『イノベーション』の科目が苦手でした。自分はイノベーティブな考えを得意とするタイプだと思っていたのですが、成功事例を基に、どのような発想法で成功したか、成功要因を考え深堀りすること、そしてそこから独自のアイデアを発案するという訓練は正直難しかったです。発想法がしっくりこなくて、悩んで負のスパイラルにはまってしまうこともありましたが、なんとか乗り切りました。
ファイナンス系は予備知識がゼロだったので苦労はしました。しかし、同期のクラスメイトにファイナンスのプロフェッショナルがいたので、わからない点はディスカッションで質問をぶつけました。そもそも、自分が感じているような疑問はすでに他のクラスメイトが同じような質問を投げかけていたので、ディスカッションを最初から読み返して一つひとつ理解していきました。
あとは、徹底的にテキストを読み込んだり、講義を何度もリピートして視聴したり、人一倍時間をかけて着実に理解を深めました。
ディスカッションが文字となってずっと残る点と、講義を何度もリピートできる点もオンラインの醍醐味だと思います。
営業・マーケティング・経営企画部門は全く業務経験が無く、マーケティング・経済理論・経営戦略関連講義は初めて学習する分野、かつ、ほとんど事前の自己啓発も行っていない分野であり、多くの努力を要するものと推測していましたが、全くその通りとなりました。ロジカルシンキング(1年次『問題発見思考』)はある程度対応できると楽観的に想像していましたが、結果は散々でありました。(試験は最低評価で何とか通過しました。)上記の4科目は運よく落とすことは有りませんでしたが、これらの科目の延長・関連科目である2年次の『現代の経営戦略』・『イノベーション』・『問題解決思考』では学習時間を1年次の1.5倍から2倍に増やして地道な努力を継続して対応しました。
『アカウンティング』や『コーポレート・ファイナンス』の講義では、専門的な会計や財務の知識習得が求められます。苦手な分野であっても、経営者として、講義を視聴し課題を一つ一つ自分の手を動かし反芻する事で、自分の血肉となっていきました。
表面的な問題しか見えておらず、対症療法の様な解決策しか考えつかなかったのが、大前学長より毎週出題されるRTOCS(Real Time Online Case Study)や問題解決思考の講義を通して本質的な問題を発見し、それに対する具体的な解決策が立てられる様になりました。
中小企業にいると、組織論や人材マネジメントのような考え方や取り組みが普段実感できていなかったので、知らないことも多く、最初は戸惑いました。
しかし取り組んでいくうちに、自分が仕事で感じていた会社への不満や、やりがいなどの達成感がどういった仕組みで起きるのかを体系的に理解することができました。また、講義はもちろんのこと、クラスメイトの発言にある組織運営の悩みや事例もとても参考になり、組織全体として成長しながら仕事をすることの重要性を学びました。そして講義で学んだことの中で自分の勤務先職場に合うと思える仕組やルールを社内提案したり、問題提起するなどして、実践的に学ぶことが出来たので、事前知識が無い分野だからこそ、多くのことを吸収でき、大きな学びを得ました。
ファイナンス系の科目は基礎的な会計知識のみであった自分にとってレベルが非常に高かったです。ただクラスメートの会計士の方などにフォローいただきキャッチアップすることができ、会計やファインスは面白い!とまで感じるようになりました。企業変革については、自らの経験が逆にバイアスとなって発想が乏しく苦労しました。これもクラスメートとの徹底した議論により多面的な視野を得ることができ新たな視点を持てたと思います。
『卒業研究』は他の科目と異なり、クラスメイトとの議論を通じて理解を深めながら進めることが出来ない為、ひとりで最初から最後まで取り組む必要がありました。
研究テーマは「自分の所属する組織に対する新規事業提案」を選択しました。常日頃から新規事業の案を発想する癖を付けるよう心掛けてはいましたが、いざ事業計画書を描くとなると様々な検討課題が表面化し、実現性のある事業を構築する難しさに頭を悩ませていました。計画性を持って研究を進められず、右往左往していたと思います。
克服できたのは、私と同様に海外在住のクラスメイトとのオフタイムでの交流が大きかったと思います。互いに居住国は異なりましたが、研究に煮詰まったときは都度電話して相談に乗って貰いました。効果的なアドバイスと励ましを受けたおかげで、研究をやり遂げることができました。
講義は繰り返し視聴ができるので、苦手だった会計、ファイナンス系の科目については、わからない箇所を中心に何度も講義を聞き直しました。
また、これらの科目については、講義資料はプリントアウトし、講義中にメモを取りながら、教授の発言を一言一句逃さないように聞くことで理解するように取り組みました。
業界・業種・年齢・役職を越えた同志と、同じ時間をディスカッションで共有することができます。自らの知見・経験がメンバーの役に立ち、他のメンバーのそれが私の役に立つ「Give&Take」によって楽しく学ぶ環境があります。何の心配もありませんでした。