大手電機メーカー系の専門商社に新卒で入社し、国内営業や貿易を経験した後、Sierに転職しましたが、この転職だけは失敗でした。その当時、体系的な知見、生きた実践的学びの重要性に気が付いてはいましたが、うまく学びの環境を自身で作ることはできませんでした。
2006年からは曲折ありましたが大手銀行系列のIT専門リース、レンタル専業の事業会社で営業管理者をしています。既存業務の見直しと効率化、新規クライアントとのスキーム確立のお手伝い等、実務もやりながらコンサルティングのようなことも最近では増えてきました。
BBT大学院の仲間とは修了してからも頻繁にディスカッションさせてもらっています。
個人的な経験値を主にしたキャリア構築には限界があると感じていました。企業で戦力と自身が目され、雇用が一定の条件で維持されるのは、長くても現代では50代前半まで。しかし、その後のキャリア構築、方向性をいかにすべきかと考えたところ、明確な形で、いつまでに?期間は?何を?どうやって?などが自分の中にイメージできませんでした。
現代は会社員を続けても昇格、昇給が保証されません。私には何の国家資格もありませんが、仮に医師、公認会計士、税理士、弁護士であっても独立開業し、維持していくのが難しい時代です。そういう時代の自分自身の生き方を現実に即して考えた結果、受給可能な年金が仮にゼロでも世界のどこのだれを相手にしても80歳過ぎまで個人で稼ぐ力さえあれば、少なくとも自分と家族は生存可能と考えるに至りました。またそういう実力があれば、自社内でのプレゼンスを高める可能性が高いと感じました。
私は高校から大学にかけて大前学長の著作に触れ、共鳴できるところが多くありました。その縁で平成維新の会の学生メンバーとして1992年から様々に活動させていただきました。当時から大前学長はグローバル人材、起業家の育成、小規模でも世界と戦える企業の育成の重要性を唱えておられました。当時から私は何らかの形で大前学長は将来的に社会人教育を主体とした教育サービスを展開されるのではないかと思っており、いつも何らかの形で学びたいと考えていました。
ネット環境の整備が進み、更にBBTが今のような組織運営体制となり、それと同時に自分自身の学習意欲、学習環境、給付金などを含めた経済的基盤が整い、大学院への入学を現実的に考えるようになりました。更に自身の年齢などを考慮すると2016年の入学が最適でもありました。また大前学長に教わることができる機会も逃したくはないと考えたため、BBT大学院に挑戦しました。
せっかく学ぶ機会を得たので、職種、実務経験のない分野の科目も臆せず取りました。そこで得た知見を、断片的、多少無理があっても実務に使うこと、更に他教科の履修の際にも援用しました。講義期間中は講義と議論に乗り遅れず、とにかく喰らいつくのが大事だと思いました。講義を受講し、理論武装して、質疑応答して・・・・を地道に繰り返すしか手段はないと思います。専門家視点でピント外れであっても、へこたれず、喰らいつき、参考図書、記事にも接することで講義の中間地点あたりからは、随分と精神的に楽になりました。実務家としてその科目の知見をいかに活用するかという視点で見れるようになってくればかなり良いのではないかと思います。
これで克服できたか否かはわからないところも多いのですが、修了後の学び直し、実務での活用、知識の更新を自力でできるようになれば長期的には克服できたといえるのではないでしょうか。
RTOCS(Real Time Online Case Study)は講義では特定企業の成長戦略を描き出すことに用いられましたが、実務上はRTOCSの考え方、手法は自分の考えを説得力を持って議論、プレゼンするありとあらゆる際の必須スキルだと思います。幅広い視野からエビデンス、事実をつかみ取り、積み上げ、分析し、構造化し本質的課題と解決策を導き出し、結果を求めていくという一連の流れは、他教科でのディスカッション、卒業研究でも大いに役に立ちました。
RTOCSを継続的に行い、喰らいついていくことができれば、経営課題、事業課題の解決策を見つけて実現させるために求められる、すべてのツールを獲得したといっても過言ではないと思います。
