過去12年の営業所管理から経営企画へと異動しました。戦略立案から新規事業立ち上げまで全方位の業務内容となっていますが、現場レベルの経験値と本学での学びが加わることによって、今の部署でやりたい・やるべきことが明確になり純粋に「仕事が楽しい」と感じています。ただ目の前の仕事に対して感じる楽しさと、自ら望んでやりたい課題に向けて動く楽しさには大きな差があり、その魅力に憑りつかれているといったところです。
新卒後早い段階での転職を経て、今の会社に来て13年が経過していました。幸いにも2年目から営業所管理職を任され、やりがいを持って働いていましたが、管理職として12年が過ぎマンネリを感じていました。そんな中、社内の管理者研修(年間プログラム)を受講したのですが、その中で自身の経験を体系化することで思考が整理される感覚を味わったと共に、研修だけでは物足りないという「学びへの欲求」が生まれました。それまでの人生では、学習に関して楽しいと感じたこともなく、いわゆる劣等生として過ごしましたが、経営学全般は実践との関連性が強く「楽しい!」ということがわかってしまい、その欲求を満たす候補としてMBAにたどり着きました。
入学当時は千葉市の外れに職場があり、終業後に通学することが物理的に厳しいと感じていました。また、建設業の中でも専門施工会社として多くの職人を抱える営業所管理をしていたことから、毎週のように起こるイレギュラーな事態に時間は関係なく対応する必要があり、より通学という条件が致命的だと思っていました。そんな中、場所の制限が一切ないBBT大学院を見つけ、学習時間にも制限がないというメリットを知ったことから、ほぼ一択でBBT大学院への入学を決意しました。
大前学長科目にある2年間で100本ノックと言われるRTOCS(Real Time Online Case Study)。1週間という制限時間の中、他講義にも追われる中で答えのない問題に取り組むことは非常に苦しみました。知らない業界・会社の成長戦略を練るにあたって、やみくもに手を付けていては時間ばかりが掛かってしまうことから、ロジックツリーによる結論への最短ルートの当たり付けが必要となりますが、それができるようになるのに1年以上を要しました。1年目は非効率でも丁寧に事実を集め、フレームワークで状況を整理することを繰り返し、誰にも負けない努力をしたと思っています。それをひたすら繰り返し、脳に汗をかいたことで次第にロジックツリーが組めるようになりました。具体的には当初は20時間/週というRTOCSへの時間配分が2時間以下/週と激減しました。
MBAプログラムの中にあった、『アカウンティング』『コーポレート・ファイナンス』『M&Aと経営』『新規事業採算性評価』という数字を扱う講義を通じて、会計の基礎から企業価値算定などを学ぶことができます。驚きだったのは、営業所勤務から経営企画へ異動したことでM&A実務に携わることになったのですが、いきなりの実践にも関わらず一人で企業価値算定から交渉までを手探りながら遂行できたことです。いかに実践的な学びであったかが証明されたのですが、裏を返すとBBT大学院での学びが無かったらと思うと背筋に冷たいものを感じました。
教育とは与えられるものではなく、自分で探しに行くものだということを強く感じた2年間でした。BBTには優れたコンテンツが多くありますが、極論するとコンテンツはあまり重要でなく「今この瞬間、どんな目的をもって学びを行うか」という課題を常に設定することが最重要だと実感しました。自身の習熟度に併せて課題は常に変化するものであり、課題設定はその頻度が重要だと思います。そうした意味でも、BBT大学院で学ぶ最大のメリットは「いつでもどこでも学べる」という環境に価値があると感じます。期間の短い各科目においては自分の習熟に対して目標を設定し、通年科目などでは各科目での学びを実践に移す場として週替わりの目標を設定することで最大限の成長が得られると考えます。
特に1年目は50時間/週の学習時間を設定していたこともあり、時間軸で見るバランスはどうしても家族の時間を減らさざるをえませんでした。思い返せば、純粋に家族だけに割く時間は1週間に5時間程度しかなかったのですが、極限に時間が無い中で家族だけに割く時間の中身を濃くすることができました。また、理解と協力もあって休日は外で勉強することで、一緒にいる時間は長くとることができました。入学前にはバランスなどあまり考えたこともなく、家族との時間をどう有意義にするかまで考えたことが無かっただけに、バランスさせようという意思があるだけで、どんな状況でもバランスの実現は可能だと実感しました。
仕事・家庭・学習のバランスはなんとか保つことができたのですが、入学年の7月末に不摂生がたたり通風を発症してしまいました。そこから短期的に急激なダイエットを実行したのですが、目まぐるしい毎日の中、空腹という要素が重なった時が本当に辛かったです。
そもそも入学前ではやることのできなかった企業価値算定や会計・決算説明などをやれるようになり、仕事の幅が広がりました。また、組織論やリーダーシップ論を通じて、自分自身を見つめなおす時間が取れ、コミュニケーションが円滑になったとも感じています。このようなスキルによる成長実感に加えて、仕事と学習の両立というハードスケジュールを経験したことで、時間の使い方が効率的になりました。1日の予定を立て、隙間時間があれば有効に利用するなど、漫然と過ごす時間が無くなり質の高い仕事をより多くできるようになりました。
BBT大学院での2年間を通じて、自分を変えていける・成長させていける自信が付きました。50代の同窓生が自分以上に情熱をもって新しい学びに挑戦している姿を見たり、ブラック企業で苦しんでいる環境下でも自身を成長させ自力で環境を変えている同窓生がいたりと、周りの人から受けた刺激は何事にも代え難い財産となりました。将来に漠然と不安を感じていましたが、これから先に何が起きても心配が無くなりました。結局、自分自身の力で状況を打開したり、年齢がいくつであっても起業できるという、これまで感じていた制約条件はただの思い込みと気が付くことができたと思っています。
ある時期は起業に対して大きく意識が傾いたこともありますが、現在は所属する企業での仕事が楽しくて仕方がありません。そこで気が付いたことなのですが、自分自身の人生を活き活きと生きるフィールドを自分で作っていくことが、仕事もプライベートも最も充実するのだと確信しています。このままの環境で活き活きと働けるのであれば、そこにコミットし続けますが、マンネリ化したり企業の求めるだけの存在価値が発揮できない場合は、転職を含めた環境の変化へ踏み出すのだと思います。その延長線上に、起業という選択肢があるのだと思っています。起業のタイミングは年齢に関係なく、例え60歳を超えてしまってもいいとも思っています。重要なことは、自分の人生を生きる(活きる)ことです。
入学とは学びを得るために自分に投資することだと思います。投資と考えると、リターンを生む必要があります。自分自身にとってのリターンとは何か?と考えることが、最終的に卒業した自分の姿を明確に設定することとなると思います。私は入学後にBBT大学院での学びにのめり込む中で、卒業時に自分に求めるスキルの水準を明確に設定できました。今卒業を迎えて、満足な結果が得られたと思っていますし、スキルだけでなく人間性への課題が明確になったこと、共に学んだかけがえのない仲間ができたことは、自己投資に対して予想外のアウトパフォームだったと感じています。入学を検討しながらも一歩を踏み出せない場合は、その障害が何なのかを冷静に突き止め、その障害を越えるリターンを想像できるかが重要だと思います。