2006年入社時以降、欧州・南アの新車立上げPJTの進行管理をしています。具体的には、PJTの全体日程を企画・共有し、様々な問題に対して、マネジメントを巻き込みながら解決策を検討し、促進していきます。
きっかけはいろいろあります。生産分野以外への興味、グローバルなビジネスへの好奇心、大前学長はじめ一流教授の方々からの薫陶の機会、入社前からMBAは取りたかった、10年実務を経た後で体系的な理論を学びたかった等々ありますが、一番はもともと事務系入社で、エンジニアのような確固たる後ろ盾がなく、何とか自分の強みを見つけたい一心でした。
MBAの選択肢はフルタイム、パートタイム、通信とありましたが、とにかく、MBAという学問を学ぶために、実務である仕事を中断させたくありませんでした。今取り組んでいる実務は成長でき魅力的で、かつどのような座学よりも現実的でした。また、パートタイムは休日のみの通学制では家族との時間を持てない上、体力や通勤代など浪費することが予想されました。通信はクラスメイトとの繋がりやコンテンツなど不安はあったものの、大前学長については以前から著書やABS(アタッカーズ・ビジネススクール)卒業生などとの交流から、考え方や教えに共感していましたし、コンテンツは魅力的で、AC(AirCampus)は有益そうなツールでした。
『ビジネス・エシックス』は内容が多岐にわたり、純然なビジネスだけの議論だけではなく、その人の生き方や価値判断についても及びます。純然たる倫理感の問題だけだと議論が発展しません。どのようにすれば議論が深まるようになるのか、苦心しました。
『ファイナンス』については普段の業務では馴染みがなく、金融系のクラスメートについていくのがやっとでした。さらに、年末の最も負荷が高い時期で、一番学びたい科目で興味は尽きぬものの、深く学ぶ時間がない点に忸怩たる思いでした。
RTOCS(Real Time Online Case Study)は、自分なりの結論を限られた時間で出すこと、クラスメイトに価値ある意見・情報を提供して集団知に貢献することがまさに業務・経営そのもので、その精神であり実践方法を毎週体感できました。『企業変革』は東電等最前線の事例をもとに、如何に人間の業に対し問題解決で立ち向かうか、座学上のスキルだけでない、生々しさや人間臭さのようなものまで学びつつ、立ち向かう勇気が湧いてきました。
学長はじめ、最先端の企業事例やコンセプトが惜しみなくかつ繰り返し学べたことは非常に良かったです。自分なりの考えを持つこと、そしてAirCampusで思考を深め昇華していくこと、さらにはそれをリセットしてゼロベースで新たな考えを展開していくことは、文科省はおろか、他のビジネススクールでも見られない特徴なのではと推察します。隙間時間の活用や受講画面の速度調整など効率的な学習ができ、集中できました。コンテンツに加え、時間の使い方を見直し、生涯勉強だと習慣づけられたという意味でも、一生の財産といえます。
全てをバランス良く、などは正直できませんでした。朝早起きし、昼休みを勉強時間に充て、帰宅して家族が寝てから勉強するサイクルをこなすだけで精一杯でした。時間捻出のために親睦会などは数をかなり減らしました。仕事と学業は両方同時に考えると中途半端になるので、仕事の際は仕事に集中し、仕事以外は勉強に集中しました。家庭については妻に任せる分、良く話をし、できないことについては素直に詫びて感謝をし、どんなに勉強や仕事が大変でもやらなければいけない家事や健康に関わることならば、全てに優先させました。
仕事では新たに大きな業務のキックオフをするタイミングで、忙しくプレッシャーが高かったのに加え、家庭でも出産や育児と重なりました。特に、育児は夜泣きなどで、それまで築いていた朝晩の勉強サイクルではうまくいかない上、どうしても時間を割かなくてはいけない家事も発生し、勉強時間にも制約が出てきました。業務・育児・学業でどれも完璧に100%などできないと悟り、時間・体力的にどのようにリソーセスを分配するか考え、実行したものの、今でもあの時あれで良かったのかと悔やむことがあります。
RTOCSなどでは後述のように限られた時間で解を出すための速度が上がりました。また、未知の課題に対して思考停止をしなくなりました。ファイナンスなど様々なスキルは日常業務を多角的に考え検討するのに役立っています。
自ら考えるだけでなく、説明したり人材育成においても、ビジネスの基本を学んだ上で自らの考えを述べる訓練をした結果、根性や投入する時間に頼らずに、客観的かつ多様な視点で考えるアドバイスができるようになりました。
学んだことは3つ。1)仕事の速度・考える力・アウトプットに繋げる力といった基礎能力 2)基本的なビジネスの理論と考え方 3)世界のあらゆる場面の先進的な事例・コンセプト だと考えられます。まだまだ、実力不足ではありますが、BBT大学院に通う前はその実力不足を言い訳に、自ら考え発信し決めることを放棄していた部分があります。それだけの覚悟と気概に欠けていました。
大きく変化する自ら所属する企業の中で、最先端のビジネスと脈々と続く現場の知恵を融合させ、グローバル・ビジネスパーソンとして自らも大きく成長したいと考えています。私たちのものづくりが自分の子供の世代を心底夢中にさせ、刺激し、より良いアイデアや技術を呼び起こし、それに更に立ち向かい、ということがやれることを夢見ています。
学長が、人生を賭けてきたと思わせる気迫を感じたという学生がいたという旨のコメントをされていたことがありました。振り返ってみて、入学の時にはそこまでの決意がなく、きっちり学びたい程度でしたが、学ぶ過程で自分やクラスメイトの明らかな成長を目にしたり、我々を取り巻く世界の情勢や企業の取組みを知り、真剣度が増しました。この真剣さを入学当初からもっていればと少し後悔しました。BBT大学院は、どの既存の一流ビジネススクールよりも新しい優良なコンテンツがありますし、人生を賭けるに不足も損もないことは私はもちろん他のどのクラスメイトの経験からも間違いないので、思いっきって全力で挑んでください。