これまでのキャリアで培った、IT活用の視点、マーケティングのノウハウ、自ら場数を踏んだ旅行体験と海外生活経験をもとに、観光マーケティングのスキルと実践を積み、奈良の観光経済力を改善するための事業を開始しました。
奈良での商売の構図は、通りがかりの観光客に普通に土産や食べものを売るだけで儲けている店は別として、マーケティングが必要な領域では、売る側と買う側で大きなズレが生じています。買う側(旅行でお金を使う海外からの観光客を含む)は、大きなグローバルトレンドのなかで消費行動を刻一刻と変化させています。本来はそれを分析、検証して対処しなければなりませんが、地元では、プロダクトアウト型で、ヒット商品づくりの競争状態、勝てば官軍でもてはやされるだけの状況であり、訪問されるお客様に奈良で何を感じてもらえば、差異化につながるのか、より滞在していただけるのか、よりモノより“質を楽しむこと”にお金をかけてもらえるのかを、データや顧客反応を見ながら、マーケティングを駆使して追求していくという仕事の仕方が官民ともまだまだできていないように感じます。ここに一石を投じ、BBT大学院で学んだ構想力、ビジネスモデル組立の力、起業家としての心構え、苦難への対処と多くの乗り越える力を役立てたいと考えています。
前職では一部上場企業のIT統括執行役員を務めていました。経営課題を自分なりに整理して、ITも駆使し、解決していく提案を経営者に出しましたが、その時は力及ばずの状況でした。そこから、このままの自分では、企業や世の中の真の課題を解決することはできないと心の中で確信しました。経営者としての度量を一から身に着けなおし、再出発をする覚悟をして、起業することを視野にBBT大学院の門を叩きました。
海外の通信制大学院や国内の他の土日通いの大学院も検討し、体験もしてみました。しかし、海外のものは科目的に「実務」に役立つかが分かりませんし、国内のものは土日に時間をかけて都心駅前まで通い、ぎゅうぎゅう詰めの教室で手を挙げて当ててもらって発言しないと成績に響くという、「競り市場」のような雰囲気で、何のためにここにいるのか分からなくなるような気がしました。その時、BBT大学院のことを知り、自分が探していたのはここだと確信しました。
自分にとって最も重要で必要だと思っていたのが、これらの起業系の科目。だが、トップとして自分ならどう考えるか?どういう戦略をとるかというのは、非常に難しいタイプの設問でした。なかなかこの領域は「正解が一つ」ではないので、私の回答がクラスからどう受け止められたのか、思い違いなどないかなどはっきりした評価が返ってくるわけではありませんが、過去の経験から「やる気をなくさせる経営者の発言」には敏感でよく覚えていたので、その弊害を自分なりの意見として頻繁に述べるように努めていました。
講義内容は非常に具体的で、解説が豊富であり、思考の進め方がよく理解できました。自分で応用が効かせやすい講義であったと思います。この内容を是非今後も実務に活かしていきたいと考えています。実際の企業での事例も豊富で、かつ「現代版」の名の通り、比較的最近の事例を取り上げていただいており、実感が湧きやすかったです。
独創的で差異化できる構想を練る訓練ができたと感じています。起業するにあたって、この構想力は「儲けるための根源の力である」と考えます。また、多くの起業家の方々の失敗談、出直し、やり直しの話を聞くことができ、あきらめない、失敗を恥だと思わないことが重要だと感じました。くよくよしたり、不安でいる時間が長いとかえって良くないと考え、やれることを淡々と進めること、信じて進めること、ぶれないことの大切さを学びました。
他の大学院のような通いの時間はセーブできたが、その分、学びの中での調査や発言投稿の時間に相当労力を費やしました。また、2年次の途中から起業するタイミングを受け入れざるをえなくなり、事業を起こしていくことと、授業の両立で相当大変な思いをしました。私の場合はこのように特殊であると思いますが、もし、普通の企業に勤めている状況であれば、もう少しプライベートとの両立はしやすかったと思います。
もっと同期との意見交換、情報共有、支援やプライベート交流に時間を割ければよかったと思います。苦労というか同期との交流にあまり時間を割くことができなかったことが悔やまれます。また、あえて言えば、どうしても複数の必修科目を履修しているため、試験期間等が近接し、十分な対応時間がとれなかった時期がありました。ある程度予測はしていましたが、試験期間に2~3週間連続してかかりきりに近い状態になったのは正直きつかったです。
実施している事業の独自性維持の為の強化や、情報統制を考察することにしっかり頭を使えるようになったと思います。また、出会う人ごとに、Win&Winでやれるパートナーとなれる人か、自分の都合だけを優先する人かを見極めるシビアな判断ができるようにもなったと思います。
マーケティングやIT専門のコンサルテーションをベースにしてきて、執行役員にまでなりましたが、結局経営の根幹を任されるところまでは行きませんでした。BBT大学院を修了し、よりコンサルテーションでも経営に近いところでの役割を果たせること、経営者と話す時間を増やせられるようになることを目指したいと思っています。
富裕層、FIT(海外個人旅行)層のいずれに対しても、地域の日本の伝統や文化を分かりやすく、印象的に理解、体験してもらうための情報の強化と伝達、そしてそれを伝授する地元のホストをグローバル認知させることができるようにプロデュースすることです。これができるチームを組成し、ビジネスとして回していけるようにすることを目標にしています。
他のMBAコースも事前に検討しましたが、単なる発言回数で単位を取りに行くのではなく、「自身で調べたか」「自身で考えたか」を問われるため、本当に脳に汗をかいて鍛える経験ができます。人生の中での一つの修行期間だと思ってやってみることをお勧めします。