現在、私は独立系SI会社の中で、新規事業の事業責任者をしています。私の新規事業は人型ロボットの開発・製造・販売です。今の会社に入る前は、新卒で入社して以来19年間、国内中堅電機メーカーに勤務しておりました。BBT大学院を卒業して1年ほどした時に、同大学院の先輩からお声がけいただき、今から3年半前に現在の会社に転職しました。
入学当時に勤務していた国内中堅電機メーカーは、業績不振が長らく続いていた会社でしたので、経営破綻の危機を常に感じていました。仮に会社が無くなり、自分自身新たな勤務先を探さねばならなくなったときのことを想像しながら自分にはどんなキャリアがあるのかを棚卸ししました。自分自身はプロジェクトマネジメントの資格を有しており、また実務的にもそこそこ自信はあったのですが、他社で通じるか?将来を見たときにこのままでよいのか?もっとやりたいことは無いのか?と考え、経営の最高峰資格であるMBAにチャレンジしてみたいと思うようになりました。 また自分は大卒では無いこともあり、前の会社で学歴で嫌な思いをしたことも多々ありました。そのため、学歴が足を引っ張ることのない世界を夢見ていたことも背景にありました。
大きく3つあります。1つ目は、仕事をしながら学位が取れる点。2つ目は、学士学歴がなくても実務経験がありかつ試験に合格すれば入学できる点。そして3つ目は、大前研一学長をはじめ全教授陣が超一流の実務家であった点です。
学生時代にまったく勉強したこともなく、また実務経験も無かったことから、アカウンティング、コーポレート・ファイナンス、経済学が苦手でした。 しかしAirCampusでのクラスディスカッションをはじめ、会社の経理の先輩などにいろいろ教えてもらいながら理解を深めてまいりました。
齋藤顕一先生の問題発見思考、そして大前学長が担当する全科目で行う「RTOCS(Real Time Online Case Study)」です。この二つがセットとなって鍛えられた問題解決力こそが、日常、雨後の竹の子のように湧いて出てくる問題や課題を解決していく上で一番ためになっていると日々感じています。
正直、大変でした。でも大変だった分、力がついていることも実感できます。ちなみにその大変さは与えられたものをやり遂げるための大変さ、というものではなく、自身がのめりこみ、夢中になることによって勉強する範囲が増えたり、深くなったりして、結果的に多くのことを勉強していく、というAirCampus独特の素晴らしさであると感じています。
正直大変でした。仕事も家庭もかなり犠牲にしてきました。
仕事は「残業しません宣言」をしましたので、「申し訳ありませんが、この仕事は私には処理出来ません」と断ったこともいくつかありました。上司には理解いただきましたが、同僚の目や関係者の目はつらいものがありました。
また家庭の方はもっと苦しかったです。子供が小さかったこともあり、急に遊んでくれなくなったお父さんを見る子供の目、そしてそれを支えてくれた妻には本当に苦労をかけました。
よって絶対に二年で、しかも好成績で卒業することを心に誓い、頑張り抜きました。
毎週のRTOCSは大変でした。「もし、あなたがすかいらーくのラルフ・アルパレス会長なら?」「もし、あなたがジャパネットたかたの高田明社長なら?」こんな問題を毎週1つずつ、年間計50ケース、2年で計100ケース。自分自身の解を提出していきます。この課題は力がつきましたが、その分かなりハードでした。
問題解決力が一番、日常の業務で役立っています。私の仕事は新規事業ですので、我が社にとって初めてのことがほとんどです。よって戦略立案から、仕組み・ルール作り、そして人材育成に至るまで、日々数々のタスクをスピーディーにジャッジしていく必要があり、このスキルがとても役立っています。
ずばり、仕事のスピードが格段にあがりました。
例えば、今私の名刺フォルダには数百人の同窓の仲間の名刺があります。業種も様々、担当業務も様々な方々です。いままで何か新しいことをするときは、見ず知らずの業者に声をかけたりしながら、おそるおそる見積もりを取ってみたりしていましたが、今は、名刺をぱらぱらとめくり、電話一本で「こんなことしたいんだけどちょっと相談乗って」でスタートが切れます。
私の場合は特に新規事業をやっていることもあるので、結果として仕事のスピードが数倍上がった気がしています。 実力が身につくということ以外に、こうして得られた人的ネットワークはとても貴重な財産ですね。
まずは今の新規事業を軌道に乗せることですね。事業を始めて3年。まだまだ赤字続きの新規事業です。早々に単年度黒字に持って行き、会社に借りた借金を返し、そして自ら稼いだお金で、さらに新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。
BBT大学院の修了生は現在500名を超えました。優秀な仲間がサイバーでつながり、また年に一度リアルに集まってビジネス・カンファレンスを行います。そして、修了年次を超えて懇親することで、知のネットワークが形成、増殖していっています。 大学院で学ぶスキルももちろんですが、この人脈は人生最大の宝物のなること間違い無しです。 勉強は楽ではありません。サイバーだからと行ってやはり仕事と家庭の両立は大変な努力が必要です。しかしこの努力は、必ず酬われます。 一生ものの仲間を作りに、是非チャレンジしてみてください。お会いできるのを楽しみにしています。