自動車部品メーカーで長く製品開発を行ってきました。北米赴任も経験し、国内外の車両OEMと仕事を行っていました。競合の海外サプライヤーが年々力をつけてきているのを間近で感じ、今まで通りでは立ち行かなくなるのは時間の問題と危機感を感じていました。
2021年から新規事業の立ち上げに携わるようになり、従来の開発の経験では歯が立たず、どう進めるべきか模索していましたがなかなかうまくいきませんでした。こうしてリスキリングが必要であると強く感じたのです。
20代の時にMBAの取得について興味を持った時期がありました。それは前職で新規事業の立ち上げを行っているタイミングでした。理由は、成功の条件を知りたかったからです。時がたち、今の会社での北米赴任中に多くの日本人MBA留学生と友人になりました。皆そろってとても良い学びであり長く使える知識であると語られており、話を聞く中で憧れを持つようになりました。
自社の新規事業に関わるようになってから、あらためて自ら今後の行方を考え出す必要がでてきました。今の自分ではスキル不足だと強く感じていた折、ちょうどタイミング良くBBT大学院のMBAの存在を知り、短期間の検討ののち入学を決めました。
私の場合、以下の点がBBT大学院入学の決め手となりました。
・学長はじめマッキンゼー出身者が多く、その思考技術に触れる機会が得られるのはBBTならでは
・RTOCSにより実企業の経営課題を自ら分析でき、かつ数多くのケースに取り組める機会があるから
・オンラインで世界中の人と繋がりが持て、多くの価値観や考え方に触れられるから
・卒業研究で自分が行ってみたいと考えている事業のプランニングに取り組めるから
・新しいビジネスモデルで事業拡大を進められている卒業生の事例を知り、自分もそのようになりたいと思ったから
・オンラインで授業を進められるため時間のやりくりがしやすいから
元々業務では原価の見積もりぐらいしか行ってきていなかったので、あまり財務の知識はありませんでした。コーポレートファイナンスをいざ始めてみると書籍がとても分厚く、講義内容は初めてのことが多かった印象です。
私の場合は講義と書籍に加え、参考書籍の「道具としてのファイナンス」を実際に解きながら進めたことで、何とか追い付けていけました。途中から積み重ねて理解してきたことが繋がりだし、数字が導出されるプロセスが楽しめるようになりました。
この経験を活かし、さらにチャレンジして「M&Aと経営」も履修しました。企業の評価や買収金額の試算も出来る様になり、自信に繋がりました。
複数の当事者へのヒアリングを行い一次情報を収集し、事象の解像度を上げ、更にテクニカルな分析を進めることで本質的な課題を見極める… このような一連のアプローチを当科目では学べます。また対策案についても異なる切り口で多様な発案を行い、最も効果的なプランを採択するといった解決フェーズの思考技術も平行して習得します。
思い付きで解決策を講じるだけでは成功確率は低いという実務上の経験があるなか、問題解決のアプローチを体系的に学べたことは有意義でした。卒業研究で活かせたことはもちろん、あらゆる実務で応用できています。
理論の理解のみならず、実務に転用が行える学びが多かったです。特にRTOCSを繰り返し実施することで、実際のビジネスにおける実践力が高まりました。RTOCSというフカフカのマットの上であれば思いっきりやってみて失敗したとしても問題にはなりませんよね。果敢に知識を活用する機会が提供されているのが良かったです。実務で自信を持って活用できるようになれます。
またRTOCSでは実企業の現在進行形の経営課題を扱いますので、どこにも答えは転がっていません。自分で方向性を見出すことを繰り返すなかで、実務レベルで構想力が鍛えられたと感じます。
6時間の睡眠時間を確保するために、仕事は決めた時間で帰れる様に努力しました。とにかく無駄な時間が発生しないよう配慮していましたね。家族と過ごす時間もあらかじめ決めておきました。それぞれの時間に集中することで、メリハリがつけられたと思います。
寝る時間を削ると、パフォーマンスが落ちるため、睡眠時間を確保するように努めました。学習と睡眠の時間を確保するためにスマホを見る時間を減らし、また時間を決めて体を動かしたりしていました。睡眠を削って無理をすると良いことは無かったです。
ちなみに、学びを通じて自分の知識が増えていくと、周りの人との考え方に差が生じてくることを感じていました。今までにない価値観を持ち思考回路や着眼点がアップデートされますので、丁寧なコミュニケーションをしないと伝わらない場面がでてきます。共通言語で話せる人とは非常に進めやすくなりますが、一方で従来のやり方・経験を重んじる人とはコミュニケーション上の苦労を感じることがありました。
組織人材面では、メンバーのかかわり方において個々のキャラクターやタレント性を重視し、価値創造を発揮してもらいやすい風土づくりを意識しています。予算管理や事業計画の財務シミュレーションでは、得た知識をしっかり活用できています。戦略についても、多くの情報を集め、自社のアセットと競合の動向を含め方向性出しを行う思考アプローチが新規事業検討に役立っています。また卒業研究で取り組んだ内容は、会社の中で実際に事業化に向けて実証を行う予定でいます。
入学時に不安に感じていた「将来どのようにすると良いか」について、自分なりの調査分析から方向性が出せるようになれたのは大きな変化と感じています。現状を把握するにしてもその観点は多様であり、その中でもどこに注目しないといけないのか、時代の変化や他社の動きと合わせてリサーチ出来るようになりました。調査した内容を分析する能力も高まったと感じています。適切な切り口で比較し、強み弱みを発掘し、事象を整理する力がついたと思います。
学習した中で得た知識に加え、日々の情報からどのような情報を得ていけばいいのか、それによる影響はどんなものか、自分の頭で考えられるようになっています。総じて、自分の解釈を論理的に整理し持てることで、あまり他人の意見に振り回されることなく、自分の考えに基づいて行動できるようになったと思っています。
今の会社の新事業の取り組みにおいて、BBT大学院で学んだことを織り込んでいっています。戦略や人材マネジメント、財務計画など実践で使えるものをすぐに適用しています。変化を進める中でメンバーのモチベーションも向上してきているように見えます。
新事業の取組みは従来の取組みと異なるため、非常に不安要素が多いのですが、進む方向性をメンバーと共有し、自信を持って取り組んでもらうことで、結果が出やすくなってきた感じを持っています。この勢いでより変化を進め、新事業の立ち上げを推進していきたいと思います。
また、副業で自分の事業を創ることも進めています。自分の事業を持っておくことで、将来の不安に対する構えが持てると学びの中で分かってきました。どのようなビジネスモデルが良いのか、自分の得意や興味と合わせ、少しづつ準備を進めています。
ネットにある情報で判断しようとしがちだと思いますが、直接話を聞き一次情報を得ることは大事です。体験会やセミナーなどに参加し、自分の中の解消したい何かに繋がる場であるか?自ら体験することで判断されると良いと思います。その取組みの中で、ご自身の不安な部分が整理されていくことになるのではないかと思います。
それと、私は入学後「とにかく3ヶ月はがむしゃらに食らいついていく」ことを意識していました。時間の使い方、頭の使い方、調査するレベル感と最初は分からないことだらけですが、工夫を積み重ね3ヶ月取り組むことで、しっかりと得るものを感じられました。そしてその次の3ヶ月もがむしゃらに食らいついていくことを繰り返し、2年間での卒業に繋げることができました。
またクラスメイトとのコミュニケーションによってモチベーションを保つことができます。一人ではできないことがBBT大学院ではできると思います。