1991年~2018年までリクルートと神戸製鋼が設立したITベンチャー(入社時は創業5年目、社員は50名ほど)にて、複数のエンタープライズ企業のIT部門をインソースで支援(企画およびプロジェクト推進)してきました。クライアントの業種は、運輸、金融、製造、製薬、メディア、通信など多岐にわたります。グローバル企業の支援時は、インド、ベトナム、シンガポール、イギリスで業務を行いました。
それまでの立場で出来ることに限界を感じ、50歳を契機に転職を決意しました。ITを提供する立場からITを活用する事業会社の真の当事者となり、そして自分がIT活用の意思決定と推進を行うことにより会社の業績を上げ成長させる醍醐味を実感したいと考えるようになり、2018年7月に株式会社牧野フライス製作所に入社しました。これまでの経験、スキル、リレーションを活かし、IT部門の責任者として、アジア、北米、欧州の海外チームと連携しながら、ITの活用と運営をリードしています。
自社(メーカー)の中でITを活用した社内業務の改革を進めるだけでなく、IT/デジタルを活用して「売り」を作る事業を自ら起こし展開したいと考えていました。またサービスを企画・開発して販売すればよいという発想ではなく、それを使って顧客が仕事を増やす、儲けにつながる確度を高めることが重要だと考えていました。そのために、ビジネスの仕組みや業界構造などを頭と体で理解し、企画構想力を高め、利害関係者を説得する力をつけ、そして企業経営に関する広範な実践スキルを身につけることが必要でした。IT畑出身の私にとってそれら全てを体得するとしても膨大な時間と場数を踏まないといけないですし、単発の研修や独学には限界があります。そこで効率的かつ網羅的に進めていくために、MBA取得のプロセスを選択しました。
実践的な経営スキルは書籍や短期間の研修で身につくものではありませんが、出来るだけ早く効率的に身につけたいと考えていました。複数のビジネススクールを比較検討したところ、BBTは特に最新/最先端の内容を扱っている、講義は実践的な要素が強い、全てオンラインで完遂できる、講師陣や活躍している卒業生・修了生はユニークで尖がっている、といった印象をもちました。前述したニーズを満たしてくれる場所だと信じ、入学しました。
財務会計や管理会計を学んだことも実践したこともなく、その手の話についていけるか不安でした。BBTでの学びをラストチャンスと捉えて自分を鼓舞し、また自分を追い込むために会計系の科目はできるだけ多く同タイミングで履修することにしました。集中して一気に知識と実践力を付けられるよう意識していましたね。クラスメイトとの意見交換も有用でして、同じ知識レベルで同じような疑問をもって確認しあうプロセスを通じて理解が深まりました。
リアルビジネスの実情報を元に、毎週限られた時間のなかで学長チームと学生とで行うRTOCS(Real Time Online Case Study)は他のどこのビジネススクールにも真似できない、BBTのお家芸だと思います。ケースを選定したり分析資料を作ったりするスタッフ側も相当大変はなずだと思われます。そういった取り組みに実践力強化に対するBBTのコミットメントを感じました。これが、私がBBT大学院への入学を決めた理由です。RTOCSで扱ってほしい企業を受講者がリスクエスト出来る仕組みもある点も面白いと感じていました。
他には英語科目が期待以上に充実していましたね。参加する受講者は英語科目ゆえかグローバル企業の方々が多く、文化や考え方の違いを意識しながらディスカッションできたことは貴重な体験でした。
講義課題についてのクラスメート内での意見交換はすべてオンライン上で行われます。よって場所と時間帯に制約なく、移動などのスキマ時間を活用してスマホでも議論参加できることはとても便利でした。
また講義映像は真新しい内容のコンテンツと、数年前のコンテンツが混在しています。普遍的な要素を扱っているので単純に古いからと言って品質が劣るわけではないのですが、率直に見直しが必要そうに感じられたものも確かにありました。BBT側は定期的に点検をしてくれています。
表題の通りですが、何かを失わなければ何かを得られないことを、受講期間に強く実感させられました。とくに現業が忙しい中、2年間で卒業する目標をもっていたため、土日も含めたプライベートのつきあいや家族サービスはほとんど犠牲にしていました。試験のパスだけを目的に上っ面でギリギリの対応をするのではなく(それを行いにくい仕掛けもありますが)、ホンモノの実力をつけようと考えるならば、しっかり集中した時間をかける必要があります。そう考えると、2年間での修了はとてももったいなく、履修できなかった科目も多々あり、できることならもう1年は学びたかったという思いはあります。そのため、卒業後も有償の聴講生として参加している講義があります。
卒業研究はドキュメントの提出に加えてプレゼンテーションも行いますが、その中身は、起業か新事業創出が主たるものです。当然そこにニーズがあることを大前提としたビジネスプランです。そのニーズは思い込みやネットの情報ではなく、自分の足で生の情報(一次情報)をどれだけ収集するかが肝でした。メールやネットの活用だけでなく関係各所に直接ヒアリングすることが一番重要であり、そのためには動いて動いて動きまわるしかありません。話を聞くことで市場、競合、自社における解像度がかなり高まりましたね。人脈づくりなどの時間の捻出に苦労したことを思い出します。
BBT入学の目的はMBA取得ではなく、自ら事業を起こすことでした。2022年春の入学時のエッセイで掲げていたテーマを2024年春の卒業研究プレゼンで形にしましたが、それですぐに実践できるほど社会は甘くありません。今も事業の具体化に向けて継続的に活動しています。
BBTでのMBA体験を経て、経営というもののの醍醐味と魅力を感じました。学びが深まっていく過程で「自ら起業してもよいのではないか?」と思えるようになりました。そして卒業時には「起業できるに違いない!やってみよう!」と自らを信じられるようになりました。
多くの友人が定年後も会社に残り、ほとんどの場合で給与が下がっていく中、自分は定年前に起業して残りの社会人ライフを好きなように決めて過ごしていきたいです。自分の事業が日本の製造業の成長と競争力の向上に貢献し日本の国力があがること、そしてそのリターンとして自身の収入をサラリーマン時代の最低でも3倍(目標10倍)にしたいと考えています。
何をやるにも遅すぎる事はない。思い立ったが吉日です。やらずに後悔するよりやって後悔するほうがマシですし、変えられるのは自分と自分の未来だけです。こういった考え方の人が、BBTには多いと感じました。もちろん他の場所にもいると思いますが、何でしょう、BBTには独特の何かがあります。BBTに入学しようとしまいと、次のアクションをとりましょう。動くことでしか人生の流れは変わらないと思います。