従業員90人程度の同族経営の学習参考書出版社の経営陣(取締役・副社長)として、総務・財務・情報システムを担当しています。2年前に転職するまでは、「Medical Officer」として保健衛生実務や保健・医療分野の計画調整を専門とする医師として役所勤めを26年間していました。BBT大学院入学時に51歳でした。(クラスにはさらに年上が2人いましたので安心しました)
経営陣への転職にあたり、経営学を体系的に学ぶ必要があると考えました。同族経営企業の経営陣への転職であり、これ以上転職する予定はないので、MBAである必要は必ずしもないのですが、どうせ経営学を学ぶなら、MBAを自分への「ご褒美」にした方が学びに張り合いが出ると考えました。
他のビジネススクールや経営学大学院と違って、「今日学んだことが、明日会社で使える」ほどに実践的であることと、インターネット授業なので勤務先の日常業務に差し障りなく学べることがBBTを選んだ理由です。あいにくと、大前学長のことは、BBTの入学試験(面接)を受けるために人物像・著書を調べるまでは、名前だけしか知りませんでした。
経営理念系の科目は苦手でした。既に26年間の社会人生活を送ってきたなかで理念が空回りする人や理念が宗教化した人などをかなり見てきましたので、無垢の心で勉強することはできませんでした。若い学友の邪魔をしない程度に議論に参加し、ノルマをこなすことに徹しました。
RTOCS(Real Time Online Case Study)です。2年間で100例程度のCase Study をやると、なんとなく思考の道筋が見えるようになってきますが、それが日常的に新聞やテレビのニュースで見かける現在進行形のCaseなのですから、これほど面白いことはないと思います。
映像コンテンツや課題設定への満足度もそれなりに高いですが、それ以上に楽しませてもらえたのは、私よりも20歳近くも若い学友たちからの刺激でした。学友との交流は主にFacebookによるものでしたが、よいクラスに恵まれたと思います。
自分の仕事は転職直後、子どもは受験期でしたので、これらに負担をかけるわけにはいかない状況でした。このため、家族の就寝後と土日を使ってBBTの勉強をしましたので、2年間は家庭サービスの時間はほとんど取れませんでした。つまり、バランスはとれていないですね。ずいぶんと、飲み友達を失いました(笑)。
勉強時間を確保するために睡眠時間と運動時間を削ったので、慢性的な寝不足とメタボ化が進行しました。正直な話として、頭よりは身体が厳しかったです。2年間で卒業できたのは幸いでした。
BBTで学んだことは、わが社の財務、企画、経営分析や問題解決などの会社実務に、即戦力として活きています。しかし、それ以上に、業界の全体像をつかんだり、新しい出来事の理解に至る思考回路が働くようになりました。
実務的な面で色々と得るものはあったけれど、一番の収穫は、この歳になっても進歩できるということの再認識だと思います。
出版社の経営は「must」としてやっていきますが、もともと医師ですので、保健医療分野の知識・経験と、BBT大学院で学んだ経営スキルの両方を使えるビジネスを起こしてみたいですね。
BBT大学院に入学すると、「50歳以上」でも「元部長」でも、対等に叩いてくれる教官と若い学友が得られます。まだ自分を変えてみたいと思う人ならば、何歳になっても、挑戦する価値があると思います。