元々業務では原価の見積もりぐらいしか行ってきていなかったので、あまり財務の知識はありませんでした。コーポレートファイナンスをいざ始めてみると書籍がとても分厚く、講義内容は初めてのことが多かった印象です。
私の場合は講義と書籍に加え、参考書籍の「道具としてのファイナンス」を実際に解きながら進めたことで、何とか追い付けていけました。途中から積み重ねて理解してきたことが繋がりだし、数字が導出されるプロセスが楽しめるようになりました。
この経験を活かし、さらにチャレンジして「M&Aと経営」も履修しました。企業の評価や買収金額の試算も出来る様になり、自信に繋がりました。
財務会計や管理会計を学んだことも実践したこともなく、その手の話についていけるか不安でした。BBTでの学びをラストチャンスと捉えて自分を鼓舞し、また自分を追い込むために会計系の科目はできるだけ多く同タイミングで履修することにしました。集中して一気に知識と実践力を付けられるよう意識していましたね。クラスメイトとの意見交換も有用でして、同じ知識レベルで同じような疑問をもって確認しあうプロセスを通じて理解が深まりました。
私が苦手としていたのは、自身でビジネスアイデアを発案し、ビジネスプランまで膨らませるアントレプレナー的な発想です。
それを習得し自身を革新するためにBBTに入学したわけですから、アントレプレナー系の科目は最優先で受講しました。その中で最初に苦戦したのが「ビジネスアイデア演習」です。大企業の枠の中で仕事をしてきた経験しかない私は、自身の頭で事業を考えたことは皆無でしたので、ビジネスアイデアなどは思い浮かびません。浮かんだとしても「こんなネタが事業になるのか」「他の人に笑われるのではないか」と周りの視線ばかり気になって全く手が進みませんでした。
しかし自身の想いを堂々と述べるクラスメイトの姿を見たり、発想というのは”想い”だけから出発して構わないのだとわかったことから、次第に「恥ずかしい」という気持ちが無くなり、自分の「夢」を語れるようになりました。自分の殻を破る重要な第一歩になりました。
BBTに入学するまでのキャリアを通して、わたしは典型的な「技術バカ」だったと思います。どういうことかと言うと、技術の優位性や製品の性能、私の業務に近いところで言うと生産設備の能力やスペック、それらが高ければ高いほど良いし、それらの高さは企業の競争力に直結すると考えていました。一理ある面もありますが、企業の成長や競争力の向上の為にはそれらだけでは不足しており、なにより顧客の理解や支持、顧客への貢献が不可欠だという意識がありませんでした。マーケティングとは、顧客のニーズを掴み、どのような顧客母集団に対してどのようなアプローチをしていくのかを考える学問領域であり、思考方法の体系です。それまでの自分の思考プロセスには無かった新しい思考法に最初は戸惑いましたが、RTOCSや他科目での学びを通して顧客視点を意識するようになり、徐々に自分の意識と思考法を変えていくことができました。
日常業務で財務や会計は扱わないため苦手意識がかなりあり、最初は講義もチンプンカンプンでした。BBT内での学習リソースを使うことに加え、BBT外でも当該領域に明るい知人に質問するなどし、とにかくキャッチアップに励んでいました。最終的には良い成績をとることができ、苦手意識はかなり減ったと思います。わかることや出来ることが増えたことで自信がつきました。
主題の通りですが、結果的にアカウンティングの講義は非常に楽しいものになりました。毎回の講義におけるインプットの量が適切でわかりやすかったということもありますし、クラス内における発言(正確には投稿)を積極的に行い頭を整理する過程で、アカウンティングにおける理解度をしっかり高めることもできました。
一般的に、日常業務を送る中で最も学ぶ機会が少ないものの一つがアカウンティングではないかと思います。だからこそ自分なりに咀嚼して血肉化することは、自身の相対的な市場価値の高まりにもつながります。まさにMBAの醍醐味であり、有意義なことだと感じました。
なお、積極的に参加すればするほど得られるものも多いのはどの科目も同じです。予定調和ではない講師やTAの方々からのコメントをいかに引き出すか、それは常に意識して参加していました。
苦手意識を持った科目は特にありませんでしたが、学長科目で展開されるRTOCSを筆頭に、自身で考えて1つの解を導き出す学び方はやりがいがありつつも大変なものでした。特に時間の確保が厳しかったです。仕事と生活がある中で時間は限られているため、たとえばRTOCSでは調査・分析の時間、仮説・検証の時間、方向性を導き出してまとめる時間の配分調整など工夫を凝らしていました。
苦労した科目と言えば、やはりアカウンティングやファイナンス系の科目です。これまでの社会人経験の中でも、経理財務系の業務にはほどんど従事したことがなく、関わってきた財務諸表も、損益計算書を作成したり予実分析をする程度でしたので、経験者のクラスメートと比べると、明らかに専門知識やスキルが不足していました。スタートの段階で出遅れているわけですから、何度も何度も講義を視聴し、参考図書を読み、他の方の2倍・3倍の時間を掛け圧倒的な「量」をこなすことで、何とか食らいついていったという印象です。
苦手科目は人それぞれかと思いますが、その領域に明るい方はクラスメートに必ず一人はいます。またTA(Teaching Assistant)のサポートもあります。ですので、AirCampusのディスカッションボード上で、議論に沿って直接聞いてみるということも、キャッチアップの方法の一つかもしれません。
「コーポレート・ファイナンス」は本当に難しかったです。今までいかに自分が財務的な学びを避けていたか、逃げていたかを痛感しました。克服はいまだに出来ていませんが、クラスメイトのディスカッションには本当に学びを助けていただきました。また、ファイナンス関連では「財務分析とシュミレーション」などでかみ砕いた説明をしていただいたので、何度も戻って講義をみてからまた「コーポレート・ファイナンス」に戻る、という工程を繰り返しました。
会社の経理には触れていたので財務会計やマネジメント会計は苦手ではありませんでしたが、自分の頭が小さな会社の経理から脱却できないためか、出てくる言葉についていくことから大変で、苦手意識の強い数式を見ただけで気持ちが負けそうになっていました。繰り返し講義を聴き、計算を自分で何度も手で書き出しながら、ひとつひとつ「そういうことか」と確認して前に進むしかない、と他の科目より時間をかけながら取り組みました。