何事も「言い訳」にしたところで、ない時間は作れません。シラバスが公開された段階で、すべての締め切りを確認し、スマホなどに覚えさせることまではやりました。が、そこから逆算して、いつまでに何をどれくらい進ませておけばいいのか、という進捗の予定を立てなかったのは仕事と家庭とのバランスをとる上では大きな失敗だったと反省しています。「1日を50時間にする魔法」はないのです。
家庭については、当時両親の介護の真っ最中でした。このタイミングで入学した自分に問題はありますが、子供の教育に大変理解のある両親だったので、まだコミュニケーションが取れるうちは「アンタはすごいね」と応援してくれて、大変励みになりました。介護は、育児と違って先が見えず、突発的なことが頻繁に発生します。両親は在学中に逝去しましたが、学校にはとても配慮していただき、感謝しています。
1年目の前半は環境の変化に馴染むことが出来ず、仕事と学び中心の生活となり、家族(プライベート)がおざなりになってしまいがちでした。そこで、半年が経過した頃にあらためて私自身のタイムマネジメントについて考えてみました。学びの環境にも慣れてきた時期でもありましたが、タイムマネジメントを見直したことで有効的に時間を活用することが出来るようになり、ストレスなく、仕事・家族(プライベート)・学びをバランスよくこなすことが出来るようになりました。
私はもともと理想のライフスタイルを求めた結果、シリコンバレー勤務という形にたどり着きました。成果を上げるための時間の使い方も決めていたので、学びの時間を捻出することはそれほど苦ではありませんでした。それでもBBTで学び始めた2014年の初年度は、仕事とBBTでの学びに加えて、娘たちが通うサンフランシスコ日本語補習校で教師(土曜日だけ)も勤めたので人生でももっとも睡眠時間が短い一年でした。いずれにしても、何一つやらされている感覚はなかったのでプライオリティをつけて毎日コツコツやり続けました。
私の場合は土日のほとんどを課題の時間に費やしたため、友人との交流などは若干少なくなってしまったかもしれません。しかしながら、大学院同期のクラスメイトから食事会が発起され、毎月オフラインでの交流が行われました。毎月違うメンバーが幹事を務めましたので、集合する場所も行き先もバラバラでしたが、その分行ったことのない地域へ出かける楽しみがありました。そして幹事によって個性も出ますのでクラスメイトの価値観を知るには良いきっかけになっていたと思います。またオフラインでの交流は、文字だけでは伝えづらい微妙なニュアンスを伝える場でもありました。そのため会うたびにクラスメイトの絆が強まりましたし、自らのモチベーション維持にもつながりました。ですので、結果としては大変いい結果につながっていったと思います。また修了が決まってからは卒業旅行と称してクラスメイトが赴任する海外の国に出かけ、現地での交流を行ったメンバーもいて、学生生活はとても充実感がありました。
BBT大学院に在籍した2年間、仕事、家族、学びをバランスさせようと考えたことはありません。その時その時でもっともやりたい!と思ったことに全力集中してきました。そのような事を繰り返しているうちにそれが生活スタイルの標準になるので、結局それが自分にとってベストバランスだったと言えるのかもしれません。そのような中でも睡眠時間だけはなんとか確保するようにしました(といいながも2~3時間睡眠という日は数多くありましたが・・・)。
在学中、仕事が忙しくなり2年で修了する予定だったところ、3年かかってしまいました。大学院の学習だけでも大変ですが、さらにその間、執筆活動も重なり、時間的にも精神的にもかなり大変な状況でバランスできたとは言い難いですが、3年間続けることができたことがとても自信になりました。
仕事、家族、勉強これらを三立させることは、周囲の理解なければ決してできないことだと思います。正直いうと私自身は、決してうまくできたとは思えません。家族には大変な協力を頂いて、学びの時間を確保していました。就業後は、「えいや」と仕事を終わりにして近所のカフェに籠もってAirCampus三昧でした。帰る時間には夕食も済んでおり、子どもたちの寝かしつけだけが妻へのせめてもの罪滅ぼしでした。
勉強時間を確保する為には、時間を効率的に使う必要があると思いました。また、家族の応援無しには勉強時間の確保も学びの継続も実現できるものではないと考え、最優先に家族の時間を確保し、それ以外をとにかく勉強時間に充てました。そして、毎週末の夕食準備を自ら進んでやる事で、勉強の合間の気晴らしにもなりました。仕事においては、出張も多かったのですが、逆に移動時間を有効活用することができますし、飛行機嫌いの私は機内で寝ることができないので、お隣の方には嫌な顔をされましたが、本当に講義に集中できました。
他の大学院のような通いの時間はセーブできたが、その分、学びの中での調査や発言投稿の時間に相当労力を費やしました。また、2年次の途中から起業するタイミングを受け入れざるをえなくなり、事業を起こしていくことと、授業の両立で相当大変な思いをしました。私の場合はこのように特殊であると思いますが、もし、普通の企業に勤めている状況であれば、もう少しプライベートとの両立はしやすかったと思います。
1年目の前半は要領も上手くつかめなかったこともあり、仕事以外の時間は自宅の部屋に閉じこもり、ひたすら学習をしていました。しかし、前期が終わる頃になって少し気分が落ち込んできたため、思い切ってパソコン片手に海外へ出かけることにしました。移動中の車や飛行機の中、家族が寝た後を中心に学習し、それ以外は家族と旅行を楽しむことにしました。また、週に2日は別荘で過ごし、1日1回は家の前の海でサーフィンを楽しむことにしました。その結果、前期に比べ後期の成績は良くなり、2年次はさらに良い成績をとることができました。大前学長が「遊びと学びを両立させる」「場所を変えて学習したほうが効率が良くなる」と良く言われていましたが、実際にやってみてたしかにその通りだと実感しました。