精密機械部品メーカーに勤めております。学生時代は機械工学を専攻し将来の経済発展を予測し卒業前(’95年)に1年間北京に語学留学をしてから入社しました。入社以来ベアリング事業部の切削課という工程に配属になり、3年半ほど日本の本社でトレーニングを行い、その後上海に駐在9年半、タイにに駐在2年、計15年間製造の現場に携わっておりました。その後、2012年より上海で1500名を抱える生産拠点の責任者をしており、トータルの駐在生活は2016年で16年目となります。
入社以来、将来は会社全体の経営に深く携われる人材になりたいと漠然とした希望持っていました。4年前より上海で生産拠点の責任者として活躍するチャンスを貰い、その業務を経験するにつれて、工場運営のための会計、人事などの知識だけでなく将来を踏まえ経営戦略を体系的に学ぶ重要性に気がつきました。MBA取得にチャレンジする事で、実務で具体的な行動に移したいと思うようになりMBA取得にトライする事を決めました。
自身が海外に勤務している為、サイバーでの学びが可能である事が最も重要な条件でした。2005年頃に問題発見基礎スキル講座を修了していた事もあり、2012年に上海へ2度目の赴任に来た際に、偶然上海で開催された“ようは会”に誘いが掛かり参加したのが切っ掛けで、上海BBT会の集まりに参加するようになりました。
以前よりBBT大学院でのMBAの学びに興味は持っておりましたが、どの程度困難なのか今ひとつイメージがわかなかった事と、費用が高額だったことから、どうしても入学を決める事が出来ずにいました。そんな中、上海BBT会での集まりを通して、上海で活躍する先輩方から本学での学びの素晴らしさを聞くにつれてチャレンジしてみたい気持ちが大きくなり入学を決めました。
『アカウンティング』でした。理系だったので計算に苦労する事はありませんでしたが、簿記を含め会計の知識を体系的に学んだ経験が無かったため、講義を理解するのに苦労しました。理解できずに困った場合は、クラスメイトとのディスカッションで助けてもらったり、繰り返し講義を見直すことで理解を進める事ができました。また講義の構成として、実際の企業を題材にして、企業の特徴をP/LとB/Sを基に紐解いていく講義の流れは、興味深く理解を進めるにあたり大きな助けになりました。
RTOCSです。科目ではありませんが、毎週1件の異なる課題を2年間継続するRTOCSが最も為になりました。他の科目でPSAの流れを体系的に学びながら、その実践として毎週RTOCSの場でクラスメイトとの議論を通して自分なりの結論を出し、それを大前学長の思考や結論と比較する事で自分自身で考え抜く力が鍛えられ、自分自身の思考の欠点や癖が見えてきました。
実務経験豊富な教授陣による優れたコンテンツとAirCampusを活用した学びは、時間や場所に縛られない、極めて優れたサービスであり、他のリアルな講義を主体にした競合のコンテンツと比較しても全く負けるものではないと感じました。
仕事のパフォーマンスを落とさずに学びを行う事は、2年間での卒業を目標としたため家族へ負担を与える事になってしまいました。小学生の娘と息子がいるのですが、平日はもちろん週末の面倒も全く見る事が出来なくなる事が明確だったため、妻に相談し理解してもらう事で、全面的にサポートをしてもらいました。家族からの協力があって初めてやり遂げる事が出来た事であり、応援してくれた妻や子供たちに非常に感謝しております。また仕事の質を落とさずに学びを進めるには、仕事の効率を上げたり無駄な残業を削減することが不可欠ですので、仕事の棚卸を行い、自分でやらなければならない仕事以外は出来る限り部下に任せるように見直しを進めました。また昼間の食事時間を学習時間にあてたり、移動時間を有効に活用して、残った仕事や学習を行うようにし、出来る限り生産性の無い時間帯を学習のために時間に置き換えるようにしました。
中国の上海に住んでおりますが、ネット環境が悪く大変苦労致しました。土地柄Googleが使用できないため情報収集にストレスを感じました。これは他の検索サイトを活用したりVPNを使用する事で克服する事が出来ました。次にネットのスピードですが、会社から帰宅してコンテンツをダウンロードしようとしても極めて遅いスピードだった為に学習開始後2カ月程度は非常に苦労しました。但し早朝であればスムーズにダウンロード出来た為、生活習慣を朝方になるよう12時前に就寝するようにしていました。
BBT大学院での学びは実践に役立つ内容ばかりですが、特に問題解決思考はあらゆる場面で役に立ちます。工場運営に係る労務、品質、生産性向上、コスト改善など多くの課題を部下や現地スタッフが自分たちで問題解決が出来るように、本学で学んだ思考法を自分の所属する組織に落とし込んでいく事で自律的に改善活動を行う事が出来るよう組織作りをしております。結果的に離職率の改善や歩留まりが改善する事により生産性が向上し、収益性が改善、安定してきております。
本学でPSAを学ぶにつれて、自分が携わる業務の範囲に留まらず、会社全体に係る課題に対して携わっていきたいと強く思うようになりました。日々遭遇する前例のない課題に対しても要は何が問題なのか?限られた時間、情報、人材、費用の中で最も効果的に結果を出すためには何をすべきなのか?といったことを、落ち着いて論理的に考える事が出来るようになったため、常に平常心でいられるようになりました。その結果、職階や立場の違うチームメンバーの協力を得ながら議論を進め、結果に繋げていく事に喜びを感じられるようになりました。
自分の働く会社の仲間が、自分たちの扱うビジネス、所属する組織やその働き方にプライドを持つ事が出来る幸福度の高い組織を作っていきたいと思います。その為には本学修了後も自分自身が学びを続けることで問題解決のスキルを継続的に強化し続け、一人でも多くの問題解決者を増やしていければと思います。
実際に本科に入学されると支えあう事が出来るクラスメイトがいることから、サイバー学習の孤独を恐れる必要はありません。
但し、学習のボリュームは非常に多いため自分のペースを崩さないよう、無理のない学習計画を立てるのが良いと思います。私自身は入学前に問題解決基礎スキル講座(問題解決思考1)を修了していたので、振り返るとこの事が学習計画を立てる上で大きく負担を軽減したと考えております。よって本科で学ぶそのボリュームや経済的な部分で迷っているのであれば、先ずは単科の問題解決思考1を試しとしてチャレンジする事も検討すると良いかと思います。問題解決者としての第一ステップである問題発見の部分は絶対に外せないプロセスですし、大きな出費となる大学院での学習を開始する前に本学の雰囲気を垣間見る事が出来るのではと思います。