リユースベンチャーで11年ほど経験を積み、今は埼玉、茨城、東京、福岡、ロンドンに拠点を構える従業員100名ほどのリユース企業の経営をしています。独自のポジショニング戦略に加え、メンバーの主体性を重んじた組織マネジメント手法によって事業を拡大しています。挙がってくる「やりたい」には基本的にNoを出さず、「チャレンジこそが最大の学び」というカルチャーを大切にしているんです。なお、最近では鉄道会社の高架下開発にも関わるなど、従来の枠に囚われない展開も行っています。
実は元々は靴職人を目指して上京した人間なのですが、職人の道を諦めた時にたまたま関わっていた会社がリユース事業に力を入れていくタイミングだった…というのが業界との出会いです。アーリーベンチャーもいいところで、私は創業者たち含めて5人目のメンバーとして加入し、上場まで常に営業の最前線で仕事をしていました。東証の鐘も叩かせていただきました。
前職のベンチャーでは上場後に執行役員にまでなりましたが、何らかの学びをしていたわけではなく、常に自分の勘で「こうするべきだ」と考えて眼の前の一つ一つの課題解決に取り組んでおりました。そしてヘッドハンティングによって今の会社の社長になるにあたっても「経営とは?経営者とは?」について学ぶ機会はありませんでした。一度体系的にマネジメントを学ぶことで、自分なりの経営観を養いたい、そう考えるようになったのです。
第一に、以前より尊敬する大前研一学長の講義を受けてみたい、世界最高峰のコンサルタントのマネジメントスキルを盗みたい、そう考えていたことが挙げられます。BBTのイメージは他校と比べて実践力が鍛えられるイメージでした。
またオンデマンド型の講義映像が用意されているため、自分のタイミングでいつでもどこでも学べるというスタイルが第二の理由です。夜に外出することが多く出張も少なくない自分の生活サイクルに適していたというよりも、もはやMBAチャレンジにおける唯一解がBBTでした。
主題の通りですが、結果的にアカウンティングの講義は非常に楽しいものになりました。毎回の講義におけるインプットの量が適切でわかりやすかったということもありますし、クラス内における発言(正確には投稿)を積極的に行い頭を整理する過程で、アカウンティングにおける理解度をしっかり高めることもできました。
一般的に、日常業務を送る中で最も学ぶ機会が少ないものの一つがアカウンティングではないかと思います。だからこそ自分なりに咀嚼して血肉化することは、自身の相対的な市場価値の高まりにもつながります。まさにMBAの醍醐味であり、有意義なことだと感じました。
なお、積極的に参加すればするほど得られるものも多いのはどの科目も同じです。予定調和ではない講師やTAの方々からのコメントをいかに引き出すか、それは常に意識して参加していました。
大前学長の戦略系科目ではRTOCS(RealTime Online Case Study)というケーススタディアプローチが学びの中心になっています。ケースワークとして取り組むのは企業だけではなくNPOや自治体等もふくまれており、当該組織の経営戦略を自分なりに考えることで、あらゆるMBAの学びを実践力に昇華できる機会となります。
大学院での在籍期間中は基本的に戦略系科目の履修がずっと続き、2年間で約100ケースに取り組むことできます。これにより、BBTの修了生は戦略立案におけるフレームワークやテクニックは当たり前のように使えるようになります。入学時と比べ修了時には明らかに自分のスキルが上がっていることが実感できますね。
またケーススタディ以外にも講義を通じて大前学長のモノの見方に触れられる点も面白いです。世界最高峰のコンサルタントによるマネジメントの要諦がギュッと凝縮されており、これだけでも学費以上の価値があるのではというものでした。
BBTではAirCampusというシステム上で講義映像の視聴とディスカッションを行います。ディスカッションにおいてはテーマに沿ってテキストベースで議論したり講義に対する意見や質問を投稿したりしていくわけですが、その過程で他のクラスメイトの投稿も含めた受講生すべてのアウトプットが可視化されます。いわば集合知が形成されていきますので、一つひとつ目を通すことで視野の広がりを実感します。講師やTAからのフィードバックもたいへん刺激になりました。
始業前と就業後の時間はもちろん、移動時間も無駄にしないように心がけていました。ちょっとした隙間時間に講義映像を1本視聴したりディスカッションへの投稿の下書きを作ったりするのが私のスタイルでした。
入学当初は学習ペースに慣れるのに少し時間がかかりました。が、ペースが掴めて以降は、毎週日曜日は趣味である靴作りの時間に当てたり2ヶ月に1度は妻と出かける機会をつくったりと、リフレッシュの時間をしっかり確保していました。
