日本アイ・ビー・エム(株)において、国内及びアジア太平洋地区を中心に金融基幹システムやシンクタンク研究所スーパーコンピュータの保守技術支援に15年、お客様担当やビジネス企画部門に10年、計25年従事し現在に至ります。
証券システムが全面ダウンしたという事態が起きたときに、お客様企業のCEOや経営幹部に事情を説明しなければなりませんでしたが、トラブルの原因は説明できても、「13時間も止まったことによってどれくらいの損失が出たのか君にわかるのか?」という質問には答えられることができなかったのです。「技術さえあれば何でもできる」、それは大きな勘違いでした。経営者視点でビジネスを思考する知見と気概をインテンシブに吸収したいと考えたため、MBA取得を考えました。
会社のブランドや肩書きを外した時、自分には何が残るだろうか、自己変革するためには何が必要か。打ちひしがれていたときに知ったのはBBT大学院でした。オンラインで働きながらMBAを取得できる大学院は他にもあるかもしれませんが、私が身につけたかった力を提供していたのはBBT大学院でした。経営者視点で思考するトレーニングを繰り返し行うカリキュラムがあるのも魅力的に感じBBT大学院に決めました。
業界・業種・年齢・役職を越えた同志と、同じ時間をディスカッションで共有することができます。自らの知見・経験がメンバーの役に立ち、他のメンバーのそれが私の役に立つ「Give&Take」によって楽しく学ぶ環境があります。何の心配もありませんでした。
合計100回を超える毎週のRTOCS(出題から締切:日曜日22時から翌週20時まで)により、「あなたが経営者ならどうする」という正解のない問いかけによる訓練で費やした時間は、卒業してからも私にとって一生の財産です。独りよがりのアイデアは同志との真剣勝負のディスカッションにより、磨きのかかった「インパクトのある打ち手」に変身するのです。これが私にとって一番タメになりました。
BBT大学院での教育ビジョン「ライフタイム・エンパワーメント(生涯活力の源泉)」は、働きながらMBA取得という本来であれば不可能であった私の希望を叶えてくれました。感謝してもしすぎることないと考えています。これが終わりではなく、これからも切磋琢磨して社会にアウトプットをし続けたいです。
実務では、クイックに対応することに価値があると見なされるケースが多いと実感しています。ここまでは学びの時間、この日は家族との時間、ここは仕事とメリハリをつけるように心がけました。スケジュールは前倒しで、特に家族とはよく話し合うことが重要です。「行き先の見えない船」に乗せられると家族は不安ですし、気持ちよく長期戦を乗り切れないと考えます。
自戒の念も含め、「やっつけ仕事」的なペースだけは避けたいものです。カリキュラムは総じて「答えのない課題」を考えるケースが多いです。一連のロードマップを経由して結論を導かなくてはなりません。事実を正しく捉え、本質的な問題はどこにあるのか、それを解決するためのインパクトのある「打ち手」は何か、なぜそれが有効なアイデアなのか。ここまで揃わないと、「独りよがりの思いつき」と見なされて、説得性に欠けるものになります。時には、緊急度の高い仕事が入るかもしれません。家族が病気になる場合もあるでしょう。ご自身が怪我をすることもないとは言えません。長期戦ですから、これらの歯車が噛み合わないこともあります。苦労したところは、ここでいかに優先度を判断し、最適解を選択するか。これはこれからの人生の縮図だとも言えるでしょう。従って、これを乗り切れば何だって乗り切れる自信が生まれるのは修了生の共通した感想だと考えます。
思い切った経営判断をしなければならない局面で、勇気を持って決断できること。決断に踏み切るきっかけを与えてくれる、と考えます。経営判断には、思い切った方向転換が必要となる局面が多々あます。逆に根拠を持っていないと、その判断を下すことにリスクを感じてしまい、結果として判断することを恐れ、ずるずると現状維持となってしまうことが往々にしてあるのです。実は経営というものは、何も変えられないことが、最も大きなリスクであることが多い。従って、思い切った経営判断が必要な時こそ教科書から学んだ理論を根拠とし、教科書に沿って自社の打つ手を考えることによって、自分が納得できる経営判断に達することができるのです。これもRTOCSで学んだことが実務で活きています。
重要な意思決定を行う際、自らの意見を主張するだけではなく、相手の考えに耳を傾ける「傾聴力」とそれを確認する「質問する力」とのバランスを持って、最適解を導き出すような行動を取るようになりました。また進んで困難な目標にもチャレンジする気概を身につけることができたことも、私に取って大きな変化でした。
「人口130万人の領土のない電子政府国家」を実現しているエストニアを拠点に、日本人起業家向けに経営スキル・リーダーシップや問題解決力の習得に役立つサービスを立ち上げるという目標を2022年以降に実現するために、準備を進めているところです。
BBT大学院の皆さんに積極的にコンタクトして見てください。目が違います。全員キラキラして、アクティブです。あなたの人生に光を照らしてくれるはずです。そして皆さんの新しい知見と経験を我々とも共有してください。期待しています。