私の事務所で行っていた企業再生業務のメインは、財務の改善でした。経費の節減等を行って、返済原資を増加させることと、金融機関からの返済期間の延長です。しかし、売上高が年々減少していく中小企業が多く、経費節減と返済期限の延長だけでは、再生ができない企業を多く見てきました。根本的に事業領域の見直しやサプライチェーンの見直しを行わなければ、立ち行かない企業に多く接しました。本業の立て直しが必要であることはわかっていても、その時の私の事務所では、本業の立て直しができるだけのスキルがありませんでした。何とかそのスキルを身に着けようとして、経営の勉強をすべくMBAの取得を考えました。
社内外でグローバル化が進んでいる中、英語を使った業務(翻訳)に携わっているものの、グローバルとは程遠いスキルしか持っていないのではないか、という危機感を抱いたのが大きな理由です。また、売上や利益といった数字とも縁遠い部署でもあったので、将来マネジメントする際コミュニケーション力のみならず、数値、事実から自身の解を導き出す論理的思考力も身に付けておきたいと考えた点もMBA取得のきっかけとなりました。
大きく二つあり、一つ目は販促やマーケティングの仕事をする中で個々の企業が持つ本質的な課題を解決しなければならない必要性に迫られたこと。二つ目は21世紀は“個の時代”と言われ続けビジネスマンも個人のビジネススキルを磨き続ければ活躍の場が増えると確信したことです。そのためには体系的な経営スキルを身につけるべきだと考えました。
前職は90%の離職率という劣悪な環境であり、常に人事として退職面談を行うような毎日でした。そうした中、会社の費用や時間を使いMBA取得を試みた役員がいたのですが、結果的には言い訳をして1年で中退、会社の利益などを無駄にしました。また、私が入学しようとした際には、その役員から難易度が高く自分もリタイアしたからやめたほうが良いというような言葉がきっかけで、自分のお金・自分の時間で2年で卒業できれば、こうした企業の経営幹部を超えられるのではないかと考え、企業の経営者の姿勢を問い正すべく自分の人生をかけ挑戦をしました。
ブランドマーケティングや営業企画など、比較的消費者に近い業務への経験はあったものの、経営管理や会計などの知識に課題意識がありました。また、従事している業務に関わらず、管理職として経営管理スキルを身につけておくべきと考えました。
過去、現在、未来を考えて、大きく3つの理由がありました。
①将来を考え、ビジネスの世界で生きていくための共通言語を習得した方がいいと思ったこと
②学生時代に起業した際、ビジネスマンと対等に会話することができず、資金調達に苦労したこと
③頭が良く、理路整然と「できない理由」を説明すことが得意な人たちと、真正面からぶつかること
この3つを達成するための手段としてMBA取得が最適だと考え、取得を決意しました。