新卒入社後は製薬会社の営業、いわゆるMRとしてキャリアをスタートしました。営業成績は比較的良好で、全国トップの営業成績を上げる事も何度かありました。その後は本社の営業生産性改善プロジェクトやマーケティングなど、いくつかのキャリアを得た後、34歳で埼玉県の営業所長となりました。現在は関越支店(北関東甲信越エリア)のビジネス推進マネージャーとして、支店の営業戦略立案、推進を主業とし、支店長をサポートする業務を行っております。
当社は新薬開発型の製薬メーカーであり、昨今急伸しているジェネリック医薬品は扱っていません。しかし、ジェネリック医薬品の浸透は我々の取り扱う新薬の医薬品のシェアに対して明らかに影響が出てきており、さらに特許が切れたらすぐにジェネリック品に切り替わり、売上が激減してしまうの状況です。さらに、医薬品プロモーションガイドラインの厳格化など、これまでの経験則の営業モデルでは到底生き残る事は出来ず、多くの社員が会社を去っていくような状況となっています。しかし、このような環境下で自分はどのように行動するのが正しいのか、全く答えがありません。私にとってMBA取得の決意を固めた理由は、そのような環境下でも生き残っていけるスキルを身に着けたいと考えたからです。
自分が今後どのように行動すれば良いのか、狭い常識の中で考えを巡らせていた時、Facebookの広告で変わった名前の大学院がある事に気が付きました。しかも学長はあの有名な大前研一氏。ちょっと興味がわき、メルマガの購読を申し込みました。ある日、自分の年代を対象にした説明会があると言うので、興味本位で見に行ってみようと申し込みました。説明会当日、説明をしてくださった卒業生の方のお話はとても興味深いものでした。ご自身もサラリーマンで悶々とした日々を過ごしていたこと、BBTに入って人生観が変わったこと、BBTの講義やプログラムはとにかく面白くて夢中で取り組んだこと、そして人生観が変わった結果、会社を辞めて起業をされた事など、私にとってはどれも刺激的なお話でした。普通のサラリーマンが、会社を辞めて起業を志させるようにするようなプログラムって、いったい何なんだ?と一気に興味が湧き、入学を決めました。
『アカウンティング』、『コーポレートファイナンス』など、お金に直接関わる科目は苦手意識が強かったです。とにかく初めて聞く単語ばかりで、覚えるのに苦労しました。覚えなければならない言葉や概念は、自分の机の周りにベタベタ貼っていつでも見れるようにし、分からない事は恥を捨ててAirCampus上で質問すれば、同期の会計士やTAが分かりやすく答えてくれるので、徐々に理解していけました。また、RTOCS(Real Time Online Case Study)では該当企業の決算書をなるべく見るようにし、どこに何が書いてあるのか、これは何を意味しているのかなどをなるべく考えることで、克服しました。
どれも面白い科目ばかりで、一つに絞るのが難しいです。『イノベーション』では左脳だけでなく、右脳をフル回転させて、普通では考え付かないようなプロダクトやサービスのアイデアを出し合う訓練をしました。『イノベーション』のコツを覚えるだけで、ここまで構想を広げられるのだと大変勉強になりました。そして、『イノベーション』で身に着けた構想力を毎週のRTOCSで活用するように意識していました。RTOCSは当大学院の名物カリキュラムですが、毎週欠かさず取り組む事で、問題発見→課題設定→方向性提案がスムーズにできるようになったと思います。一人ではきついですが、多くのクラスメイトとクロスファータリゼーションしながら回答を導く過程は苦しくも楽しい日々でした。また、『戦略的人材マネジメント』で学んだ、心理学に基づいた人材論は目からウロコが何枚も落ち、実務でもかなり活用させてもらっています。
BBTのオリジナルシステムであるAirCampusは、いつでもどこでも参加する事ができますので、出張が多い私としては電車の中で講義を見る事が出来たり、出張先のホテルでディスカッションに参加したりと、自身のライフスタイルに合わせて取り組む事が出来るのが良いと思います。また、言わずもがな講義のラインナップは実務に役立つ面白い講義ばかりです。課題提出のペースが早かったり、量が多かったり、大変な科目も実際にはありましたが、時間をかけた科目ほどしっかり自分の身になっているように思います。
私はスポーツが好きで、週末はロードバイクやランニングにいそしんでいました。しかし、BBTに取り組むからには、ある程度何かを犠牲にする事で自分の決意を固めようと、2年間は一切ロードバイクもランニングもやらないと決めました。土日の時間さえある程度確保することで、平日の夜に2~3時間使ったり、移動中に講義を視聴するなど工夫する事で、何とか2年で必要単位を取得する事が出来ました。
毎晩、夜にAirCampus向かっていると、議論が盛り上がってしまう事もしばしば。気が付いたら1時や2時というのはザラでした。また、毎週日曜日の夜にライブが始まり、またRTOCSのお題も出されるので、日曜の夜もかなりACに熱中していました。
その結果、朝起きるのがつらい、という寝不足の生活を繰り返していました。今思えば、もう少し朝型にした方が、効率は良くなったかもしれません。
BBTで学んだ2年間を通して、よく耳にしたのが、仕事をするという事は社会貢献をする事であり、その対価として報酬を受け取っている、という考え方です。自分は営業成績を上げる事を仕事の意義として取り組んでいたところがあり、これでは経営者目線としてはダメだと考えさせられました。自分は何のために存在しているのか、社会にできる価値は何か、それを問い続けながら仕事に取り組むようになりましたし、部下や周囲にもそういう事を言うようになりました。その一方で、問題解決力も上がったと思います。論理的思考によりフレームワークが自然と頭に浮かぶようになり、議論が行き詰った時や、真の課題を抽出するときなど役に立っています。
お金を稼ぐ為に仕事をするのではないく、社会貢献するために仕事をして、その対価として報酬をうけとるのだという考え方に変わりました。その考えに基づいて、自分がやるべきことは何なのか、本当の正解が何なのかはまだ自分でも明らかにはなっていませんが、社内外でその可能性を探っていきたいと考えています。
「人生が終わった時に、いい人生だったと言える人生を送れ」。これは大前学長の口癖です。何となく今の会社で出世して収入を伸ばし、週末は趣味を楽しめれば良いと思っていた自分ですが、自分の知らない世界は無限に広がっている事を学びました。常に5年後に何が起こるのかをよく考え、真っ先に行動し、自分にできる社会貢献を出来たなと思った時に、いい人生だったと思えるのだと思います。あらゆる可能性を考えて生きていきたいと思います。
私も最初はこのような大金を投じる価値があるのか、非常に迷いました。しかし、思い切って飛び込んでみると、そこには自分の人生観を変えるあらゆる要素が詰まっていました。待ちの姿勢ではなく、どんどん自分から発言し、周りを巻き込んでいければ、身に付き方も加速すると思います。また、BBTは、サイバーベースですが、できるだけスクーリングやイベントに参加したり、近隣の同級生とフェイス・トゥ・フェイスで会う事をお勧めします。リアルとサイバーの融合がAirCampusの本当の価値だと思いますし、そうする事で新たな気づきが山のようにありましたし、何より楽しいです。ここで出会った多くの学友は、仕事だけではなくプライベートでも長く付き合いが続いていく人達になりました。