製薬メーカー(内資系)の研究所において研究生産性向上に貢献するためのITソリューションを提供する部門のマネージャーをしています(いわゆる社内IT部門)。研究体制がグローバル化されているため、海外の研究サイトとの協業や合同プロジェクト案件も頻繁に行われており、自分も含めて“グローバル人材”になるべき部門の一つと考えています。
前職は外資系の製薬メーカーに勤めており、大学院修士課程を修了後に研究者として入社し、数年後ITに興味を持ち社内異動で現職と同じ研究所のIT部門に移りました。
MBAホルダーになりたいというより、単なるIT屋にとどまらない問題解決のプロフェッショナルになるための訓練がしたいと以前から考えていました。大前学長が「現代のビジネスパーソンに必須な“三種の神器”は英語・財務・ITのスキルだ」とおっしゃっていますが、それらのツールを組み合わせて結果を出すためのベースとなる「問題解決力」を磨きたいということです。
そのことで今後の自分のキャリアの幅が大きく広げられると考えたからです。
時間や場所を選ばないサイバー大学院であるということも理由の一つですが、やはり大前学長をはじめとした教授陣から学べるというところです。自社からはBBT大学院開設当初から毎年のように入学・修了する者がおり、彼らが社内で活躍している様子を見ていると是非自分も!というモチベーションにつながりました。
“三種の神器”のうち財務(ファイナンス、アカウンティング)は系統立てて学んだことがそれまでなかったので、講義やAir Campusでのディスカッションについて行くのに苦労しました。ただ講義の内容を理解するだけでは意味がなく「使えてナンボ」のものですから、それら講義と平行で常に取り組んでいたRTOCSや問題発見思考・問題解決思考の演習等で実践することで“モノにする”よう努めました。
毎週のRTOCSは自分の知見や考え方の幅を広げるのに役に立ちましたが、科目という点では問題発見思考と問題解決思考です。二つともいくつかの実践的な演習で経営者視点での分析力を磨き、最終レポートでの課題でそれらを活用してロジカルにまとめるというものでしたが、ピラミッドストラクチャーの考え方やファイナンスやアカウンティングで学んだことをフル活用しないと質の高いレポートにならないということで良い思考の鍛錬の場になりました。また、そのレポートに対する教授からのフィードバックもとても参考になりました。
各科目のクオリティの高さは言うまでもありませんが、受講している仲間の志の高さがAir Campusでの議論の質に反映されていて、その組み合わせによって何か発言をするたびに一次データを調べて自分の考えをきちんとまとめるという“思考の癖”が身につきました。
2年間で修了要件を満たすにはボリューム的にも厳しいものでしたが、途中でくじけることなく修了することができたのも、この質の高い議論が自分の知的好奇心を満たし続けていたからだと思います。
仕事とのバランスについては上司の理解もあったために割とフレキシブルに調整することが出来ました。ただ、2年次後期のタイミングで部門の組織改編があり業務上の責任範囲が広がったため、卒業研究の追い込み期間はかなりしんどい思いをしました。自分には子供がいないこともあり、プライベート・ライフに一方的にそのしわ寄せが行ってしまい、パートナーにはかなり迷惑をかけることになってしまいました。
何といっても“時間をつくる”ということと“その時間を如何に有効的に使うか”ということに尽きると思います。例えば1日3時間のまとまった時間を確保したとしても、複数の科目の講義やディスカッションをこなそうとすると、やみくもに調査や分析を進めてもまとまった結論を限られた時間で導くことができなくなります。何をどこまで調べれば自分なりの考えをまとめることができるのか、ということを常に意識していました。とは言っても、時折寝不足のまま仕事をしていたこともありますが。
仕事の上で何か課題を見つけた際に、単なる思いつきやこれまでの延長線で解決策を探るのではなく、関係する登場人物それぞれの立場からデータを収集し問題を分析することで、最適解を導き出そうとするようになりました。また、部下の業務課題に対してフィードバックする際にも、よりロジカルで相手にとって納得感の高い内容を返すことで彼らの成長をよりサポートできるようになったと思います。
何か課題について考えるとき、分析を行うときの視点が広がりました。BBTで学んだ多くの講義内容や教授のコメントなどがそのベースになっていますが、様々な業種や経歴をもった仲間とのディスカッションや指摘が自分の思考の幅を広げたと思います。またその視点の広がりがメンタルブロックバスター思考にもつながっていると思います。
自分の場合、起業したいというよりも、現在身を置いている医薬品業界でキャリアを積んでいきたいと考えているので、BBTでの2年間で身につけたビジネスプロフェッショナルとしての強力なツールを最大限に活かして、また継続して磨いていくことで、ビジネスのアウトプットに直接貢献できるようなポジションで仕事をしたいと考えています。社内にBBT修了生が何名もいるので、欧米メガファーマらとグローバル環境の中で伍していくために自社にどんな強みをもたらすことができるか、といったことをチームを組んで取り組めたら面白いのではと思ってます。
BBTのカリキュラムはかなりハードな内容であることは間違いありませんが、知的好奇心がくすぐられ、学びが血肉として身につくことを実感できます。またAir Campusでのディスカッションは、仲間からの刺激で自らが学ぶということに加え、個々人の思考の根幹というか人柄のようなものが伺えて、その交流がまた継続への力にもなりました。こういった経験を出来る場は少ないと思いますので、是非チャレンジしてみることをお勧めします。