公認会計士をしています。大手監査法人に6年勤務した後に独立し、今年で8年目になりました。「組織の機能不全の防止・発見・是正」を事業ドメインとして、上場企業を中心に、内部統制の整備・運用支援、内部監査の整備・運用支援、不正調査業務を提供しています。
私は「会計」や「監査」の観点から顧客企業に携わってきました。しかしそれは一つの側面に過ぎず、専門家としては良くてもビジネスパーソンとしては偏っているように感じていました。もっと様々な観点で企業を観れるようになれれば、顧客に対して、より価値のあるサービスを提供できるのではないかと考えました。
また事務所が中長期的な成長を成し遂げるために、私が体系的に経営を学ぶ必要があると考えました。
友人から大前学長の本(『新版 「知の衰退」からいかに脱出するか?』)を勧めらました。それが初めて読んだ学長の本だったのですが、内容に深い感銘を受けました。その中でBBT大学院の内容や特徴にも触れられていて、上記のような私の課題を解決する学びの場としてこれ以外ないと、ほぼ即決していました。
経営学部出身で、会計士受験を経ていることもあり、苦手科目はありませんでした。特徴的に感じたのは学長科目のRTOCS(Real Time Online Case Study)です。分野を問わず、政治や外交といった領域にも踏み込んでいるので非常に新鮮でした。まったく知らない分野でも「言い訳はしない」というスタンスで取り組みました。結果として、仕事においても受け止める度量を広げられたと思います。
マーケティング概論です。今までマーケティングは重視しておらず、気が向いた時に、自分が好きなようにやっていました。ここで体系的にマーケティングを学べたことで、バラバラだったマーケティング、R&D、、セールス、サービス提供といった各業務を有機的につなげることが出来ました。
Air Campusが想像以上に深い学びをもたらしてくれたように思います。発言が流れていかないので、同級生の主張がどういったものかしっかりと検証できますし、相手の人となりの理解も早い段階で進んだと思います。また、私はけっこう人見知りで内気な性格なのですが、はじめから素の状態でディスカッションに参加できたのも、Air Campusならではだったと思います。同級生と初めて飲み会を開催した時も自然に打ち解けられたのは思わぬ副産物でした。
「やらないこと(ゴルフ・飲み会・テレビ視聴等)」を決めて時間を捻出するとともに、タブレット端末を活用して移動中などのスキマ時間を徹底活用しました。仕事はそれで乗り越えましたが、家族の方は申し訳ないことにバランスしませんでした。卒業してからリカバリーに努めています。
2年で卒業する目標だったので、物量的に厳しい時期がありました。入学した段階で2年分の履修計画と自身の仕事の繁忙を埋め込んだ月単位の計画表を作成していたので、厳しい時期は「ここが正念場」と言い聞かせつつ乗り切りました。同級生ともリアルな集まりやSNSでの繋がりがあったので、息抜きしたり励まし合ったりしていました。
学びを経て、自分が認識する「自分の仕事」が大きく広がったように思います。今まではマーケティング、R&D、セールス、サービス提供、各種管理業務のバランスが非常に悪かったことを認識できました。これらの業務を追加・調整しつつ、短期・中期・長期という時間軸を考えていくと、やるべきことが山ほどあることに気が付きました。卒業してから本格的に取り組み始めて半年。まだ定量的な成果には直結していませんが、非常に可能性を感じています。継続的に実践していくことで、1~2年後には成果が出せると期待しています。
自分自身や、自分の仕事に対する理解が進みました。様々な業種・業態・組織・職位・年齢の同級生とのディスカッションを通じて「社会の中の自分、自社」が以前よりも明確になったと思います。これにより、良い意味で腹が括れました。また、論理的思考を徹底したことを通じて、組織や社会が大切にしている情緒的感覚についても理解が進みました。
事業としては、この先10年くらいかけて、今取り組んでいるサービスの市場の開拓とシェアの確保、ブランドの確立をしていきたいと考えています。個人としては年齢とともに可能性を広げられるような生き方をしていきたいと考えています。
私は自分に足りないものを発見し、それを補うことを目的として入学しました。結果として達成できたと思うので満足しています。一方で結果論ですが家庭環境の変化もあったので、あと2年早く取り組んでおけばよかったと思うこともあります。目的が決まっているのであれば、迷う必要はないと思います。早く取り組んだほうが間違いなくプラスです。