営業で入社しましたが、会社の組織改編の際に、マーケティング関連の部署に配属となり、市場探索をメインに行なってきました。現在もその延長線上で、市場環境の動向把握や新規顧客への情報提供のあり方などを検討しています。
当時、営業組織に所属していましたが、主要顧客に対して、先方が納得する充分な提案ができていないことにジレンマを抱えていました。製品知識や市場動向には自信があったのですが、顧客側に受け入れてもらえるための何かが欠けていることも同時に感じていました。その時に、問題解決に関する論理的な考え方、財務や会計、組織など、経営に関する幅広く体系的な知識と経験が必要だと思い、それを学べる手段として、MBAの取得を検討しました。
私は当時営業だったので、業務は様々なイベントにより、まとまった時間を確保して勉強することは難しい状況でした。そこで検討した大学院は、論理的な思考力を学ぶことができる講座があり、かつ、当時の私の環境下でも学習が可能な大学院でした。そういった環境のある大学院を探していたところ、BBT大学院を知りました。パンフレットに書かれていた”Stay centered”という言葉を見て、問題に真正面から向き合うカリキュラムがあると考え、BBT大学院を選びました。大前学長の経営的な視点に立った講義はそれまでも聞いていたのですが、自分自身の問題として、胸を借りる思いで飛び込むことにしました。
『アカウンティング』、『コーポレート・ファイナンス』については、業務で関わったことがなく、未知の領域でした。心掛けていたことは、基本や考え方を着実に理解できるようにすることと、実務や実生活上で活かせることがないか考え、取り組むことでした。将来価値と現在価値の考えは、住宅ローンや株式投資など、身近な問題に応用することができます。また、国債の金利をベースに、将来価値を考える方法を学びましたが、現状の日本では超低金利で、現金を持つことによるメリットが大きくはないなどの、資産運用に結びつけて理解を深めるように努力しました。
『問題発見思考』と学長科目である『現代の経営戦略』で行なった「RTOCS」が、これまでにない学びを得ることができました。理由は、私の考え方の癖を矯正し、経営者としての結論を出すことを求められたからだと考えています。私は、個々の事象から問題を捉える傾向があり、発想に広がりを持たせることが苦手でした。また、結論に至らないアイデアベースでの考えで思考を止めてしまうことが多く、当事者としての現実性が伴わない意見に終始してしまうことも多々ありました。『問題発見思考』の授業では、こうした考え方の歪みに対して、徹底した訓練を行なうことができ、歪みが矯正されました。「RTOCS」においては、限られた時間で結果を出すことを要求されます。正解がない問題に、自分が納得できる答えをどこまで出せるのか、それをクラスメイトに指摘されながら、考えを具現化するプロセスを学びました。
実践的なテーマを数多く受けることができたことと、様々な背景を持つクラスメイトと関わることができ、他では代えがたい経験となりました。また、自分の考え方を表現する方法を学んだこと、経営に関わる包括的な学びを得たことで、自信につながりました。卒業をしても、クラスメイトとの交流は続き、学びに終わりがないことが、楽しく、刺激的に感じます。
私は、業務に支障を及ぼさないことを前提に、平日は講義動画の視聴中心で、週末にまとまった時間を作り、集中的に取り組みました。当初は、全てをこなさなくては、という思いもありましたが、当然これまでのやり方ではうまくいかなくなりました。そのため業務でもプライベートでも、求められる成果を確認し、優先順位を付けて取り組むことで、無駄な時間を減らすことができました。また、量だけではなく、集中をする時間の質を確保するため、カフェを利用したり、スマートフォンをオフにして取り組み、振り返ってみると自分の行動を見直す良いきっかけとなりました。
業務の変化への対応と、タスクスケジュールを身につける方法に苦労しました。大学院に入学を検討される方は、業務やキャリアで岐路に立っている方も少ないと思います。私も受講途中で営業から内勤への異動があり、公私共に忙しい時期と受講が重なったことで、時間の配分に非常に苦労しました。また、入学当初、全体のスケジュールから考えることができず、科目を集中させてしまい、途中で断念をした科目もありました。週にどれだけの時間を割く必要があるか、提出日はいつかなど、全体像を繰り返し確認して受講をすることが、継続して学びを最大化するコツだと後に気付き修正を行ないました。
メールの文章1つを取っても、当事者意識や経営者の視点を踏まえ、結論から記載するなど、行動に結びついた変化が起きていると思います。特に「RTOCS」で重視されていた、factに基づく意見の提示を学んだ結果、普段からなぜそのように言えるのか、考えたのかの論拠として示すことが増えました。また、これまで躊躇していた場面でも自分の意見を主張することができるようになったと感じています。クラスメイトとの議論の中で、発言をすることを求められていたことが大きく影響していると考えています。
自分の意見を持ち、他人と議論をしながらより良い結論に導く方法と、自分なりの結論を出して活動をすることができるようになったことが最大の変化だと思います。議論の中で、敢えて反対意見を述べて論を深める「devil’s advocate」といった手法や、factベースで考える方法は非常に効果的な方法で、実践的なやり方を身につけることができたと考えています。
BBT大学院卒業後の次の目標は、英語を使って様々な方とコミュニケーションをすることです。大学院に入学して学んだことの1つは、多種多様な意見の中でこそ、自分の強みを理解することができ、また、その特徴を活かすことで全体の結論をより良い方向に導くことができるということでした。これまでは、自分自信の能力や経験に必ずしも自信が持てませんでした。MBAを取得した後は、海外を含む多くの方々とコミュニケーションを取ることで、学びを活かし、自分の目指すべき方向をより具体化したいと考えています。
私はこれまで、自分で自分の環境を決断した、と断言できるほど自信を持って何かを選択することはできていませんでした。これからの自分の選ぶ道を、自分自身で納得して決断するには、その根拠となる学びと仲間が必要だと思います。もし今の自分に足りないものがあり、学ぶ機会を探している方であれば、トライしてみてはいかがでしょうか。必ず投資しただけの成果が得られると思います。