個人事業主の経験はありましたが、私には正社員経験がありません。そのこと自体は、たいして気にしていなかったのですが、40歳を迎える頃に、正社員の方々が20代のうちに身に着けるようなビジネスの基礎がまるでなく苦労し始めました。また、職場の同じ職位の方々は10歳近く年下であったこともあり、自分が健康で働ける時間が周囲より少ないことにも気づきはじめ、収入を上げるスピードを他の人より速くしなければ、経済的にも精神的にも余裕を持った生活が送れなくなるという危機感が生じたのです。「何か自分に付加価値をつけなくては」と焦って資格取得などの情報収集を始めたところ、日本でもMBAを取得できることを知り、時代の変化にとても驚きました。そこで、「足りない経験は知識で補おう。ビジネスというものを徹底的に学んでみよう」と決意し入学しました。
私の場合は「MBAを取得したい」というよりも、様々な立場の人の異なる視点から見えてくる考えを得たいという思いが強かったと振り返ります。経営層が持つ意識や考え方、部門ごとの視点、自分が接点を持てなかった異業種の人たちの考え方など多岐に渡ります。私は様々な業種・経営層に向けた提案書の作成を行うことがミッションでしたが、ベンチャー企業へ入社するまでの間、会社全体で10数名の組織にしか属してきませんでした。ですので、大企業の組織編成などが全くわからず、各部門が抱える問題と言われても、その人の立場に沿ったイメージが湧き上がりにくかったのです。しかしこうした自身の課題は見えていましたので、あとはどのようにして身につけるかを考えました。その結果、社会人大学院で経営層やマネージャ層が考える思考方法を身につけるという道を選ぶことにしました。
入学以前から、経営に関するスキルの習得に努めていましたが所詮は自己流でした。書籍での学習と資格試験にも挑戦しましたが、いまいち実践につながる体系的な学びにつながっていないようなモヤモヤとした思いがありました。そんなとき、会社の同期がMBAに挑戦しているということを聞きました。彼が日々成長している姿を見るにつけ自分が求めていた学びはMBAだったと気づき入学を考えるようになりました。
どこの企業も同様に、グローバル化の流れの中で競合他社との競争に生き残っていかなければならず、私もグローバル経営について学び、実践する為の基礎体力を身につけなければいけないと考えるようになりました。また、私は生涯現役で稼ぎ続けられる人間になりたいと願っていたものの、振り返って自分自身のスキルを考えると、現場経験以外に何も無いことを痛感しました。自己流では限界もあり、必要なスピード感を出せないと考え、経営の基礎から学び実践できる実力をつけたいと思い、MBA取得を決めました。
前職では一部上場企業のIT統括執行役員を務めていました。経営課題を自分なりに整理して、ITも駆使し、解決していく提案を経営者に出しましたが、その時は力及ばずの状況でした。そこから、このままの自分では、企業や世の中の真の課題を解決することはできないと心の中で確信しました。経営者としての度量を一から身に着けなおし、再出発をする覚悟をして、起業することを視野にBBT大学院の門を叩きました。
社内外でグローバル化が進んでいる中、英語を使った業務(翻訳)に携わっているものの、グローバルとは程遠いスキルしか持っていないのではないか、という危機感を抱いたのが大きな理由です。また、売上や利益といった数字とも縁遠い部署でもあったので、将来マネジメントする際コミュニケーション力のみならず、数値、事実から自身の解を導き出す論理的思考力も身に付けておきたいと考えた点もMBA取得のきっかけとなりました。
個人的な経験値を主にしたキャリア構築には限界があると感じていました。企業で戦力と自身が目され、雇用が一定の条件で維持されるのは、長くても現代では50代前半まで。しかし、その後のキャリア構築、方向性をいかにすべきかと考えたところ、明確な形で、いつまでに?期間は?何を?どうやって?などが自分の中にイメージできませんでした。
現代は会社員を続けても昇格、昇給が保証されません。私には何の国家資格もありませんが、仮に医師、公認会計士、税理士、弁護士であっても独立開業し、維持していくのが難しい時代です。そういう時代の自分自身の生き方を現実に即して考えた結果、受給可能な年金が仮にゼロでも世界のどこのだれを相手にしても80歳過ぎまで個人で稼ぐ力さえあれば、少なくとも自分と家族は生存可能と考えるに至りました。またそういう実力があれば、自社内でのプレゼンスを高める可能性が高いと感じました。
当時、私は日系の中小企業からグローバル外資メーカーに転職したのですが、入社早々「あなたの意見はどうなのか?」ということが当たり前に問われる環境に身を置くことになりました。それまでは「何を言ったかではなく誰が言ったか」が重要で「言われた事を早く大量にこなす事」が仕事ができる事だと勘違いしていました。しかし、「私の意見」を持っている同僚とのレベルの差にこのままでは解雇されるのではと思うほどの危機感を感じ、グローバルで通用するビジネススキルを身につけなければ、身の危険に及ぶと模索していたところ、出会ったのがBBT大学院でした。
外部の方々と対話している時に、自分のピントがズレている事に気付いた事がきっかけとなりました。同じ環境で働き続けると、会話する人も同じ人が多くなり、どうしても自分の専門分野を中心に視野が狭くなりがちで、このままでいいのかな?と自問自答するようになりました。それから、時代の流れのスピードは速く、社会との接点をより多く持つ事の大切さも感じるようになりました。そこで、自身の市場価値を高めるにはどうすべきかを改めて考えるようになり、当時は44歳でしたので最初で最後のチャンスと思いMBAへのチャレンジを決意しました。
転職した同期や他業種の先輩と話をしていると、現在の自分に危機感とも言える焦りを感じ始めました。周囲の人たちは目標が定まりキャリアプランを描いているのに対し、一方の私自身は将来を全くイメージできていないということに気づかされたのです。この体験により自身のこれからを考えるようになり、MBAを検討し始めるに至りました。