MBAに対して何となく憧れのようなものはずっと持っていましたし、社内でも会社のMBA留学制度を利用してMBAを取得している先輩後輩が近くにいたことも刺激になっていました。本気でMBAに挑戦しようと思ったのはインドネシアで某自動車メーカーの現法社長から経営哲学を学び、自分もその方のような世界で戦うことができる日本人経営者になりたい、と思ったことがきっかけです。その師は現在向研会でもご活躍で、次の目標は向研会に入会することです。
社会人の大半を営業部門で過ごした私が、いざ経営者という立場になった時に経営者としての知識や能力がない中で、今後の会社運営をどのようにしたら良いのか考えました。そこでやはり私自身が体系的な経営スキルを学び、経営者としての知識や能力を身につける必要があると感じ、MBA取得を目指しました。
私は1994年にコンピュータサイエンスの修士を取った後に当時まだほぼ無名だった日本オラクルに入社し、1996年からシリコンバレー本社でエンジニアをしてきました。しかし、40歳になったころ、自分が本当の意味で、この一度しかない人生について考えたことがないことに気が付きました。それまでは、たまたま与えられていた事に飛びついて夢中でやってきただけだったのです。考えるようになったきっかけは、たまたま自分へ新たな問い:①なんでもできるなら何をしたいか?②お金が無制限にあるなら何をしたいか?、をしたことによります。お金の消費や浪費はいくらでもできます。しかし、そのお金を活かしてこの世界をどのうように良くするのか、について考える力がないことに気がつき、独学で勉強を始めました。ところが、学べば学ぶほど自分が無知なことを思い知るばかりだったので、体系的に学んでみようとMBA取得を考えました。
私の場合は「MBAを取得したい」というよりも、様々な立場の人の異なる視点から見えてくる考えを得たいという思いが強かったと振り返ります。経営層が持つ意識や考え方、部門ごとの視点、自分が接点を持てなかった異業種の人たちの考え方など多岐に渡ります。私は様々な業種・経営層に向けた提案書の作成を行うことがミッションでしたが、ベンチャー企業へ入社するまでの間、会社全体で10数名の組織にしか属してきませんでした。ですので、大企業の組織編成などが全くわからず、各部門が抱える問題と言われても、その人の立場に沿ったイメージが湧き上がりにくかったのです。しかしこうした自身の課題は見えていましたので、あとはどのようにして身につけるかを考えました。その結果、社会人大学院で経営層やマネージャ層が考える思考方法を身につけるという道を選ぶことにしました。
自分の活動の事業化と、経営層への領域を広げていくことを、知人のコンサルタントに相談したところ、MBAの取得を勧められました。その時は、ビジネス知識もなく、MBAが何かも知らなかったのですが、問題解決の専門スキルが身につくということに心惹かれ、MBA取得を決意しました。
入学以前から、経営に関するスキルの習得に努めていましたが所詮は自己流でした。書籍での学習と資格試験にも挑戦しましたが、いまいち実践につながる体系的な学びにつながっていないようなモヤモヤとした思いがありました。そんなとき、会社の同期がMBAに挑戦しているということを聞きました。彼が日々成長している姿を見るにつけ自分が求めていた学びはMBAだったと気づき入学を考えるようになりました。
どこの企業も同様に、グローバル化の流れの中で競合他社との競争に生き残っていかなければならず、私もグローバル経営について学び、実践する為の基礎体力を身につけなければいけないと考えるようになりました。また、私は生涯現役で稼ぎ続けられる人間になりたいと願っていたものの、振り返って自分自身のスキルを考えると、現場経験以外に何も無いことを痛感しました。自己流では限界もあり、必要なスピード感を出せないと考え、経営の基礎から学び実践できる実力をつけたいと思い、MBA取得を決めました。
入社して以来10年近く、自分自身が持つ素直な考え方の元でがむしゃらに仕事に取り組んできました。しかし、そこには論理的な考え方というものはありませんでした。全てが感覚での意思決定を元に実践してきたからです。仕事上の問題点、課題設定、解決策も言ってしまえば、なんとなく決めてきたところがあります。今までの時代は、私が所属する製薬業界もある程度、自由度が高く、成功しやすい環境であったと考えます。しかし、近年、急速に業界の状況も厳しくなり、体系的に物事を捉える力がなければ、生き抜いていくことは難しいと考えました。そこで思い切って、2年間しっかり勉強しようと決意し、MBA取得を目指しました。
個人的な経験値を主にしたキャリア構築には限界があると感じていました。企業で戦力と自身が目され、雇用が一定の条件で維持されるのは、長くても現代では50代前半まで。しかし、その後のキャリア構築、方向性をいかにすべきかと考えたところ、明確な形で、いつまでに?期間は?何を?どうやって?などが自分の中にイメージできませんでした。
現代は会社員を続けても昇格、昇給が保証されません。私には何の国家資格もありませんが、仮に医師、公認会計士、税理士、弁護士であっても独立開業し、維持していくのが難しい時代です。そういう時代の自分自身の生き方を現実に即して考えた結果、受給可能な年金が仮にゼロでも世界のどこのだれを相手にしても80歳過ぎまで個人で稼ぐ力さえあれば、少なくとも自分と家族は生存可能と考えるに至りました。またそういう実力があれば、自社内でのプレゼンスを高める可能性が高いと感じました。
営業の仕事をするなかで、自分には不足しているスキルが多くあることに気付くようになりました。大学は経営学科を卒業しましたが、恥ずかしながら実務で使えるスキルはほとんど身に付けていませんでした。そこで学び直しを考えたのですが、キャリアアップも考えてMBAに挑戦することにしました。