なお、私は他校も含めたMBAコミュニティに入っており、BBT以外のビジネススクール現役生/修了生とも交流していました。学びのモチベーションを維持するうえでとても有益でしたね。と同時に、そこでのコミュニケーションを通じてBBTの学びがいかに実践的であることを感じました。
春期と秋期それぞれの講義の終盤になると履修科目ごとに最終レポートが課されるようになります。ちょうど弊社のパフォーマンスレビュー期間と重なってしまうタイミングであり、時間捻出が大変だった思い出があります。弊社は四半期スパンで目標管理制度を走らせているのですが、振り返り面談後のフィードバックを約40名ほどの社員に送信する必要があり、毎回かなりタフでしたね。
その他でいうと、入学年の初めての最終レポート提出期間にコロナに罹患してしまい、健康面でたいへん苦労した記憶があります。
ただ、質問の腰を折るような回答になってしまいますが、苦労していると感じることは基本的にはなく、終始楽しみながら学ぶことができました。
前述したRTOCSを通じて獲得した分析手法は、もちろん自社においても十二分に活かせています。何度も実践することでテクニックの質が上がったことを実感しています。
とりわけ分析の切り口や着眼点は事業上とても重要だと思っており、自らの実践以外にメンバー全体へのレクチャー/フィードバックも行っています。くわえて、例えばイノベーションの講義で学んだ発想フレームワークなども社内研修で取り扱っています。会社全体のスキルセットの底上げに寄与できていると感じていますね。
また、戦略的人材マネジメントの講義で学んだ「満足と幸福の違い」に関するトピックは私にとって非常に示唆的であり、企業経営をする上で常に意識するようになりました。
BBTでの学びを通じて経営のやり方(How)だけでなく、経営の在り方(Being)も磨かれている実感があります。むしろ後者の方が学びの価値として大きいです。
BBTでの学びの集大成として「卒業研究」があります(卒業論文パターンもあり)。リユース業界における新しい価値創造について構想する中で、生涯をかけて取り組みたい事業に出会えたことが最大のリターンでした。戦略策定スキル、分析スキル、論理的思考、イノベーションにむけたアイディエーション… などのスキルセット(How)ももちろんですが、在り方(Being)がより強固になったことが最も大きい変化ではないかと感じています。
さらに言うと、日ごろの仕事とMBAの学びの両方に励むことによって自分自身のキャパシティの拡張も感じることができました。たとえば急な差し込みの事案などが入っても「BBTの学びとの並行期間に比べると軽い」と思えるようになりました。MBA取得自体はゴールではありませんが、一定期間自分に負荷をかけて学び抜いた、という経験は自信になっているのかもしれません。
私はリユース事業のポテンシャルはまだまだあると考えています。ただし、今は価値提供の仕方が限定的なものに留まっています。私自身、リユース業界に人生を救われたという恩義を常に感じており、業界に対しての恩返しを自分なりの形でしたいと考えています。社会(世界)に必要とされる事業をリユース領域でつくり、社会を一歩でも前進させ、社会におけるリユース業界のプレゼンスを上げることを目標にしています。
今は業界が注目している「隠れ資産」「意味的価値」「健康寿命の延伸」を組み合わせたビジネスを考えており、まさにBBTが大事にしている構想力が試されるところです。業界内でも例を見ないビジネスモデルであり、これは社会運動と言うこともできます。まずは日本で実績をつくり、その後には海外への展開も視野に入れています。その日をイメージして、英会話のレッスンも1年ほど続けています。
私が大事にしている言葉が「迷ったらGo」です。尊敬している方が昔よく言っていました。やらないことの後悔は長く残ります。迷っている時点でGoしてしまったほうが良いのではないかと個人的には思います。仕事と学業の両立は楽ではないかもしれませんが、人生100年時代と言われる中ではその期間はごくごく一部ですし、そこに費やした時間はそれ以上のモノをもたらしてくれます。MBAを通じて得られるモノの見方は、その後の生き方に大きなレバレッジをかけてくれます。
また、社会に出てからの自発的な「学びたい」という欲は、嘘偽りない本質的なものではないでしょうか。ぜひ心の声に従ってください。
最後におまけですが、人に出会った際に先方がMBAホルダーと分かると、心の距離が近づきやすくなる印象です。お互い学びに時間を費やしてきたという敬意が生まれますよね。