かつて動物病院の開業は、獣医師免許と一定レベルの技術があればさほど難しくはありませんでした。しかし、少子高齢化に伴い、動物の数は近年減少傾向にあります。一方で、動物病院の数は増え続け、私達の世界でも競争は激化しつつあります。また、開業年数とともに組織も大きくなり、スタッフをまとめ事業を維持・成長させて行くには、体系的な経営スキルを身につける必要があると考えMBAの取得を決意しました。
BBT大学院に入学する前に他の大学院で単科生として講義を受けていました。住まいと職場が都内にあるため通学は比較的簡単でしたが、それでも急患や悪天候で受講日の変更や欠席を余儀なくされることもありました。そのため、いつでもどこでも自分の好きな時間に何度でも授業を受けることのできるシステムに魅力を感じ、BBT大学院を選択しました。
私達の世界でも病院の売買が盛んになりつつあるため、『M&Aと経営』を履修しました。授業はその都度理解したつもりでしたが、日常全く異なる仕事をしている私にとって徐々に内容が難しいと感じるようになりました。また、最終課題は実践的なスキルが問われたため、正直なところかなり悩まされました。しかし、クラスメートとの意見交換や質問のやり取り、過去の授業を再度聴くことにより克服することができました。BBT大学院はONLINEでクラスメートやTA(Teaching Assistant)の方々と常時繋がっているため、孤独感もなく非常に勉強しやすいと感じました。また、大変な分だけ得るものも大きく、M&Aについて深く理解することができたと思っています。
炭谷先生の講義は非常に論理的で分かり易く、内容も面白く構成されていたため楽しみながら勉強をすることができました。そして、何よりも素晴らしいと思ったのは、『問題解決思考2』と『卒業研究』の内容や流れが連動していることでした。『卒業研究』のテーマは自分が起業したい事業を選択することができるため、『問題解決思考2』の講義を聴きながら卒研の内容をまとめていくことができます。私のクラスでも多くの方が卒業と同時に起業をし、私も卒研のテーマを元に新規事業に取り組んでいます。
RTOCS(Real Time Online Case Study)は様々な企業の社長という立場で戦略を考え、しかも毎週課題が与えられるため実践的な経営スキルはかなり身につくと思います。また、テーマは企業だけでなく政治や地方自治体など多岐にわたっているため、知識が豊富になっただけでなくどのような分野についても問題点や解決案を導くことができるようになったと思います。様々な企業のトップと言う立場に立って戦略を考えることは、経営者だけでなく一従業員そして起業家にとって非常に重要なことだと思います。そのため、私は卒業後もRTOCSを継続して学んでいます。
1年目の前半は要領も上手くつかめなかったこともあり、仕事以外の時間は自宅の部屋に閉じこもり、ひたすら学習をしていました。しかし、前期が終わる頃になって少し気分が落ち込んできたため、思い切ってパソコン片手に海外へ出かけることにしました。移動中の車や飛行機の中、家族が寝た後を中心に学習し、それ以外は家族と旅行を楽しむことにしました。また、週に2日は別荘で過ごし、1日1回は家の前の海でサーフィンを楽しむことにしました。その結果、前期に比べ後期の成績は良くなり、2年次はさらに良い成績をとることができました。大前学長が「遊びと学びを両立させる」「場所を変えて学習したほうが効率が良くなる」と良く言われていましたが、実際にやってみてたしかにその通りだと実感しました。
私が入学を決めたのは出願締切間近で、合格すると直ぐに授業が始まってしまいました。そのため、AirCampusの使い方もよく分からないまま授業を受け、ディスカッションテーマや発言期間を見落とし、全くディスカッションに加われず発言しないまま終ってしまったこともありました。しかし、AirCampusを使っているうちに徐々に慣れていき、それからはとくに苦労はなく、非常に良くできているシステムだと思うようになりました。
学びを無駄にしないために、在学中から自分の仕事で実践するように努めてきました。例えば『現代の経営戦略』では企業を選択し毎月課題に取り組みますが、できるだけ自社を題材にするようにしていました。その結果、業績は向上し入学前に比べて高い利益を出すことに成功しました。卒業後も日常の業務において様々な学びを単独または組み合わせて実践するよう心がけています。
BBT大学院に入学するまでは、問題に直面した時に解決案を勘や経験で導き出すことが多かったと思います。しかし、問題発見思考を学習してからは、本質的な問題はどこにあるのかを考え、ロジックに基づいて解決策を導き出すようになったと思います。また、ロジックで物事を考えるようになった事により、分かり易く説得力のある説明ができるようになったと感じます。
BBT大学院で学ぶまでは、私達の仕事を海外ですることは難しいと考えていました。しかし、講義やクラスメートとのディスカッションをしているうちに、海外でもやっていけるのではないかと思うようになっていきました。そして、2年次後半から中国に進出する企業の技術顧問を引き受けることになりました。また、中国だけでなくベトナムへの展開も数人の仲間と計画を進めています。BBT大学院で学ばなければ国内事業だけで終っていたと思いますが、2年間の学びにより自信が持てるようになり、活躍できる範囲も比較にならないほど広がってきたと思います。
私が最も後悔していることは、人の意見に流されMBAを学ぶことを数年間躊躇していたことだと思います。「私のような仕事にMBAは要らない」「すでに経営者であり、事業もそこそこ上手く行っている」など様々な意見がありましたが、どれも間違っています。MBAを学ぶことは企業の大きさや職種に関係するものではなく、社会人であれば誰もが身に付けておくべきスキルだと思います。また、おそらく私はクラスで最年長だったと思いますが、遅すぎるということはありません。もちろん、若いうちに学ぶことができればさらに良いのではないでしょうか。