世界中の学生と24時間つながることができ、そのなかでのdiscussionの広さ、深さは想像をはるかに上回るものでした。
私にとっては家族とのバランスが一番難しい問題でした。BBT大学院での学習を始めても仕事や生活は変わりませんので、もちろん通勤時間等、自分の時間を調整し学習時間を捻出する努力はしましたが、それだけでは十分ではなく、やはり最終的には家族との時間を削ることになりました。私は平日の夜と土日を主に学習時間に当てていましたが、土日の一部分は可能な限り家族との時間にするようにしたいと思いながら、実現できないことも多くありました。家族には本当に感謝しています。
時間管理です。学業と仕事の両立、加えて家族との時間を大切にし、さらに2年以上の長丁場ですので、自己の健康管理にも気をつけなければなりません。週2回のスポーツジムをノルマと課し、健康を維持したうえで学業を続ける自分なりのペースを確立するまでに、かなりの時間を要しました。
日々の業務において生じるさまざまな問題に対して、もちろん表面的な「対症療法」でその場の問題を回避することは可能です。ただしその問題の本質を理解し対処しなければ、解決には至りません。「実際は何が起こっているんだろう」と自然に考えられるようになりました。
BBT大学院では様々な年齢、業種、立場の仲間たちとdiscussionを交わすことができます。1つのtopic、1つのfactに対しても本当にいろいろな意見が飛び交います。その一つ一つと向き合い、真剣に考えることによって、多様性というものを強く感じることができました。またその中で、自分にない考え、強みを見つけることで、さらに自分が成長できる機会を見つけることができました。
もともとは軽い気持ちで探し始めたMBAですが、期待以上に多くの実学を学ぶことができました。これらのことを、ただ自らの学びとして終わらせるのではなく、実際に役立ててこその実学だと思いますので、実学を利用できる様々な場面を探してtrial and errorを続け、会社への貢献だけではなく、自分の更なる成長へとつなげていきたいと思っています。
経営を学びたいのであれば、様々な方法があります。自分の目的に合わせた、仕事や生活と両立できる方法はもちろんBBT大学院だけではありません。その中でも、今後の将来に、未だ答えがない状況を自分で考え答えを導きたい、時間、場所にとらわれず多くの様々な仲間たちとつながる、そんな体験に魅力を感じるのであれば、ぜひBBT大学院でchallengeをしてみてください。