スマホがあればどこでもネットに繋ぐことができる現代、情報収集はぐっと簡単になりました。例えばちょっとした電車の移動時間など、場所や時間などに囚われずにリサーチできますよね。多くのニュースアプリやソーシャルネットワークなどが、大量の情報をスマホの画面に表示してくれます。しかし、ただ単に目の前を流れている情報をそのまま斜め読みしたり聞き流したりするだけでは、自分自身の「知識(ナレッジ)」としては蓄積されません。膨大な情報の中から、いかに自分に役立つものを見つけ出し、自分の財産として育てるかは、変化の激しい時代においてますます重要なスキルになると考えています。
いわずもがな、情報収集はむやみに行っても意味はありません。情報収集とは自分自身の「ナレッジ」の素材を蓄えることが目的であり、収集自体が目的ではないからです。従って前提として、「自分自身のアンテナ」の感度を高めておく必要があります。この感度は「問題意識」とも言えるでしょう。これは現状の業務に対する課題感はもちろん、社会や経済に対する問題意識も含まれます。
・業務上の課題と考えていること
・社会の課題だと考えていること
・自分自身が関心を持っていること
例えばこれらの観点を常に意識することが大切だと思います。
私の場合は業務上の課題として、自社が独自に保有する「成膜技術」をどのように活用するか?というテーマを持っていました。この成膜技術とは、物体の表面に特殊な薄い膜をコーティングする技術です。元々は発電事業に使っていましたが、事業構造の変化によって現在は縮小傾向となっています。とはいえ設備や人員のリソースを抱えていたので、他用途としての開発が必要でした。当然発電関係での用途も検討していましたが、そこにとらわれない新しい領域へ挑戦できないか、と試行錯誤していたのです。
また業務上のテーマとは別に、日常的なテーマも常に持つようにしています。例えば「スマホ普及に伴う変化」などです。
・スマホの普及によって、どのような経済の変化が起こるのか?
・スマホの普及によって、人の体にはどのような変化が起こるのか?
・スマホの普及によって、社会はどのように変化するのか?
このような日常的な「問い」を持つことで、ネットを見ている時だけでなく街を歩いていても様々な発見をすることができます。つまり「観察」という情報収集手段です。
・通勤電車の中を観察すると、自分を含め殆どの人がスマホを利用している
・各電鉄会社は「ホームでの歩きスマホ」に対して注意広告を出している
・「若年層の老眼増加」というニュースが飛び込んでくる
こんな風に何気なく眺めている日常の様々なカットが貴重な情報源となります。他にも様々なテーマの持ち方があります。テーマを意識すると情報への感度は高くなるでしょう。