入学当時、3社目の会社で企画営業に携わっていましたが、これまで経験したメーカーや出版社の仕事も含め、世の中のビジネスマンのほとんどが、体系的に勉強せずに、経験や勘で仕事をしていました。自分も当然そのような人材でした。BBT大学院で経営学を学び、それがいかに無謀だったかを実感しました。経営学には数百年の歴史があり、世の中にはたくさんの知識や教科書が人類の財産として残されております。そこから何も学ばずに、ゼロから、自分の力だけでビジネスを成功させることができるとしたら、天才です。逆説的に、そこから学ぶ姿勢さえあれば、どんな人材でも成功への道を歩み始められるのです。BBTで学んだ知識は「実践的すぎる」ため、次の日から仕事に活かせるものがほとんどで、仕事と学業の二足草鞋でも仕事で結果を出し続けることができました。また、BBT人脈内外で、様々な企業からヘッドハントのオファーが来るようになりました。
どこの企業でも様々な問題を抱えていますが、当時わたしが所属していた企業でも同じでした。前職、前々職でも感じた問題も多く、いかにそれを解決し、他社との戦いに勝利するかを学びたい、という一心でした。ただ、ビジネス書や自己啓発本を読んで解ったつもりになるのは避けたいという思いもありました。できれば、具体的な目標と、学びに適した環境があればいいと考えました。そこで、目標をMBA取得と設定し、環境についてはエアキャンパスの活用により通学時間などのロスの少ないBBTを選びました。大正解でした。MBAはそれだけでは飯を食えるタイトルではありませんが、それでも自分のキャリアを説明するには便利です。また、BBTの環境は、いつでもどこでも学習でき、「逃げられない」という苦しさはあるものの、動機付けを維持するには非常に良いものでした。
エアキャンパスがとにかく便利です。このシステムは、「通学できないから仕方なく遠隔で」という発想じゃないんです。むしろ逆です。リアル教室での授業の問題点を解決するためにこのシステムを導入するべきだ、と強く提案したくなるものです。通学はたくさんのリソースを学生から奪います。通学時間、時間調整、他の生徒の発言中は黙って聞いてなければならない構造的問題。エアキャンパスはこれらの制約条件を軽々とクリアしています。いつでも視聴できる授業は、同じ授業を何度も繰り返している大学教授のものと違い、視聴者のために考え抜かれた演出や編集がなされており、本当に理解しやすい。クラスのディスカッションはテキストベースなので、聞き間違いや押し問答などを避け、本質的な問題を深堀りするのに適しています。時間を選ばずにアクセスできるのに、リアルタイムで議論している感覚があり、理解が進みます。
わたしは美術系大学出身で、数学は大の苦手でした。『コーポレート・ファイナンス』(投資学)と『統計解析』では、高校生レベルではありますが、わたしには難しい公式が多く、非常に苦労しました。しかしながら、単に「数学」を勉強するのではなく、「投資」や「統計」を勉強するために、道具として数学を使うという順番だったので、諦めることがなく最後までやり遂げ、どちらもA+の成績を取ることができました。ここは数学が苦手な人に是非読んでほしい部分ですが、必要以上に恐れないでください。確かに大変ですが、目的が明確なので、最後までやり遂げることができるはずですし、実務では表計算ソフトを使えば一発です。何故このようなことをするのか、という基礎の部分を把握するための数学ですので、成長実感がありますし、もしかしたら数学への苦手意識を克服できるかもしれません。頑張れますし、頑張る価値があります。
全ての基礎となる『アカウンティング』(戦略会計)の授業が入学直後に始まりますが、会計を簿記だと思っていたわたしには目からウロコがたくさん落ちる素晴らしい授業でした。会計というと無機質な勉強を想像するかもしれませんが、この授業は「夢やロマン」から始まります。夢やロマンを事業計画に変える、事業計画をお金に変える、お金を資産に変える、資産を収益に変える、収益を利益に変える、利益をまた資産に変える。このサイクルを「経営」と呼びます。今では当たり前の世界観として捉えていますが、入学当時のわたしは、この授業で経営とは何たるかを本当の意味で理解できました。入学される方は期待してほしい科目です。今回はひとつだけ挙げましたが、どの科目も素晴らしいです。『問題発見思考』は人生観が変わりますし、『ビジネス・エシックス』は企業人としての意識にダイレクトに作用します。他の科目もどれも実践的で役立ちます。
