現在名古屋市で会計事務所を経営しています。以前は監査法人のコンサルティング部門でIPOや企業再生をしていました。金融機関の不良債権が経済問題になっていたころ、監査法人のコンサルティング部門で都銀の不良債権処理業務を経験しました。その経験を生かして、開業後は中小企業の企業再生業務を行い、現在も同業務をしています。
私の事務所で行っていた企業再生業務のメインは、財務の改善でした。経費の節減等を行って、返済原資を増加させることと、金融機関からの返済期間の延長です。しかし、売上高が年々減少していく中小企業が多く、経費節減と返済期限の延長だけでは、再生ができない企業を多く見てきました。根本的に事業領域の見直しやサプライチェーンの見直しを行わなければ、立ち行かない企業に多く接しました。本業の立て直しが必要であることはわかっていても、その時の私の事務所では、本業の立て直しができるだけのスキルがありませんでした。何とかそのスキルを身に着けようとして、経営の勉強をすべくMBAの取得を考えました。
①名古屋に勤務しており、東京や大阪等に通うには、移動時間がかかりすぎることやその為のコストが多額にかかるため、通学する大学院に通うことは困難でした。
②会計事務所の業務の特徴として、特定の月は、土曜日日曜日も出勤する勤務形態です。週末は必ず講義を受講する時間が取れない為、通学する大学院に通うのが困難です。
オンラインで受講できる大学院であれば、時間と場所を気にせず、受講できるため、BBT大学院を選びました。他の選択肢はありませんでした。
監査法人や会計事務所での勤務のため、新商品・新サービスの開発や新規事業の立ち上げ等の業務に携わったことがありませんでした。まったくそのようなことを考えたことがなかったため、思考が停止しました。身近で困ったこと等の原体験を思い出して、アイデアを出していき、何とか克服していきました。
入学前は、職業柄、財務数値を見るケースが多く企業の外部環境を把握するという視点に欠けていました。学長科目のRTOCS(Real Time Online Case Study)では、業界の動向についても意識する必要があったため、このあたりを注視するようになりました。実際在学中に、海外で生まれた新しいビジネスモデルがすぐに日本にも普及していくのを見てきました。海外での経済動向を見ていないと、自分自身の業種で大きく変化する流れに乗り遅れるという意識を持つようになりました。
通学形式の大学院と比較すると、十分調べたうえで発言ができると実感しました。実際の教室の講義であれば、議論できる時間はその講義の時間に限られます。事前の準備の範囲でしか、ファクトを収集できません。しかし時間を気にせず、ファクトを収集して、自分自身でじっくりと検討したうえで発言することによって考える力を鍛えられました。
仕事とプライベート、学びを三立するには絶対的な時間が不足します。それを補うには、隙間時間をうまく使うことです。私は電車通勤の時間が片道約1時間ほどありますが、その間ほぼ100%座れます。朝の通勤前に講義を受講し、課題の検討や発言内容の検討は電車の中で行いました。メモ用紙とペンを用意して、課題の回答の骨子を作成し、その骨子に従ってスマホでファクトを収集し、結論を出すようにしました。学びの時間は講義の受講以外はほぼ通勤時間で行うようにして、仕事やプライベートの時間を確保しました。
私が所属する会計事務所は5月が一番の繁忙期です。この時期、必修科目の『現代の経営戦略』と『イノベーション』がありました。毎週提出する課題と各科目で複数の課題の提出が求められ、それをこなす時間がありませんでした。一部の課題は未提出になりましたが、なんとか単位は取得できました。
会計事務所のクライアントやクライアントが採用している専門家と議論することがありますが、そういった場面でファクトに基づいた発言をするようになりました。相手が事実に基づかない推測による発言をしたことに対しては根拠を確認するようにしました。さらに議論の前提条件を確認して議論をするようになり、これまで感情的な議論もしたことはありましたが、次第に感情的にはならなくなりました。
入学前は、会社の運営や会社の方向性を考えることに関しては、会計事務所のクライアントの社長とは議論はしませんでした。しかし、BBT大学院で学んで経営者がやるべきことを理解できたので、積極的に会社の方向性について経営者と議論するようになりました。特に、経営環境の変化を踏まえて議論するよう心がけた為、広い視野で経営者と議論する力が身につけられたと感じます。
社会構造の変化や人のライフスタイル変化が激しく、技術進歩が著しくなっています。その流れを理解し先読みして時代の流れに合うよう、事業内容を進化させていきたいと思っています。技術開発ロードマップや各種のデータを自分自身で理解し分析して、経済環境の変化を読み取り、海外の後追いではない新しいビジネスを展開していくことが目標です。
公認会計士や税理士等の専門家は、クライアントである企業を自分の得意分野の視点でしか見ない傾向にあります。私自身がそうでした。しかし、クライアントである経営者はいろいろな視点から検討したうえで結論を出しています。より経営者の視点で検討してアドバイスをするためには、ご自身の専門分野プラス多面的な視点での検討が必要になってきます。そのためには、経営の複数の分野での知識を身につけることが必要です。経営の実務に携わってきた経営者出身の教授陣から学べるBBT大学院は最適と考えます。