大学院生活を通して、毎週継続して行ったRTOCSが一番鍛えられたと思います。RTOCSは、問題発見・解決思考を基礎として、いろいろな会社や組織をファクトベースで考えていくものでした。その為にはまずは、対象となる会社や組織について、本質的な問題は何か、それを解決するためにはと考えていきます。その過程で今まで知らなかった世界に触れることもでき、一気に自分の視野が広がったと思います。また、テーマは毎週出題され、期間が区切られた中で集中してトレーニングを行うため、非常に自分が鍛えられました。そして、過去のケースを扱うケーススタディーではなかった為に、私としてはリアリティがあり興味が持続できたのではと思います。
どの科目も面白かったのですが、やはり2年間続いていたRTOCSでしょうか。
最後まで自分はまともなRTOCSができなかったという思いもあるのですが、
それでも知らない企業・業界について自分で調べて、方向性を考え、提案を出し、大前学長案を聞いて自分の作業・案と比較するという週次の作業はとても良いトレーニングになったと思います。
RTOCSでは、毎週、お題となった会社の社長になりきり、「自分ならこうやって会社を伸ばす」という結論を出します。これを2年間継続すると、当事者意識が強くなります。会社の仕事においても、自分の担当はもちろんですが、直接の担当では無くても、「自分がその担当者であったらどうするか」という意識になり、必要に応じてヘルプをするようになりました。
結論を出すには、業界の分析が必要で、収益構造、ビジネスモデルなどを把握します。民主党が大敗し、自民党に政権が戻った直後に、「あなたが民主党の党首であれば、再度政権を取るために何をするか?」というお題が出ました。正直参りましたが、調べることで、政治、経済にも興味を持つようになりました。
問題発見思考では、ファクトをベースに、フレームワーク、MECE、演繹法、帰納法、ピラミッドツリーなどを活用し、仕事の課題やRTOCSの結論を出す上での、基盤を学びました。
BBT大学院に対して、「知識の詰め込み教育」という感覚はほとんど持たなかったが、特に大前学長の科目についてはそれを強く感じました。これからの時代に必要な新しい「目の付け所」や「考え方」が提供されますので、それを自分なりにしっかりと考えることが大切だと思いました。
チームのリーダーとして決断をする事が増えてきました。その際、漏れや重複による情報のチェックはもちろん行いますが、講義のおかげで決断のガイドラインとして企業倫理を強く意識するようになれました。変化の激しい環境の中、新しい業務目標が設定され、その目標を短いタイムスケジュールで達成するPDCAを回すマネジメントが実施されています。同僚の中には、生真面目であるがゆえに目標達成を第一とし、企業倫理を第二にする意見を発言する者もいますが、学びのおかげで企業倫理こそが第一に優先すべき事だと自信を持って断言しリードできるようになりました。
組織とは何か?リーダーシップとは?を考えさせられた組織行動論が現在の仕事にも活きています。
フォロワーや環境に応じてリーダーシップのあり方や組織も一様ではないことを学び、特にクリエイティブな集団のリーダーシップとしてサーバントリーダーシップという手法にも触れ、非常に参考になりました。
また他にも、大前学長のイノベーション理論(フレームワークやケーススタディだけではない考え方を学んだ)、サイバー上でグループ課題を夜を徹して仕上げた問題解決論も忘れられません。
問題発見、問題解決という2つの講義を中心に、毎週ケーススタディを考えることが非常に自身の身になりました。特に、どこかを特定して情報を探しても答えがないので、考え出すしか方法がありません。集団知を活かして、解決策に近づける作業は、頭を使うということと、他人の知恵も借りながらまとめあげるということの2つの点で非常に有意義な訓練になりました。
自分になかった視点、思考を叩き込まれたインパクトの大きいものでした。そこから自身の世界観が変わり、物事を見る目が変化して行きました。
受講中はかなりの苦痛も伴いました(夢に講義映像が出てきたり、出された課題をこなしている夢を見たり(笑))。その反動は大きく自分の血となり肉となるような、充実した満足感、自信、知識量を得ることができました。以前は本を読むことが少なかった私ですが、蔵書量と読書量が共に増えてとても良い習慣が身に付きました。RTOCSにおいて現在の経営環境を考える。現在おかれた立場をどのように改善するかなどを問われ、BBTの他の科目が体系的に試されるもので常に実践を意識させられる取り組みでした。ほぼ毎週1回、1週間の世の中の動向を学長が解説する講義は、世界の動向を理解できる重要な講義でした。卒業した今でも欠かさず視聴を続けています。
問題発見思考では、今起きている現象の「本質的な問題」を発見する手法を学びます。
この手法は繰り返し学ばないと身に付きませんし、今でもまだまだ修行が必要ではありますが、実践でも非常に役立ちました。
また、その延長線上にある、とも言えるRTOCS(Real Time Online Case Study)では、実際の企業が直面している課題について自ら解決策を1週間で考え抜くことを行うのですが、問題発見思考と同様に、ファクトに基づいたロジックの組み立てが要求されます。
このトレーニングが一番辛かったですが、実際の仕事をファクトベースで進める為非常に役立っています。
一番、自身の中でタメになった科目は、2年間を通じて学習した問題発見思考、問題解決思考だと思います。テクニック本やOJT等で“やり方を学ぶ”人や経営手法等の本や専門家から“誰かの知識を学ぶ“といった方法論は、大多数の人が行っていると思います。私も受講以前は、そういった人に分類されたのかも知れませんが、その場合、部分最適になりがちであり、応用が利かず環境や時代の変化に対応できない可能性が高かったのではないかと思います。本講義を通じ、“考え方を学ぶ”事で、どんな場面でもその知識やスキルが応用できるようになったのではないかと考えています。
また、所属する企業では、組織人材マネジメント等、人材系に関するコンテンツは、ある程度揃っており、断片的な知識を持つ社員が多々おり、私もその一人でした。そういった組織人事に関する講義は、体系的に知識を整理する事に役立ちました。