東京都内の大学病院で医師をしています。長年循環器内科医として心臓救急を中心とした診療、研究および医学教育に携わってきましたが、入学当時は分院の病院長として管理部門の仕事が多くなっていました。卒業後は学内で機構改革・組織再編の仕事に本格的にかかわるようになりました。今後はこれに加えて次の世代を担う良い医師を養成すべく教育分野の仕事も多くなりそうです。
医師になって30年以上海外含めていろいろな病院・施設で働いてきましたが、病院をしっかり運営・経営していくには、経営について自己流の勉強ではなく包括的かつ集中的に学習する必要があることと、これまで慣れ親しんだ領域以外の世界に一時的にでもしっかり浸かることにより自己リノベーションが可能になると考えたためです。
大前研一学長です。20年前からいわゆる「大前本」はほとんど読んできたわけですが、大学院生になることによりこの内容にしっかり向き合えると思ったからです。 サイバーで学ぶことができるということも重要で、自分で学習時間を設定できそうだということがわかってから一歩踏み出すことができました。
「アカウンティング」です。 恣意的な要素があってあまり科学的・論理的でないのでは?などと誤解していたのですが、考えを改めさせられた感じです。それにしても、クラスメートにこの領域のプロフェッショナルが数名いて、私にもわかる入門本を教えてもらったり、AirCampus上で初歩的な質問にも丁寧に答えてもらったことが大きかったです。
ひとつと言われると難しいです。大前学長の科目は予想通りいつも刺激的でしたし、2年目のglobalizationに関する英語での学長とのdiscussionも貴重な経験でした。私にとってはアカウンティング、マーケティングなどの基礎的科目や2年目のleadership, communication, negotiationなどソフトスキルといわれる科目も大変タメになりました。 その中で予想を超えてというものを挙げると、ビジネス・エシックスです。 企業が社会で存在して行くということはどのような意義があるのか、そのためにはどのように振舞えば良いのかということは、門外漢の私にとってとても新鮮な内容でinspiringだったと記憶しています。
刺激的かつ日々刻々と自分が変わってきているということを実感できる教育でしょうか。
それぞれの科目が進行するにあたり、講義の進行だけでなくAirCampus上でのクラスメートとのやり取りを通じて、むしろスピード感をもって学習が進行する(せざるを得ない)感じがします。
時間の振り分けがポイントでした。私の場合は、早朝と週末午前がBBTタイムということで、それ以外は割り切って仕事や家内との時間を保っていました。3人の息子たちはすでに独立して世界のあちこちにいたのですが、BBT大学院で学んだことを何かの機会にそれこそサイバーで家族にプレゼンして議論することで「オヤジも何とかやっとるな。」という「再評価」を受けていたものでした。
苦労と言いますか、私の場合にはすべての内容が新しくかなりのインプットはできたと思うのですが、これをどうやって自分自身のアウトプットにつなげていくかという答えがなかなか見つからなかったことです。これは自分自身の問題ではありますが、今後の課題でもあります。
学内で、医療機関の経営から組織再編、教育システム改編など様々な場面で重要な計画のプラニングと実行に大いに役立ちました。これまで“ マルドメ”と言われる医療業界でしたが、今後のグローバル化に向けて新たなプロジェクトを実行したいと思っています。
私の場合還暦間近の学生でしたが、人生何事を始めるにも遅すぎることはないということが良くわかりました。これからも年甲斐もなく新たな挑戦ができそうな自信を持てるようになったことが、大きな変化と言えると思います。
現在の職場が、臨床・研究・教育のすべてで世界のメディカルセンターになるように、いろいろな場面で貢献したいと考えています。その後はセミリタイアして、日本を含む3か国くらいで季節ごとに移り住んで、地域でささやかな医療貢献をしながら好きなことをやる生活でしょうか。
BBT大学院はとても刺激的な世界で、自分の殻を破ることで新しい自分に出会えるという素晴らしい経験を積める学び場です。是非、大いなる好奇心とちょっとの勇気を持って飛び込んでみてください。