BBT大学院の大きな特徴として、講義も議論もすべてサイバーで行わること、更にメンバーの経験値、キャリア、年齢層、知識レベルは千差万別であり、多くの議題について教科書的な模範解答などはない場合が大半であるということだと思います。そのため、自身の発言とその裏付けとなるデータは論理的かつ分かりやすいということが求められます。各科目に取り組む中で、ごく自然に論理的正当性、正確性を保った発言ができるようになりましたし、自分の1つの表現で他者に対して複数の解釈の余地を与えない表現もできるようになったと思います。お互いにこうした創意工夫をすることで様々に高めあうことができ、学習に対する関心も上向き、自主的な勉強会開催も数多く行うことができました。意欲と好奇心を持っていれば、学習の密度、質は自然と高められることができたと思います。
仕事、家庭、地域活動などBBT入学以前から行っていた活動の質を落とさずに、2年間でBBT大学院を修了することが自分に課したミッションでした。この2年間は子供が二人とも小学校低学年であったので、休日には子連れで外出したり勉強を見てやったりという時間の削減はしませんでした。このため、往復の通勤時間帯や有給休暇を効率的に取得し学習時間を確保していきました。更にネット環境の良いカフェや図書館などを活用し、遅れがちな科目を挽回しました。
学長科目はもちろんのこと、その他複数の科目の講義も計画的にこなさなくてはなりませんが、計画が遅れた場合、リカバリするための時間的ゆとりも乏しく、一度崩れたスキーム、流れを元に戻すのは大変困難です。このため、計画は守れるレベルで無理しないでしっかりと立て、一度立てた以上は確実に守ることが何よりも重要です。計画をしっかりと守り、最終試験までを乗り切るためには睡眠時間をいかに確保して頭をクリアにするかには非常に悩まされた。また睡眠時間を確保することで疲労を蓄積させず、体調を維持管理するためには食生活や勤務時間の使い方の工夫も重要で、そこにも大変悩まされました。
現在の業務の課題として、既存業務の効率化、新規クライアントとのスキーム確立、改善が常に存在しますが、常に本質的課題、打ち手を考えながら現場に臨むことができるようになったと感じます。議論の際にも常にピラミッド構造、図解構造を頭に思い描き、事前知識のない他者に説明するという視点で話を組み立てるということを実践しています。
BBT大学院で学んだ内容を一言でいうならば、自分を主語にして、組織、経営、事業に関する課題を真正面から発見し、解決策を見出し、実践していくことであると思います。そして私たちはそのためのすべてのツールをBBT大学院を通して得たものと思っています。こうして得たものを正しく使わないということは、得なかったも同然であり、BBT大学院にかけた様々なリソースは瞬時にして水泡と化してしまう。以前であれば何か理由をつけて課題の解決などを先送りしてしまったことはありますが、今後はあらゆる課題に真正面から取り組み、自分が主体となって様々な課題を解決できれば良いと思います。
自身の卒業研究のテーマを実践に移していきたいと考えています。中小、零細企業向けの経営コンサルティング、及び人材育成を事業として行いたい。今すぐにでも主軸をそこに移したいという思いはありますが、この2年間で学んだ膨大な量について、まだまだ自分のものにしきれていないとも思っています。経営コンサルティング、人材育成を志す以上、最新のグローバルな知見を自身の言葉で語ることは必須であると思います。当面は現業が優先となりますが様々な状況を判断し、コンサルティング事業を起こし、成功を収めたいと思います。
自社内でも社外でも普遍的に通用するスキルは独学のみでは決して身に着きません。やはりグローバルな経験、視点を持つ講師陣からのレクチャー、意識の高い仲間とのディスカッションが不可欠です。しかも、こうした普遍的な実力は2年学んだだけで身に着くものでも到底ありません。BBT大学院で学んだ内容の学び直しと、知識の更新、実務での活用、仲間との実技応答を、今後の人生において一生を通して自律航行しながらできるようになることが重要なのです。
学びに終わりはないし、主体的に取り組むのであれば、絶対的な正解はない世界とはいえ、成功に近づきます。こうした素晴らしい体験は、学ぶ側の決死の覚悟と熱い意志、熱い仲間がいれば必ず手にすることができると思います。