最も影響を受けた講座の一つは「企業変革」です。自律性が欠如した組織に属する私にとって、組織を変革し成長させることは、入学に際し最も必要としたスキルの一つでした。担当の宇田教授は、郵政民営化における経営戦略や現場の改革で非常に重要な役割を担った方です。私は、そこで実践された内部統制の変革プログラムの策定・実行やリーダーシップという経営に携わる者にとって必要なリスクを把握し、対処する術を学びました。なお、本講座にはその奥深さを感じたことから、1年次に単位を取得したものの、3年次に敢えて再履修を申告し、議論に参加しています。学びの集大成である卒業研究では、強固な既得権益を有する業界の変革をテーマに取り組みましたが、担当の深尾、炭谷両教授から本質的問題から「逃げている」「真因ではない」と指摘される等未熟さを痛感させられました。しかし、この時受けた熱い指導は、今の仕事に活きています。
入学してすぐ受講したのが大前学長が担当している新資本論でした。輪読会で著書を初めて拝見した時、「見えない大陸」、「4つの空間(実体経済空間、ボーダレス空間、サイバー空間、マルチプル空間)」といったこれまで自身が全く知らなかった世界がそこにあり衝撃を受けたと共に、引き込まれる自分がいました。これまで自分が生きてきた世界がいかに小さかったのかと感じるとともに、誰もがチャンスを持っている広大な世界(空間)が大きく広がっており、その大陸をいち早く見つけ杭を打ち付けた者が制する事が出来るという事にワクワクしました。自分にもチャンスがあるんだと感じたとともに、BBTに入学して間違いなかったと確信しました。
年間、約50のケーススタディに取り組む事により、クラスメイトとの議論で学びを深め、自らの思考を発展させる事ができたと思います。また、大前学長の回答と自身の回答を比較することにより、自分の思考の中で不足している視点を客観的に見出す事ができたと思います。
複数の科目に共通して組み込まれるRTOCSは一番タメになりました。毎週毎週限られた時間の中ではあるものの必死に自分なりの結論を出そうと努力することで、「経営」に関する勘所のようなものが身についたことに加え、「振り返り」で自分の思考の弱点も冷静に見つめる機会が与えられたからです。
RTOCS(Real Time Online Case Study)です。2年間で100例程度のCase Study をやると、なんとなく思考の道筋が見えるようになってきますが、それが日常的に新聞やテレビのニュースで見かける現在進行形のCaseなのですから、これほど面白いことはないと思います。
多くの科目が実務的で活用度合いが高い(タメになっている)のですが、一番タメになっている科目は、私が好きな分野ということもありますが、イノベーションです。イノベーションの重要性や言葉は日常で良く聞くのですが、イノベーションに関する書籍は比較的に少なく学ぶ機会が余りない科目であると思います。その点、BBT大学院では、本には書いていない大前学長のイノベーションの発想法(パターン)が学べるので、これほど貴重で参考になる科目は他にはないと思います。
入学時から取り組みが始まる大前学長授業の中の「RTOCS」です。実在する企業の現在進行形の問題をテーマとし、自分がその企業の社長だったらどのように考え、解決策を導き出していくかを、受講生が1週間をかけて必要な情報を収集・共有し、FACTに基づく現状分析・検証の上で効果的な戦略を導き出していきます。本質的問題発見に至るロジックや、問題解決策における発想の拡散・収束を通じ、自分なりの解を出していく事が求められます。受講生やTAの方々と共に議論していく中で様々な思考方法や着眼点に触れ、自分に足りない視点など大きな気づきを得る事ができました。翌週に学長からの解説がありますが、幅広い知見・深い洞察力をもとに答えに行きつく思考プロセスには目から鱗の連続であり、自分の引き出しを増やす上で大変参考になりました。また、相手の立場に立って考える力も自然と身に付き、日常においても大変役立っています。
2年間継続して行った毎週のRTOCSです。
問題発見・解決プログラムにて、ファクトベースや本質は何かを考えることを学びました。
このスキルは、今後のビジネスライフにおいて基盤となるものと認識しています。
この学びを実践できるようにするトレーニングの場が毎週のRTOCSでした。
RTOCSは数年前の過去事例ではなく、今ある企業の今ある状況がケースとして取り上げられ、これの対策を考えるもので、毎回リアリティーがあり興味深く取り組めました。
思考方法ややり方を変えていくのは、トレーニングが必要だと思います。
毎週のRTOCSは良いトレーニングの場で、これに取組むなかで、少しずつですが学びを血肉にすることが出来たと思います。
すべての科目がタメになったと思いますが、問題発見思考、RTOCS、イノベーションの3点セットが、自らの骨身に沁みた科目になったと思っています。仕事だけでなく、私生活でも、考える力を養えたと感じています。どうしても人間は同じ枠の中に情報を入れて物事を捉えるか、経験則の中から結論、結果を求めますので、本質の追及にはなっていないことが多いです。私も同様でしたが、自分の考えにチェックを入れて、この結論を得るための情報に洩れ、被りはないかどうか検証するクセを得ることができました。
正解のないビジネスの世界で、自信を持って仕事をするためにも、3点セットが大きな基礎になっています。
大前学長の「経営戦略論」です。「答えの無い時代」に自分なりに情報を集め、分析し、論理的に伝えるという必要性を叩き込んで頂いた科目だったからです。 学長は常々「答えが存在する時代」から「答えの無い時代」に移り変わっているのに人々の思考も企業も答えを求めすぎようとしていると仰っていました。Real Time Online Case Study(RTOCS)という実在の企業の経営者になりすまし経営戦略を考える過程が劇的に脳に変革をもたらしました。「問題解決」の科目や「アカウンティング」なども重要ですが、RTOCSは全ての科目の総合能力が必要であり、全科目の集大成でもあるため、最もタメになりました。