きっかけは、中国・上海の現地法人で董事長総経理になったことでした。董事長総経理になるまでは、主に会計や人事といった管理系の業務が中心でした。トップとして、会社の将来を決める事業計画を策定してくれ、と本部から言われたのですが、その頃は経営戦略に関する知識はほとんどありませんでした。そこで、体系的に勉強しなければならないということを痛感し、MBAの取得を考えた次第です。
入社以来、理系の技術者としてやってきたのですが、ある時期に社内の労働組合執行委員長を務めていました。その際、会社の将来について経営陣と直接議論することで会社の将来に不安をおぼえたこと、「大前研一通信」を購読し経営について様々な気づきを得ていたことから、経営についての興味が強くなり、BBT大学院に学びました。
自分で新規事業を立ち上げようと思い、経営関係の書籍を読みましたが、ほとんど理系畑でしたので、マーケティングをはじめ、財務、経営戦略の本を読んでもはっきりわかりませんでした。また、経営の全体像も見えませんでした。そのため、MBAの取得を通して基礎から体系的に経営を学ぼうと考えるに至りました。
実は入学前、MBAという学位には関心がありませんでした。入学前からBBTプログラムに取り組んでおり、その延長線上にあったプログラムにたまたまMBAという学位がついていた、という感じです。ですので、MBAを取得するという意識はありませんでした。
これまで研究開発一本で過ごしてきましたが、学生時代から時事問題や経営にも興味を持っていました。就職してからは、将来的には会社の経営戦略に携わりたいとの考えを持つようになりました。そのためには、経営を基礎から学習して準備しておくことが必要だと感じ、MBAという選択肢を選ぶことにしました。
当時は個人事業主としてITを中心に仕事をしていましたが、顧客からの要望で経営や人事コンサルタントとして請け負う仕事が増えてきたときに、体系的に経営を学ぶ必要を感じました。その時に大学院での勉強を考え、その結果としてMBAの取得という選択をしました。
日本の大きな研究所の中で自分の分野の研究だけをしていればよかった研究員時代と違い、駐在員はいわば何でも屋。その国の人々や競合他社を調査するためには、自然科学だけでなく人文科学や社会科学、言葉や文化や歴史なども含めた幅広い見識が必要です。
同時に限られた時間とリソースで会社にとって有益な情報とするためには、会社を運営する経営視点が必要であることを痛感するようになりました。何冊も本を読み進むうちに、もっと包括的に「ビジネスの仕組み」を身につけたくなり、そのためにはMBAこそが最適ではないかと考え、思い切って学んでみようと決意しました。
もう一段上のスキルを身に付ける前に、今一度、自分のこれまでの経験や実務から学んだことを整理し直す必要性を感じました。どこかで頭の整理をロジカルにしてみたい、と。 また、同じ会社に長く勤めていると、自分の価値が世間一般でどれだけ通用するのかがわからなかったので他流試合もやってもいいのかな、と。
そこで、頭の整理をロジカルにでき、スキルアップを図りながら自分の付加価値を高めることができるということで、ビジネスに直結しているMBAを取得することを考えました。
入学当時は、サービス業でフランチャイズチェーンの加盟店を自営していました。経営についての知識を自学自習することに限界を感じていたのと、経営について体系的に学んで今後の仕事や人生に活かしたいという想いから、MBAを取得することを考えました。
営業前線のプレーヤー、営業所長を経験してきましたが、経営というものを体系的に学んだ機会がありませんでした。当時46歳ということを考えると、経営を体系的に学ぶ最初で最後のチャンスであろうと判断してMBA取得に挑戦を致しました。