BBT大学院での授業は「実践的すぎる」ため、毎日の講義がそのまま実務に直結します。ある授業でテーマがあり、それを視聴すると、今自分が悩んでいる課題や、過去の成功・失敗体験がたくさん思い浮かびます。それを授業内容と絡めてエアキャンパスに投稿すると、クラスのみんなからたくさんの関連情報や実務体験が集まります。どれも、明日から使いたいものばかりです。いい成績を取りたいから議論する、という感じではないんです。いてもたってもいられなくて、エアキャンパスに投稿し、議論を深める感じです。実務の悩みを相談できる人はそんなに多くないと思いますが、エアキャンパスでは数十人からアドバイスが集まる感じです。世界的なコンサルタントや経営者である教授自らも発言に対して助言してくれます。こんな機会は滅多にないです。
2年間は仕事以外の時間を全て勉強に投入する、と、家族や同僚、友人に宣言しました。趣味の映画鑑賞や旅行、燻製作りなど、全てを我慢しました。飲み会もBBT関連以外は全て断りました。所属企業の社長や上司、妻をはじめ家族が理解してくれ、非常にいい環境で勉強に打ち込めたので、恵まれていたと思います。一方で、同級生のほとんどは、仕事や育児や趣味に追われながらもやり遂げていますので、わたしのように全てを諦める必要があるわけではありません。
わたしは片道1時間以上の自動車通勤だったため、自分の時間的資源の2時間以上を毎日運転に使わなければならない状況でした。この時間を無駄にしたくないと思い、カーステレオに工夫をして、音声だけでも視聴済みの講義の復習ができるようにするなど、時間のマネジメントに留意しました。また、2年次からは、時間をお金で買おうと決め、毎日高速道路で通勤するようにしました。経済的負担は少なくありませんでしたが、正解だったと思っております。
学んだことは即実務に応用できるため、結果が出ます。毎晩深夜まで残業していたわたしは、入学と同時に、勉強時間確保のために、思い切って毎日定時で帰ることにしました。単純に労働時間が半分くらいになりました。それでも、成績は深夜まで残業していた頃よりどんどん伸びていくんです。これには自分自身、驚きました。また、いろんな企業から当たり前のようにヘッドハントされるようになりました。現在はヘッドハントされた企業の取締役に就任する予定になっています。自分がこんなに早く経営者として仕事をすることになるとは思ってもみませんでした。このように、わたしの環境の隅々まで、学んだことの実践が活きています。
科学的な経営手法という知識を手に入れたことで、判断に自信が持てるようになりました。人は何をしてよいかわからない時、うろたえ、感情的になり、思考停止しますが、今は次に何をするべきかわかるようになったので、いつでも平常心で仕事をすることができます。また、問題解決者として生き続けるという運命を自覚するようになりました。一生勉強し、一生問題に解を見つけ続ける運命です。苦しいけれど、誇りが持てる生き方です。最後に仲間たちです。共通言語で話せる一生の仲間をBBTで何十人も得ることができました。大きな財産です。
世の中に必要な物は、極論すれば、幸福です。お金やモノや地位があっても、幸福でなければ意味がないと考えます。わたしは、経営者として、顧客や従業員、それ以外の世の中の人をたくさん幸福にしたいと思っています。それがまさに「価値創造」だと考えます。わたしは、臨終の間際まで働き続け、価値を生み出し続けます。
迷っているなら、決断しちゃいましょう。MBAを取得するのは、つらく長い道のりです。挫折するのが当たり前の厳しさです。でも、楽して知識レベルやキャリアや人生を変えられるのなら、誰も苦労しません。自分の人生を、環境に依存するのではなく、自分で力強くコントロールできるようになるために、思い切ってBBTに入学して、苦しみながら勉強してください。実際は苦しいことばかりじゃないです。苦楽を共にする仲間を得られますし、今まで感じたことのない成長実感を痛感することになると思います。