組織人材面では、メンバーのかかわり方において個々のキャラクターやタレント性を重視し、価値創造を発揮してもらいやすい風土づくりを意識しています。予算管理や事業計画の財務シミュレーションでは、得た知識をしっかり活用できています。戦略についても、多くの情報を集め、自社のアセットと競合の動向を含め方向性出しを行う思考アプローチが新規事業検討に役立っています。また卒業研究で取り組んだ内容は、会社の中で実際に事業化に向けて実証を行う予定でいます。
BBT入学の目的はMBA取得ではなく、自ら事業を起こすことでした。2022年春の入学時のエッセイで掲げていたテーマを2024年春の卒業研究プレゼンで形にしましたが、それですぐに実践できるほど社会は甘くありません。今も事業の具体化に向けて継続的に活動しています。
BBTに入学する前であっても考えることを決して苦手としていたわけではないのですが、BBTで様々な思考法や視点を広げる訓練をすることで、自身の思考力を大幅に強化することができました。
従来だとどうしても、ある立ち位置、ある粒度でしか見れずに思考が偏りがちだったのですが、自分を俯瞰して見たり、相手の立場に立って考えてみたり、より詳細に細かく考えてみたりできるようになったことで、多面的に物事を捉えられるようになったと思います。
これによって、例えば上司と話すときやメンバーと話すときであっても、話の懐を広く取って合意形成をしやすくなりますし、初対面の人と話すときでも話題を外さずに臆することなく話せるようになりました。どのような業務に取り組むときでも必要となる、基礎的なポータブルスキルを大幅に引き上げられたと感じています。
普段仕事をしていると、多かれ少なかれ問題は発生します。BBT大学院入学前まではそれらの問題に対して、ただ単に愚痴や不平不満を述べていただけだったと思います。しかしBBT大学院で問題発見や問題解決に対する体系的なアプローチを学べたお陰で、同様の事象を目の前にしても常に本質を押さえた再現性ある思考が出来るようになりました。また「自分ならどうするか?」という意見を論理だてて述べられるようになったり、自分の権限を用いて実際に取り組みを行えるようになったりしました。
たとえば日々のディスカッションのお陰でドキュメンテーションスキルが向上しました。メールを書くだけでも、論理構成が整っているか、ファクトが添えられているか、簡潔であるか、など決まって考えるようになりました。また土地勘のない案件であったとしても、情報を的確に収集したり課題解決の切り口を見つけたりするのが格段に上手くなりました。
まさに「答えを自らつくれるようになりたい」という入学時の目的を達成する事ができたと振り返っています。
前述したRTOCSを通じて獲得した分析手法は、もちろん自社においても十二分に活かせています。何度も実践することでテクニックの質が上がったことを実感しています。
とりわけ分析の切り口や着眼点は事業上とても重要だと思っており、自らの実践以外にメンバー全体へのレクチャー/フィードバックも行っています。くわえて、例えばイノベーションの講義で学んだ発想フレームワークなども社内研修で取り扱っています。会社全体のスキルセットの底上げに寄与できていると感じていますね。
また、戦略的人材マネジメントの講義で学んだ「満足と幸福の違い」に関するトピックは私にとって非常に示唆的であり、企業経営をする上で常に意識するようになりました。
BBTでの学びを通じて経営のやり方(How)だけでなく、経営の在り方(Being)も磨かれている実感があります。むしろ後者の方が学びの価値として大きいです。
BBTで鍛えられた思考力や問題解決力は、在学中から日々の業務で活かせています。特に「自分だったらどうするか?」という観点に立ち、経営者視点を切り口に論理的に物事を考えるという癖が染み付きましたので、入学前と後では明確に世界が違って見えるようになりました。視点を変えたアイデアや推進方法などを提言しながら相手の気づきと発想を刺激し、自組織の新事業創生に向けて邁進できています。
例えば、必要となる情報を効率的に収集したり、その情報をベースに各種のプレゼン資料やレポートをより分かりやすく表現したりといったテクニカルスキルは確実に上がったと感じています。また、打ち合わせの際などは、他者の発言を良い意味で鵜呑みにせず、その発言の根拠はどこからきているのか?それ以外の可能性は本当に無いのか?など「敢えて反対側から考えてみる」といったBBTで学んだ思考技術も役立っていると感じています。
経営者・人事担当者向けにそれぞれ「その立場において」重視する情報をまず伝えることができるようになりました。顧問先や研修件数も増加しており、学びの実感を感じています。また、様々な立場のクラスメイトと卒業後も意見交換をすることができており、自分のアンコンシャスバイアスに気づいたり、リフレーミングにも役立っていると感じます。
職場の会議の資料作りなど見てわかる変化のほか、新たな社内制度づくりや数字的な分析を増やすことなど、日々の業務の中に取り入れています。何より、新たな会社設立に向けてすでに動き出し、その新規事業計画、方針説明資料の作成は学んだことがベースにあって取り組めていると確信しています。形になって表れるものに限らず、自身のマインドの部分でも以前とは意識するポイントが変化していることを実感しています。