10数年前から外資系製薬会社の臨床開発部門で働いています。製薬会社に就職する前は臨床医や研究医として大学や病院で働いていました。現在の職務では、海外にある本社の人間と協力し、営業やマーケティング、さらには経営陣の方とも密接に関わりながら医薬品開発に関わるプロジェクトチームのリーダーや医師やサイエンティストのグループの管理職としての役割を担っています。
管理職になり、所属する組織の管理職に対するトレーニング、営業やマーケティングとの協働などを通じてビジネスや組織の管理、戦略立案、ポートフォリオ管理などに関する知識とスキルを断片的に得ていたものの、体系的に学んでいないことがリーダーとしての能力の限界になっているのではないかと悩んでいました。上司がMBAホルダーで、部下にもMBA取得志望がおられて、具体的にどのようなスキルや知識が得られるのかを調べているうちにMBAへの興味が大きくなっていきました。
入学前は、単身赴任をしていたり、出張が多かったりで、週末に大学院に通うことは難しかったので、通信制やネットを通じた大学院を探していました。卒業生の評判や説明会での説明を聞いて、ハードだが、とても価値のあるコースであるということが納得できたのでBBT大学院に決めました。
学歴・職歴のバックグラウンドが医学や研究開発だったため、入学前はファイナンス関係に苦手意識があり、大学院でこの意識を払拭したいと思っていました。BBT大学院では、簿記の初歩からコーポレートファイナンスの実際まで、丁寧に学ぶことができ、入学前は自分にとって意味不明だった財務諸表の意味を解釈できるようにまでなりました。
毎週出題される「Real Time Online Case Study (RTOCS)」は、企業や組織の今の状態をケーススタディとして考えるため、答えのない中で、自分で課題を発見して、解決策を見出すためのよい訓練となりました。その礎としてロジカルシンキングをベースとする『問題解決思考』も実践的で今すぐ成果を使える科目でした。
すぐに実践で生かせる知識やスキルを身に着けたい人にはフィットする大学院だと思います。また、オンラインで限られた時間でも講義や課題を行うことができるため、時間を効率的に利用するという副次的なスキルも身に着けることができます。
自分にとって何が最も重要なのかは、TPOによって異なりますから、その日、その時、その状況で優先順位をしっかりと考えて行動するように、仕事、プライベート、学びをバランスさせることを心掛けました。その中で最も効果的だったのは、時間を予定通りに使うことでした。例えば、仕事、家族、学びの時間を計画的に配分し、それぞれの時間には、それぞれの課題に集中して取り組み、他の課題のことは全く考えずにその時間をあてる方法です。しかし、時間には限りがあるので、どうしてもかたまった時間のとれる週末に学びの時間が集中しがちで、休日の家族やプライベートの時間が少なくなり、家族や妻の協力や理解がないとお互いのストレスになるので、協力や理解を得られるような注意が必要だと思います。
必修科目の課題だけでも分量が多く、選択科目の取り方を工夫しないと、十分に課題に取り組む時間をとれなくなることがありました。あらかじめ、各課題にいつごろ、どのぐらいの時間や労力がかかるのかといったことまで計画的に行えなかったので、時間の捻出に苦労しました。通勤時間や睡眠時間はもちろんですが、入浴やランチの時間も含めて、時間を使いまくりました。おかげで、1日に使える時間がそれまで思っていたよりも結構あることを認識しました。
組織の戦略を立案するための知識とスキルだけでなく、具体的な解決策の選定の訓練や組織のリーダーとしての考え方を身に着けることができました。そのため立案した戦略が具体的な実践として落とし込むところまで、机上の空論とならないような戦略を描けるようになったと思います。
RTOCSや問題解決思考などの必須講義は、事実や数字を自分で確かめて、自分のもつ能力や知識を最大限に使い切って、結論まで結び付けていくことの重要性を強く認識させてくれました。大袈裟ですが、自分の生き方、考え方を変えたように思います。
BBT大学院に入るときには、起業などの多様な働き方や世の中への貢献の仕方について深く考えることはあまりありませんでした。大学院での学びや経験を通じて、自分の能力や考え方、可能性を信じて、起業を含めたあらゆる働き方の可能性を排除せずに、これからの人生を世の中に貢献するために働き続けていきたいです。
働きながら、遊びながら、2年で卒業するのは、かなり大変でした。しかし、いろいろ自分なりに工夫して、時間を効率的に使って、学びの時間は気を集中して取り組めば、何とかなりました。人によっては状況が異なるので、それぞれの人にあった取り組み方があると思います。BBT大学院での学びは常にハードな取り組みですが、おそらくどんな人にも、、自分の一生の時間の使い方としては、非常に効率的かつ効果的にポジティブにインパクトを与えるものになると思います。