私は20代で大都市圏にて就職し仕事をしていましたが、自身のルーツである西日本から離れていることに不安を感じUターンしました(実際はJターン)。地方で働くことにようやく慣れ、自身がやりたいことは一通りやったから落ち着こうと考え始めたとき、ふと25歳~65歳の社会人人生において、40代前半の自分はまだ折り返し地点にすら到達していないことに気づき衝撃を受けました。
もう一花咲かせたいけれども、しかし自身が何をやりたいのか、何ができるのかがよくわかりません。周囲のシニアエンジニアが定年退職していく姿を見てもパッとせず、従来のエンジニアの延長にワクワク感は感じられませんでした。そういう中でエンジニアという枠から外に踏み出し、より大きく、より広く、より社会に貢献できる人材になりたいと思い、自身のスキルアップの手段としてMBAコースの受講を決めました。
私が勤める企業は国内市場ではトップシェアを誇ります。しかし世界の市場での存在感は徐々に低下しています。国内でのシェアも海外の競合企業に浸食されている状況です。海外競合が超大規模な設備投資やM&Aで巨大化する中、私が定年の歳を迎えるまでに当社は存続できているのか考えるようになり、漠然とキャリアに不安を持つようになりました。たとえば転職したり起業したりして新たなキャリアを切り拓く選択肢もあるかと思いますが、幅広いビジネススキルや意思決定スキルに自信がないままそのような道を歩んだとしても、後ろめたさや後悔が付きまとってしまうのではないかとも感じていました。
知識は、書籍、ニュース、各種メディアなどを通じて独学することは出来ます。しかし、それらの知識を統合して結論と方向性を見出す実践的なトレーニングは独学では難しいと考え、そのトレーニングの場としてMBA取得を目指しました。
コロナ渦で、おそらくどの医療機関も前例のない事態に遭遇し、様々な事業上の決断を強いられたものと思います。私自身もそうでした。答えのない困難な状況下を突破するために事業/経営観点での問題解決スキルを高めたいと思うようになり、MBA取得の検討を始めました。
前職のベンチャーでは上場後に執行役員にまでなりましたが、何らかの学びをしていたわけではなく、常に自分の勘で「こうするべきだ」と考えて眼の前の一つ一つの課題解決に取り組んでおりました。そしてヘッドハンティングによって今の会社の社長になるにあたっても「経営とは?経営者とは?」について学ぶ機会はありませんでした。一度体系的にマネジメントを学ぶことで、自分なりの経営観を養いたい、そう考えるようになったのです。
R&Dでも事業性を強く意識した研究テーマや差別化KPIを求められるようになり、開発した技術でどのように価値提供できるかを考える機会が増えていました。そうした中で、技術を世に出すためには「事業」が重要だと考えるようになり、次第にビジネスモデルや事業環境分析、企業経営など新しい分野に興味関心を持ち始めました。結果、事業創生や顧客開拓の部門へのキャリア転換を図ると同時に、独学やOJTではなく体系的にビジネスを学びたいという意識が強くなりました。学びを通じた自身の市場価値の向上にもつながると考え、MBA取得の検討を始めました。
なぜMBAを取得しようと考えたか?と聞かれると、シンプルに「興味関心があったから」という一言に尽きます。上述したとおり、現在は個人事業主として独立しており、今後の事業の拡大等も全て自分で考え実行しなければならない立場にあります。そのため、今後必要となるであろう経営者としての知識やスキル全般を体系的に学びたいと考え、思い切って2021年の春に入学しました。
社労士は労働法の専門家ではありますが、企業経営は労務だけを軸として運営されるものではありません。また、人材=コストと考えられがちな風潮の中、社労士として経営者の方に人材投資の必要性を訴えても受け入れていただくことは困難です。経営者の心を動かすためには、経営者が何を考えているのか、どういう視点でものを見ているのか、それを知ることが必要だと痛感しました。
自分で会社を立ち上げたこともあり、現在も法人の経営に携わっていますが、経営や経営管理につながることを改めて独学ではなく、体系的に学び直し、実践につなげられることが必要だと考えました。また、社会福祉分野についても、福祉経営に対する説得力ある発言や発信をしたいと考えており、そのためにはまずは自分がその力をつけなければと思いました。その想いを恩師に相談したところ、社会福祉の学び直しより、経営管理から考えてみることの方が良いのでは、と助言をいただいたことが決め手になりました。
端的にはキャリアアップの為です。最も医療者に近い立場で、自社の製品を通じて患者さんのお役に立てたという、現場の事例を共有頂ける。このようなやりがいを感じながら仕事をしています。一方、私はさらに業界の中で貢献したいと考えるようになりました。そこで、最も目指したい姿を経営者と置きました。経営者となるには当然経営の知識が必要で、学生の頃から知っていたMBAがピンときました。
いつかは自分で起業し、世の中に貢献したいと考えていました。海外駐在なども経験させてもらい、経営に近いポジションで仕事をしてきたものの、本当に経営スキルが身に付いているのかと自問自答。自分で起業するにはスキル不足であると考えBBTに飛び込みました。