『卒業研究』は他の科目と異なり、クラスメイトとの議論を通じて理解を深めながら進めることが出来ない為、ひとりで最初から最後まで取り組む必要がありました。
研究テーマは「自分の所属する組織に対する新規事業提案」を選択しました。常日頃から新規事業の案を発想する癖を付けるよう心掛けてはいましたが、いざ事業計画書を描くとなると様々な検討課題が表面化し、実現性のある事業を構築する難しさに頭を悩ませていました。計画性を持って研究を進められず、右往左往していたと思います。
克服できたのは、私と同様に海外在住のクラスメイトとのオフタイムでの交流が大きかったと思います。互いに居住国は異なりましたが、研究に煮詰まったときは都度電話して相談に乗って貰いました。効果的なアドバイスと励ましを受けたおかげで、研究をやり遂げることができました。
金系が苦手というクラスメートもいましたが、私は日商簿記3級を持っていたこともあり、アカウンティングは面白く理解を深めることができました。しかし、ファイナンスになると考え方の変化に最初は戸惑いました。特に、投資判断に必要な「NPV」や「IRR」、「ROIC」といった専門用語の意味合いを理解するのに時間が掛かりました。でも、BBT大学院の学びのよいところは、同じ講義を何回も聴き直すことができることです。それでも分からないところは、クラスメートとの議論を通じて、確かめたり、理解を深めることで克服することができました。
講義は繰り返し視聴ができるので、苦手だった会計、ファイナンス系の科目については、わからない箇所を中心に何度も講義を聞き直しました。
また、これらの科目については、講義資料はプリントアウトし、講義中にメモを取りながら、教授の発言を一言一句逃さないように聞くことで理解するように取り組みました。
業界・業種・年齢・役職を越えた同志と、同じ時間をディスカッションで共有することができます。自らの知見・経験がメンバーの役に立ち、他のメンバーのそれが私の役に立つ「Give&Take」によって楽しく学ぶ環境があります。何の心配もありませんでした。
自分の業務では、ほとんど関係しない「会計」の理解に苦労しました。特に、簿記の記載については一度も学習したことがなく、概念を理解することに苦労しました。しかし、日商簿記3級の参考書を使用することで、一連の作業について理解することができました。
大前学長の科目の中に「輪読会」というものがあり、教材として大前学長著書の『企業参謀』や『新・資本論』、『マッキンゼー 現代の経営戦略』などを読み込んでから一定の課題に基づいて議論をしていく内容です。これは1年次は他の科目で手一杯のため、いつも締め切り間際に発言する悪い循環で取り組んでいました。しかし2年次は一念発起して早めに読み込んで議論に参加し、クラスメートからの指摘や別の角度からの発言に大いに刺激を受け、さらに読み込むと新たな気づきがありました。この繰り返しによって自分の中での読書観が変わりました。今までこういった本の読み方をしたことがなく、『新・資本論』に至ってはあの分厚い本を2001年発売当時に自分でも買って読み通しましたが、この輪読会で初めて理解できたことや気づきが多かったです。
授業や参考書を何度も学習し、曖昧な部分はディスカッションを通じて理解を深めました。
中には実務で使っている方も居た為、その方の解説が自分にしっくりきたりする事もありました。
また、同じ部分で躓いている人も居た為、励みになり、克服する事が出来ました。