外資系ITメーカーに勤務してから丸15年が経過しました。今は2社目で本大学院に在学中の2012年8月に転職してからもうすぐ1年が経過しようとしています。ハードウェア・ソフトウェアサポートエンジニアやプロジェクトマネージャ職を経験し、現在はシニアテクニカルサポートエンジニアとして日本の大手企業に採用いただいている業務アプリケーションの安定稼働を支えています。社会人になってからも常に学び続けるという姿勢を大事にしており、通勤電車の中で勉強をしながらIT系の資格取得を続けていました。
社会人になったときの目標である社長になるという夢を実現する上で、IT系の資格を取得しているだけでは経営に関する知識や能力が身に付かないと考えました。通勤電車の中でMBAに関する本を何冊か読んだものの、自分の中に知識として取り込まれたという実感が全くありませんでした。ここで立ち止まっては一生エンジニアとして終わるのではないかという危機感が芽生えたのが、真剣にMBAを取得しようと考えたきっかけでした。
MBA取得を真剣に考えたものの、3人の子供と妻の生活を支えるために仕事を辞めることはできません。加えて平日夜や休日は仕事が入ることも多く、都内にある大学やビジネススクールに通うことも考えられませんでした。日本にいて通信教育のようなシステムでMBAが取得できないかとインターネットを検索していたところ、BBT大学院や海外の大学を見つけることができました。 最終的な決め手は当時の修了生の声を確認し、非常にハードなスケジュールでも何とかやり抜いたというコメントが多かったことから、自分もやり抜けば必ず目的が達成できると感じることができたことです。
ほとんど全てが苦手科目でした。高校から進学した大学でも経営の勉強をしたことがなく、社会人になってからもエンジニアとしての経験しかなかったので、当然の結果と言えます。単に教科書で教えられたのでは長続きしなかったと思うのですが、先生方が実務経験に基づいて講義をしてくださり、AirCampus上ではTA(Teaching Assistant)の方も加わって学生同士で積極的に議論ができたことが苦手を克服できた理由だと思います。自分にとっては全ての科目が経営に関することであり、目標に向かって勉強できていると感じられたことも大きかったと思います。
全ての科目がタメになったと言えるのですが、あえて1つ選ぶと大前学長が担当する科目で行うオリジナルのケース・メソッド「RTOCS(Real Time Online Case Study)」です。ほぼ毎週課題が出され、対象となる企業がどのような事業を行っているのか、業績推移はどうか、強み・弱みは何かなどを情報収集して分析し、最後にその企業の課題を見つけて解決の方向性を回答することになります。他の講義で学んだことをすぐに分析に取り入れたり、結論の導き方に取り入れたりすることができた点で、総合的にタメになった科目です。
自分にとってはほとんどの講義を通勤電車の中で受講することができた点が素晴らしかったです。講義も受け身でなく、AirCampus上の議論に参加するという目的意識を持って取り組むことができたことで、集中して講義を聞くことが自然にできました。経営管理専攻では最後の卒論のハードルが高く、最後まで気を抜くことなく全力で駆け抜けた感じがします。常に証拠の提示を求められ、思いつきだけでは修了までたどり着くことができなかった。その点が首尾一貫していました。
通勤電車の中では、よほどのことがない限り常に講義を受講していました。仕事で終電を逃すと翌朝の通勤時間と合わせて2時間の勉強時間がなくなるため、終電を逃さないように注意しました。議論で文章を入力するときはPCの方が圧倒的に効率が良かったことから、自宅での勉強時間を確保するために睡眠時間を削りました。おかげで修了後の現在も睡眠時間は減ったままで生活できています。家族とは2年間ほとんど旅行ができないなど多少影響はあったものの、休日は一緒に過ごすようにしました。子供3人がお父さんが忙しいことを感じて自分たちで遊んでいたのも非常に助かりました。
BBT大学院で学ぶうちに自分の目標に向かってもっと積極的に行動したいと思うようになり、在学1年目の12月に前職での社内異動をし、更に2年目の8月には転職をしました。社内異動や転職後は新しい業務を素早く覚える必要もあり、慣れない業務で時間もかかることから、学びとのバランスを取るのに一番苦労しました。最初は睡眠時間を更に削ろうとしましたが、仕事と勉強の両方の効率が下がることがすぐにわかり、睡眠時間を犠牲にすることなく2年でどうしたら修了できるかを常に考えていました。
もともとサポート部門に所属しており、問題解決を日常的に実施していますが、結論を導くスピードが速くなりました。顧客の視点で考えたらどのようなことを解決したいのか、そのためにはどうすればよいのかを順序立てて示すことができるようになったと思います。何かを判断するスピードも速くなっており、判断根拠を示すように言われたときのことも考慮することができています。私自身は将来的に自分で起業することで社長になることを考えており、より確実に成功するためにどうすべきかを理解して行動ができていると思います。
もともと積極的に行動する方でしたが、更に自分がやりたいことに向かって積極的に行動できるようになりました。交流関係も飛躍的に広がり、自分の考えを言うと予想もしなかった助言や相談先の紹介をしてもらえるようになりました。また、マスコミの報道や同僚の考えなどをそのまま受け入れるのではなく、常に何が正しいのかを考えて証拠を集めることがすぐにできるようになったことで、仕事のスピードと精度が向上していると思います。
外資系IT企業で日本国内ではなく、グローバルに活躍できる人材になることが当面の目標です。夢は社長になることでしたが、BBT大学院を修了した現在、社長は起業すれば誰でもできるわけで、自分が社長になって事業を成功に導くことが最終目標であると考えています。成長するアジアでどのような事業を展開すれば成功するのかを考えており、今は卒論で取り組んだ事業計画のアジア展開版を計画中です。
まずは入学されることをお勧めします。書籍を読むだけでは得られない知識や経験を得ることができ、更に人的ネットワークも広がります。入学するときには受け身でなく積極的に行動することを意識してください。いつか良くなるだろうと待っているだけではよい方向には変わりません。特に日本は人口が減少し、経済も縮小してこのままでは世界から相手にされなくなります。同志が増えることで日本を変えていこうとする力が増すことを期待します。