入学当初は首都圏内に本拠地を構える某プロ野球球団の広報担当として、主に事業プロモーション等に関する業務に従事していました。
入学後、日本野球機構(NPB)侍ジャパン事業部へ出向、現在はその侍ジャパン事業が事業ごと株式会社化した関係で、株式会社NPBエンタープライズの事業兼広報担当として、野球日本代表「侍ジャパン」の事業運営を担っています。
プロスポーツチームの従業員規模は50人~100人程度と、知名度や世の中の注目度に比べて非常に小さい組織です。そのような組織において、近年アメリカでMBAを取得した方がジョインして組織を劇的に変革していく実例を何度か目にしました。そのような”背広を着たスタープレーヤー”への憧れがMBA取得を志したきっかけです。
プロ野球球団での勤務形態は土日にも主催試合があれば勤務となり、勤務時間もデーゲームやナイターによって異なります。また、春季キャンプや遠征など長期出張もある中で、決まった曜日や時間にキャンパスに通うことが難しい状況にありました。そのような環境の中でもBBT大学院では基本的に曜日や時間の縛りがなく、AirCampusにアクセスすることで24時間世界中どこからでも勉強ができるということが入学の決め手となりました。
もともと私立文系の大学を卒業した自分にとって数学が大の苦手で、必修科目である『コーポレート・ファイナンス』が大きな壁としてそびえ立ちました。講義を1回視聴しても理解できないときは何度も視聴し直して理解を深め、それでも理解が不足していると思った箇所はAirCampusにおいて「私はこういう理解ですが皆さんはどう思いますか?」と議論を呼びかけました。すると、多くの同級生が議論に加わってくれ、さらに財務経理系の実務経験が深い同級生がファシリテーションを務めてくれたおかげで理解を深めることができました。
貸借対照表や損益計算書はBBT大学院入学前にも読むことはできましたが、「なんのために読むのか」「読んで、どう活かすのか」という視点が全く抜け落ちていました。指標を分析し、改善戦略を立てて実践することを目的とすると、分析の段階で「過去の推移」や「競合の状況」など指標を集めることで正しい問題認識ができるようになります。さらに、売上を事業別に、また商品数と価格に分解するなど細かくしていくことで、よりピンポイントな改善点を発見し、その解決策を立案できるようになります。入学して一番最初に学んだ『アカウンティング』ですが、いま思えば、この思考習性こそ最も基本的で重要なことであると感じています。
カリキュラム全てにおいて徹底されていたのが「論理的思考」で、どの科目でもFACT(事実)に基づいた発言が求められました。また、全てが実践的でいい意味でアカデミックさがなかったことは大きな驚きでした。過去の事例を基に議論・研究を進めるケーススタディよりも、例えば「シリコンバレーで今何が起きているのか?」をテーマに5年後を予測し、それを基に自分(自社)がどう行動すべきかを議論するなど、「リアルタイム思考型」「未来志向型」であることがBBT大学院の大きな特徴の一つだと思います。
週に15~20時間の勉強時間を確保するためのカギは「効率性」にあると考え、仕事においても無駄な作業や非効率的な業務を見直しました。プライベートの時間も必要なもの、不必要なものを分類し、飲み会などの人付き合いも回数と優先順位について整理。「1日に24時間しかない時間という有限資産をいかに有効に使うか」を追求した結果、仕事もプライベートも質の面でかなり改善されたと感じています。従って、バランスをとるという面であまり苦労したというような感覚はありません。ちなみに一日を有効に過ごすには体力も必要、と考えて大学院入学をきっかけにランニングを始めましたが、体重も10kgスリムに、さらにフルマラソンを4時間で完走できるまでになりました。大学院入学をきっかけに生活すべてを効率化して生まれた嬉しい副産物です。
ただし私は3年で卒業しましたので、2年で卒業を目指す場合はもっとハードな状況になると思います。
入学して一番衝撃を受けたのは同級生のレベルの高さでした。AirCampusは真剣勝負の場であり、大前学長も発言をチェックしています。入学当初は何を発言していいかわからずにPCの前で呆然としていました。「このままだと“発言イップス”になる・・・」と真剣に悩んだ結果、卒業を3年間に延ばしてひとつ1つの科目にかける時間を増やしました。すべてがオンラインのため、講義は何度も受講することができるし、ノートを取るために講義を一時停止することもできます。また、単位を落としさえしなければ3年目にかかる費用もシステム利用料のみ、と自分に合った学習スタイルを構築しやすいという点もBBT大学院ならではと感じました。
BBT大学院において重要視している「論理的思考」は、学んだ翌日の実務においてすぐに実践することができます。ほかにも実践的な科目がほとんどなので、日々の業務に自然とリンクされることが多く、在学中においても業績や成果に好影響を及ぼしました。それが学ぶ上でのモチベーションにつながり、苦しい中でも学習時間を確保することができました。
BBT大学院では毎週の課題を通じて、決断することを徹底的に訓練されます。決断をするにあたっては、現状の正確な把握と本質的問題点の洗い出し、解決策の列挙と絞り込みというプロセスを経ます。論理的思考(左脳)と直感(右脳)で“キャッチボール”をしながら進めていくそのプロセスは、自分自身を取り巻くあらゆる事象においても活用することができます。業務において戦略を決める際、キーマンを説得する際、1週間のスケジュールを決める際、また今後のキャリアを考える際にも有効です。決断することができるようになった自分は、人生に明確な意志を持つことができるようになったとも言えます。
日本におけるスポーツ産業は、この10年で企業スポーツからプロスポーツへと急速な発展を遂げています。自分自身、変化の激しいこの業界に10年近く身を置いていますが、まだ産業としての歴史が浅いこともありいわゆる“たたき上げの経営者”も少なく、ロールモデルも確立されていません。答えのない時代に、自分自身が切り拓いていて答えを創っていきたいと考えています。
「人生を変える方法はたったの3つ。時間配分を変える、住む場所を変える、付き合う人を変える。決意表明ほど意味のないことはない。」とは大前学長の言葉ですが、BBT大学院に入学することで時間配分と付き合う人は大きく変わります。AirCampusの中には国内からだけでなく、世界中さまざまなエリアからアクセスしている同級生がいて、バックボーンもさまざまです。そのような方々と切磋琢磨することで、きっと自分自身のキャリアも切り拓いていけるだけの力が身につくと思います。