大学卒業後、商社系のシステムインテグレーターに入社し、主に通信事業者向けのアカウント営業として、社主要取扱い製品の販売・構築から、アプリケーション開発、運用提案まで、顧客システムライフサイクル全般をサポートしました。その後、同社にてシンガポール駐在により東南アジアビジネスの立ち上げを行い、社長賞を受賞。2014秋に情報セキュリティ会社に転職し、法人企業向け新規ソフトウェア開発の事業企画と販売開始後のマーケティングおよびパートナーアライアンスに従事しています。
前職で東南アジア地域における新規IT事業の企画および業務遂行にチャレンジしましたが、目標とする収益まで届かず、事業としては撤退となりました。帰国後に振り返ってみたときに経営リテラシー全般が足りていなかったことを実感し、自分にとって一番効率の良い手段として、MBA取得を考えました。駐在時代の上司がMBAホルダーで、非常に尊敬できる方であったことも影響しています。
当時、出張が多かったため、オンラインで学べる大学院をメインに検討しました。その際、オンラインでの学習方法で自分はついていけるのかという心配があったため、本入学しなくても授業に参加でき、単位も取得可能なBBT大学院単科生としてスタートしました。また本科生に入学する際に入学金が免除されることも魅力でした。単科生として2年間で合計3科目を受講しましたが、しっかりとしたカリキュラムとオンライン、オフラインを組み合わせた受講環境、教授陣のレベルの高さを実感し、本科生への入学を決意しました。
文系出身で、社会人生活も営業やマーケティング畑を歩んできたので、どうしても財務会計の分野に苦手意識がありました。しかしながら、将来事業責任者や経営者として活躍するためには必須項目のため、講義動画では完全に理解はできなくても、関連する書籍を読み漁ったり、クラスメイトの投稿を参考に、自分でもExcelで計算してみることで理解を深めました。
私は3年間で卒業するスケジュールを立てていたため、3年目は主に卒業研究(新規会社設立)に重きを置いていましたが、たまたま『現代版企業参謀』という科目が新設されました。大前学長が約40年前に「企業参謀」という書籍を執筆された内容を現代に置き換えた場合、どう考えるべきかを学べる科目となりますが、企業戦略の要諦が具体的な事例とともに纏められており、復習も兼ねて大変参考となりました。卒業後も定期的に振り返り学習しようと考えています。
大学院では、Fact(事実)に忠実に、「要は何か」、「なぜそう言えるのか」、「What if(自分だったらどうするか)?」の3つを常に考えることを徹底されます。そのため、自分の意見を発言することが求められ、遠慮なく質問も行います。自社内でしたら、上司や同僚に対してディスカッションを行いたくても、役職や相手の性格、空気を読まなければいけないということもあり遠慮しがちですが、自分とは異なるバックグラウンド(年齢や業種)を持ったクラスメイトと思う存分意見が言い合えるのは貴重な体験だと思います。
とにかく、妻の理解と協力を最初から得られたことが大きかったと思います。平日は朝早くに出社し、勉強時間を捻出し、週末のどちらかは丸一日を学習時間に充てさせてもらいました。これはテクニックの一種だと思いますが、早朝出勤し、勉強をしていても、周りからは仕事に熱心だと勘違いされ、早めに帰社しやすい環境が作れたと思います。
当大学院では、Air Campusというオンライン掲示板に発言し、教授、ティーチングアシスタント、クラスメイトとディスカッションを行いますが、発言数と質の一定基準をクリアしていないと単位が取れません。またリアルタイムで議論するのとは別の難しさとして、発言内容が事実に基づいているか、矛盾した点はないか、論理は整合性が取れているかなど、目に見える形で発言が残っていくため、投稿を躊躇してしまうことも多々ありました。私はみんなが学びにきている、最初から出来る人などいないという考えのもと、発言を多くできるように努めましたが、クラスメイトの投稿を確認するだけでもかなり時間がとられるため、タイムマネージメントに非常に苦労しました。
私は大学院での学習しただけでは自分の血肉にならず、それを何度も実践することで、「知識」から「知恵」になると考えています。もちろん、問題解決手法や各種講義にて、専門的な知識を学べることは大切なことですが、多少の知ったかぶりでも、在学中に仕事で活用してみることで、あらためて理解できていない点を確認できたり、成果を上げることができました。
クラスメイトは、既に起業している人、大企業で重要なポストについている人、海外駐在し現地で活躍している人など、多種多様です。その環境下で授業をともにし、飲み会で接していると、多少の障壁があっても何とかなると思えるから不思議なのですが、現状維持でチャレンジしないことのほうがリスクが高いという考え方に私自身はマインドセットが変わりました。
MBAを取得したいと考えたきっかけも前職のシンガポール駐在だったのですが、もう一度企業内で東南アジアの国に駐在し、新規ビジネスを立ち上げるか、自分で起業したいと思います。卒業研究の事業計画書も、東南アジアマーケット向けの起業をテーマに作成しましたので、具体的な期日は申し上げられませんが、数年以内には現地に住みたいと計画しています。
BBT大学大学院は通学の必要がないため、逆に自分のマネージメントが重要になります。実際のところ、休学や退学してしまう人も見受けられるため、自分に合っているか、講義についていけそうかを単科生として一つの講座を受講したうえで判断するのも一手だと思います(私がそうでした)。私は講義で学んだ知識や物事の考え方も重要ですが、やはりクラスメイトやOBとのリレーションシップが一番の財産です。子供の世話と仕事が立て込んだ時などは非常に苦労しましたが、一緒に乗り越えてきた仲間たちとこれからも切磋琢磨し、自分の未来を切り開いていきたいと考えています。