リカレント教育が定着していない日本において、同僚でもあり親族でもある経営者から「なぜ今大学院で学んでいるのか?」と思われる事は少なからずありました。仕事には極力影響が出ないように選んだ学校ではありましたが、スクーリングが飲食業で一番忙しい週末に開催される事が多い為、非常に休みがとりにくい状況があり苦労しました。
BBTで一番やるべきことで、一番苦労したのが、ディスカッションに積極的に参加し、より多く発言することでした。会議で実際集まってディスカッションするのと違って、AirCampusではテキストベースでディスカッションが行われます。時間的自由度が高い一方、しっかり考えた発言が求められます。しかし、私にはそれを数多くこなす時間がなかなか取れなかったので苦労しました。
英語必修科目が複数集中した時は、非常に目が回る思いでした。また、提出課題も時期が重複し、一つの課題に十分な労力をかけることができず苦労しました。今となっては、理解・習得が中途半端になってしまった科目もあり、その点は悔やまれます。
最も苦労したことは、時間の捻出です。学びのためには、それ相応の時間が必要となるため、1日勉強しないと、その後が非常に苦しくなりました。そのため、毎日、仕事を効率よく取り組むよう心がけ、時間を捻出しました。更に、家族の理解を得て、子供達との時間と勉強の時間をバランスさせるよう努めました。BBTからは「健康が重要」と言われましたが、それでも最終的には、日々の寝る時間を削り、時間捻出をしました。
一時期、多くの科目を履修し過ぎた事がありました。そのため、課題の締切やディスカッションのタイミングが多数重なり、頭の切り替えに苦労しました。魅力的な科目が多いため、思いつくままに履修すると苦労すると思います。そして、サイバーであるがゆえに一度モチベーションが低下すると再度上げるのに苦労しました。ディスカッションから離れてしまうと、クラスメートの発言の未読が溜まっていくため、途中からの復帰はなかなか大変でした。そんな時は、モチベーションを上げるため、同期とリアルで会いました。
一番苦労したのは『卒業研究』です。新規事業立案をつくることを選択しましたが、テーマ自体を何にするかということだけではなく、事業プラン全体を具体的に描く必要があります。正解のないテーマに対し、インタビューやアンケートを通じて自分で考え解を出しましたが、その解に対し担当教授から様々な角度から指導をしてもらえます。その指導内容が非常に鋭く、その指導内容に対する解を考え、具体的なビジネスプランとして完成させることが非常に難しく、苦労しました。しかし、自分に何が足りないのかを認識することができたので、実りも非常に大きかったです。
サイバー学習ならではの難しさが2つありました。タイミングを逃すと議論に充分参画しきれない点とモチベーション継続です。私自身の1年目は、社内異動も重なったことで新たなタイムマネジメントも発生し、物理的・精神的な余裕をほとんど持てませんでした。よりハードな2年次を乗り切るために、クラスの集まりやFacebookに参加するなどの新しい機会を意識して増やしてみました。そのおかげで、講義だけでは気づけない、クラスメイトのものすごい頑張りや人柄にも触れることができ、孤独な作業感が緩和されるとともに、自分も追いつきたいと気持ちを新たに持つことができたので有難かったです。
仕事で疲れていると変な発言をしてしまう傾向が最初の頃はありました。そのため、夜に下書きを書き、朝に見直しをして投稿する、という流れを作りました。ただ、それでも受講者数が多い必修科目は、発言数が多く、夜のうちに投稿しなければ議論の参加タイミングを逸してしまう事もあるため、夜中に疲れた頭をフル回転しながら投稿したのが、一番苦労しました。
大企業に入社しこれまで自分自身で経営課題を洗い出し戦略案を結論づけることなど全くしてこなかった自分にとって、「あなたが経営者だったらこの会社をどうするか」といきなり言われても、はじめは正直「どうすればいいかわからない」というのが本音でした。しかしBBTの学びを進めていくにつれ、クラスメイトのイノベーティブな結論にも触発され、「もっとイノベーティブな結論を出さねば」と思うようになりました。右脳で考え抜いても左脳が冷静にブレーキをかけ結論を導き出せず、明けていく空を見上げて「もう、嫌だ」と悲嘆に暮れた日々もありましたが、そのおかげで自分自身で戦略案を描けるようになりました。
中国のインターネット環境は、海外とのやり取りを行う際は、速度が非常に遅くなるようになっています。また、ダウンロードのスピードも遅いので、寝ている間に講義をダウンロードしておいたりするなど、色々な工夫が必要でした。