鉄鋼系メーカーに勤めており、当社商品は、主に住宅建材の素材として使われています。私の業務は、お客様の新商品(建材)の開発提案~拡販のサポートを行うことです。建材の強度計算や施工現場での立会いも行いますし、商品拡販に向けてどのような方向で進めていくか営業部門と話し合い、実行していく、マーケティングのような業務も行っています。
建築士を取得してディベロッパー会社に転職しましたが、すぐにリーマンショックが起こり、勤務先がその影響で清算されることになり、再び転職活動をすることになりました。
当時の厳しい環境下で、ビジネスパーソンとしての自分の価値はどうあるべきか、真剣に考えたことが最初のきっかけだったと思います。
転職活動において自分自身の価値を伝える上で会社の後ろ盾は頼れませんし、そのような状況下でも、有能な人はオファーがある、という事実を目の当たりにし、自分も客観的に見ても求められる人材となるべく努力し、そしてそれをアピールできるような状態にしておくことが重要であると実感しました。
そしてまず、論理的な考え方を身につけるために、オープンカレッジ「問題解決力トレーニングプログラム」を受講しましたが、まだアウトプットの訓練が絶対的に不足していたため、その訓練のためにMBAコースに入学することを決断しました。
MBA取得を考えるきっかけにも書いた通り、入学検討時は自分のアウトプット力を高めるには何をすべきかを考えていました。
MBAコースも学校によって様々な特徴がある中、BBTはアウトプットに対して強みがあると伺っており、アウトプット力を高めたかった自分の目的にはぴったりだと思ったことが入学を決断した決め手で、他のMBAスクールとの比較は行いませんでした。
そして伺っていた通り、BBTのカリキュラムは、講義を受けるだけでなく、とにかく発言(回数、内容)を重視しているため、その点を鍛えていただくことができたと思います。自分でも、現在は昔に比べアウトプット(内容・スピード)は向上したと感じています。
入学時、『アカウンティング』や『ファイナンス』についての知識は全く持ち合わせておらず、入学してすぐ受講した『アカウンティング』は完全に準備不足で消化不良だったと反省しています。
そして、勉強が非常に忙しい時期が『ファイナンス』の講義時期と重なったこともあり、『ファイナンス』の講義は1年遅らせて受講しました。しかし、ファイナンス知識が必要な選択科目を受講してしまったため、エアサーチ(ビジネス・ブレークスルーが保有する6000時間に及ぶビジネス動画コンテンツを検索・視聴できるツール)でお勧めされた、わかりやすいファイナンスの講義を何度も聞いて、関連図書も何度も読んで、実際にエクセルを動かして勉強することで、少しずつ理解を深めました。
結果的に少し余裕のある時期にファイナンスの講義を受講したことと、前年度の繰り返し視聴のおかげで、知識ゼロから、講義の内容がスラスラ頭に入るレベルにはなり、ファイナンスに対する抵抗がだいぶなくなりました。
人事部でもなく、役職もない状況であったため、組織人事系の科目の中でも特にリーダーシップについては、正直あまりピンと来ていなかったところもありました。
しかし、そのような気持ちで発言をした私に対して「プロジェクトによってはリーダー的な立場で携わることもあるはずなので、誰に対しても必要なスキル」という発言をクラスメイトに返されたことで、それまでの自分の意識の狭さに反省しました。またそれと共に、今学んでいるスキルは、自身のマインドセットによって、いくらでも即役立つものになるということを再認識させてもらうことができ、自分の学びの姿勢の転換のきっかけにもなりました。
非常に質の高い講義映像を繰り返し何度も視聴することができますし、意識の高いクラスメイトとも、意欲があれば、時間の許す限りいくらでも議論することができます。このディスカッションは、「ファクトに基づいた論理的な意見を、いかにわかりやすく相手に伝えるか」というアウトプットの訓練に非常に役立ちました。授業が開講中の間、ディスカッションは常にオープンの為、本人の努力次第でいくらでも議論を深められ、それを成長に繋げられる環境にあると思います。
またオンラインのため、職業・年齢・性別のほかにも幅広い地域の人とディスカッションができたことが大きなメリットでした。
更に、目的をもって「BBTのしんどい勉強環境」に身を置きたい人が参加しているので、様々なことに非常に前向きな方が多く、講義外でもワークショップを行ったり、旅行へ行ったり、それをきっかけに更に見識や経験を深めることなどが、いくらでもできる環境だと思います。
ひとり暮らしだったので、時間はつくりやすい環境でした。仕事は、なるべく残業しないように優先順位をつけて取り組むようになりました。入学当初は出張も多い時期だったので、パソコンさえ持参すれば夜にホテルで勉強できるので、いつでもどこでも学べる環境は非常にありがたかったです。
夏休み・春休みはありますし、たまにはリフレッシュの予定も入れていましたが、最初の2年間は休日も学びメインにはなっていたと思います。
財務諸表も読めない、経営的な視点をほとんど持っていない状態で取り組み始めたRTOCS(Real Time Online Case Study)が最も苦労しました。毎週1週間という非常に短い期間で情報を集め、その中で論理を組み立てて解決策を提示していくことはなかなか慣れませんでした。しかしここで学んだ最も重要なことは、得られた情報でいかに決断していくか、ということです。情報収集のスピードも上がりましたが、得られた限られた情報からどのように分析し、どう決断したのか、という訓練は自分の糧になりました。
業務において、目的を明確に意識できるようになったと思います。その上で全体像の把握、自分の意見の整理とアウトプットを行うようになり、業務の進め方がスピードも含めて大きく改善したと思います。また、ディスカッションでアウトプットを訓練したことで、アウトプットに対する躊躇がだいぶ薄くなりました。
今後は業務を通して更にブラッシュアップしていきたいと考えています。
まず、勉強時間確保のために朝から晩まで調整していた結果、実は時間がたくさんあることを認識でき、自分の中でやれることの限界が広がりました。そして、BBTはダイバーシティの環境だったので、様々な方とオンライン・オフラインでお会いし話をさせていただくことで、自分の視野が大きく広がりました。
仕事に関しては、もともと自分の職務レベルでしか業務を見て考えることができませんでしたが、業務の目的を考えるようになったことで、上司の考えも理解できるようになり、また感情に振り回されないようなコントロールも意識できるようになりました。ディスカッションを経たことで発言に対する躊躇もだいぶなくなりました。
アウトプットを高めることでより仕事のスピードと質を上げ、必要とされる人材になることが目下の目標です。
現在はある商品の拡販に対してあらゆる面でのサポートを一手に受けさせてもらっていますが、課題の早期解決をはかり流れをつくる、そしてサポートできる商品の幅も少しずつ広げていくことができればと考えております。
また、チームでのアウトプットを継続的に高めるべく、チーム育成にも取り組んでいきたいと考えています。
大学院入学は金額も高かったので、即決と言っても少し躊躇もしましたが、ある恩師の方に「今後どちらの道に進んでも、今の自分は同じだけど、その先は大きく違うはずだよ」と言われ、そうだな、それならやってみよう!と(願書申込締切1週間前でしたが)入学を決断しました。そして3年たって卒業した今、自分自身の物事への考え方、アウトプット、人脈など、色々なことが本当に大きく違っていたと思います。
卒業しても決して完璧ではなく、今後も自己研鑚を続けていかないといけないと思っていますが、ひとつのチャレンジの場としてBBTはとても素晴らしい環境であったと思いますし、自分の財産になりました。
もし自分自身を高めたいと思いつつ入学を迷っているなら、是非挑戦することをお勧めします。損することは決してないと思います。