最初のキャリアは電力会社の原子力発電所エンジニアから、新規事業の立ち上げ部署に異動し、市場調査から会社の設立までを経験しました。それから、会計事務所で2年ほど修行して、顧問先の取締役に就任し事業再生をやっておりました。事業再生も落ち着きと、BBT大学大学院を卒業するタイミングで、通販化粧品、健康食品企業の会社に転職し、現在は事業企画をやっております。大きな市場の成長が見込めない(国内産業ではほとんどそうでしょうが・・)なか、会社の管理制度や中長期的な戦略立案に関わり、いかにして会社を強し成長させるかを課題としています。
MBAの取得はエンジニアからビジネスマンに転身した時からの希望でした。最初は単なる憧れだったかもしれませんが、仕事で経験を積んで実際に企業経営に関わるようになってから、体系的にビジネスを勉強する必要性を感じたのがきっかけです。しかし、私が高専卒という学歴から、大学院で経営を勉強することは無理という、BBT的に言えばメンタルブロック状態でしたので、自らチャンスを掴みにいったというより、偶然インターネット広告で目にしたBBTの紹介がなければ一生チャンスに恵まれなかったかもしれません。
一つは、実践的であることが挙げられます。教授陣が実ビジネスにおいて一流の実績をもっていることに惹かれました。アカデミックな知識は否定しませんが、当時会社の立て直しをやっていたこともあり、学んだことを即実践し成果を上げる必要があったので、この点は重要でした。もう一つは、時間に制限されない勉強ができることです。実際、出勤中、昼休み、帰宅後と細切れの時間を利用していましたし、私が、少ない時間でもコツコツやる方が好きなので、BBTの学習スタイルは合っていたと思います。
特に苦手と思う科目はありませんでしたが、大前学長科目と卒業論文は常に頭から課題が離すことができないので、非常にきつかったです。家族からも、RTOCSで毎週毎週のレポートが一番大変そうだったと言われます。絶対的な正解はないので、気を緩めることは可能なのですが、教授、TA含めすべての学生に自分の意見、考え、結論を見られ、時にはガッツと反論、ツッコみを受けますので、真剣勝負が長期間に渡ります。これを克服できたのは、妻から「あなたが選んだ道でしょ」と何回も言われたことで、気持ちを奮い立たせることができたからです。学生の中でももっと大変な環境で、学んでいらっしゃる方が大勢いますので、世の中こんなにすごい人がたくさんいるんだなと思いつつ、自分もやらなきゃ一流の経営者にはなれないという刺激を受けてたことも心の支えになりました。
すべての科目がタメになったと思いますが、問題発見思考、RTOCS、イノベーションの3点セットが、自らの骨身に沁みた科目になったと思っています。仕事だけでなく、私生活でも、考える力を養えたと感じています。どうしても人間は同じ枠の中に情報を入れて物事を捉えるか、経験則の中から結論、結果を求めますので、本質の追及にはなっていないことが多いです。私も同様でしたが、自分の考えにチェックを入れて、この結論を得るための情報に洩れ、被りはないかどうか検証するクセを得ることができました。
正解のないビジネスの世界で、自信を持って仕事をするためにも、3点セットが大きな基礎になっています。
BBTは考える、議論する、考える、そして自らの答えを出す。日本全般の記憶する、暗記する、答えを書くという教育スタイルとは全く違うものですので、最初は力が身についているのかは分かり難かったかもしれません。経営者としては、100%分かった状態での答えを出すことは不可能に近いですし、完璧に分かった状態にしたところで、その意思決定は機を逃してしまいかねません。昨日の正解は、今日の間違いとなってしまう動きの速い現代の経営環境を乗り切るための脳みそに対する教育を受けたと考えています。その他にも、卒業生の先輩がお忙しい中TA(ティーチング・アシスタント)となって、後輩をビシビシ鍛えていただけるシステムは、在校生の気の緩みを引き締めてくれるのも大変な助けになりました。
きつければ、休めばいいし、誰に強制させられているわけではないので、自らがやりたいだけ、やれるだけ精一杯両方がんばるようにしてました。卒業してから、まだまだ勉強したらよかったかなとも思いますが、死ぬまで勉強がBBTの教えですので、今後も両方頑張ろうと思ってます。
サイバー上のやり取りに慣れなかったこと、遠隔地でスクーリングに出ることが難しく、学生同士のリアルな関係を築きにくかったため、議論がかみ合わないと感じることもありました。しかし、集団知に貢献できるような発言をしなければという、いいプレッシャーになったと思います。
たまたま、仕事の立場上、学んだことを即実践できる環境でしたので、学んで実践、学んで実践を繰り返すことができました。特に構想力、提案力が身につけられたので、すべてではないですが壁を突破できる確率が上がりました。仕事だけでなく、万年最下位の少年野球チームにコーチとして組織論、人材マネジメント論と一人一人が考える力を養うことを導入し、戦えるチームになっただけでなく、チームを巣立った子供たちが上のカテゴリーでも活躍してくれています。”もしドラ”ならぬ、”もし前(大前研一)”だと思っています。仕事だけでなく、私生活でも実践で活きるという証拠となっています。
物事の本質は何かをよく考えるようになりました。ニュースなど表に出る情報が、何を意味しているのか、興味を持った事象に対して調査し自分なりの解釈を持つことを大事にしています。
一流の経営者になることを目標に勉強しましたが、単に仕事だけでなく充実した人生を送れるようにと考えています。
学ぶことは楽しいですが、BBTでは脳みそをひたすら回転させ続けることを求められますので、キツイです。悩むならやめた方がいいかもしれません。BBTは経営者、経営層を目指す人の集まりですので、自分の道に対して意思決定できない人が、従業員を背負って企業の意思決定をすることは無理でしょう。私の周りにも入学をためらい断念した人もいますが、学んだか、学んでないか、の力の差ははっきりします。