知識という面では、科目も幅広く実務をよく知る教授陣の下、十分な知識が得られました。また、リーダーシップや気構えという内的な面においては、自ら経営の経験が豊富な教授陣との議論や、向上心の高い学生との日々の議論や交わりにより、飛躍的に強くなったと思います。そして、国内各地及び海外での人脈が得られたことも、自分の向上心の刺激やモチベーション維持に大きく役立っています。
実務派中心の教授陣は、理論と現場の一体化したMBAを学びたかった私にはぴったりでした。以前からの経営理論だけでなく、大前学長の未来を見通した話もあり、自分の考え方に多くの影響を与えたと思います。また場所も関係なく、学ぶ時間も自分でコントロールできるので、時間の有効活用といった点からも助かりました。
通学することでの生活リズムの変化は大きいものだと思います。私は社会人になってから東京の私立大学院に通い勉強をした経験がありますが、クラスが終了する21:00過ぎから自宅にそそくさと帰っても、23:00を回っていました。その当時は、はっきり言って寝る時間もなければ体力温存する時間もなく、次の日は明らかに疲れが残っている状況でした。BBT大学院での勉強の環境はそれとは違い、通学の為に時間を労する、体力を使う、という事がなかったので快適そのもので、極限まで時間を有効に利用出来ました。
通勤中や会社での休み時間、旅行先でも講義の受講やディスカッションに参加することができ、遠隔教育のメリットを多く享受することができました。また、サイバーディスカッションは対面でのリアルタイムなディスカッションと異なり、時間をかけて事実の調査や思考をすることができたので、とても深いディスカッションが行えたと思います。
3年目は比較的時間の余裕があったので、AirSearch(株式会社ビジネス・ブレークスルーが持つ4000時間を超えるCSビジネス・教育番組から、キーワードや講師名で検索でき、自由に視聴ができる仕組み)から非常に多くのCS番組を視聴しました。デザインやIoT、グローバル調達、組織人事、アントレプレナー、経営ノウハウなど幅広い内容が盛りだくさんで自由に検索・視聴できました。卒業後はこれらの番組を自由に視聴することが出来ないので、BBT大学院本科に3年間在籍して得した感がありました。
BBT大学院の課題は、日本の教育にあるように回答が1つという課題でなく、回答は個人のアイデア、発想、着眼点により複数あるというようなものでした。しかも、その回答は、ファクトベースで論理的でなくては評価されません。これは、日本の学校教育にないユニークなものです。某大学の入学試験で問題となりましたが、ネットで検索して回答が見つかるような問題は一切試験にはなく、あくまでも自分の頭で考えなくては回答はないというものです。
また、インターネット上の仮想教室(AirCampus)の中で日々の課題に対して同級生と議論を交わしますが、自分の発した意見に対して、どれだけ多くの同級生が興味を持ち、意見を交わしたか、というクラスへの貢献度という評価も非常にユニークでした。
特に以下の3つの点がとても充実しており、満足しています。
(1)充実した講師陣及び講義内容 講師やTeaching Assistant(TA)の方々は、実社会で活躍されている方ばかりで、講義内容も素晴らしいものでした。自分 の現状に当てはめて考えてみることで学びを実践に活かすことができました。
(2)サイバー・デイスカッション インターネット上でのクラスメートとの議論は刺激的なものでした。顔は見えなくても、その人の人となりや考えが十分理解することができます。論理的に考え、相手に理解してもらえるよう発言するためには良いトレーニングでした。
(3)知のネットワークの広がり 大学院内のみならず、BBT関係の方は日本中、そして海外にもたくさんいらっしゃいます。顔を見た ことがなくてもBBTの仲間ということで、インターネット上のみならず、現実社会でも仲間の輪が広がりました。今も香港でBBT関連の仲間が定期的に集まっています。
通学しなくても、最高の経営者から講義を拝聴できる、というのは何よりのメリットであり、私は大満足しています。また、そこに集まる学生の皆さんは、まじめに経営を学ぼうとしている方ばかりで、クラスメートからの刺激もあり、オンラインで受講していることを忘れるくらい活発な議論で、刺激をいっぱい頂きました。卒業式で初めてお会いした人はたくさんいたのですが、初めてとは思えないくらい、「共に頑張った感」を分かち合えることが出来て、最高の友達にも巡り合えることが出来ました。
BBT大学院は、2005年に設立されてから学生が学びやすいように試行錯誤され、学習システムなどがどんどん改善されているので、とても学びやすかったです。学生の声を受け止めて、これほど改善に積極的な大学院は他にはないと思います。最近、BBT大学のLA(Learning Adviser)をさせていただくことになって、ますます学びやすいシステムに変革していることに驚きました。
Air Campusでの議論は、集合知を高める事に非常に効果があったと思います。科目によっては、履修生が少ない場合もあり、議論が進まない事もありました。この事は、集合知を高めるためには、様々な視点を持ちよる事が大切である事を示していると思います。クラス分けをしなくては、いけない程に受講生が多い場合、他クラスの議論と自クラスの議論の進み方がまったく異なる事があり、参加者の違い、しいては、持ち寄った視点によって、集合知の熟成結果が変わっていくという事を身を持って体験出来たことは、貴重な体験となりました。
BBTの一人で学ばないという方針が受講生にとって、良い影響を与えてくれていると思います。