もともと起業を夢見てこの大学院を選んだわけではないですが、だからこそ違った視点で起業に対して向き合うことができたのではないかと思います。千本先生他、実際に起業された方々の熱い思いを直接聞くことができ、起業に対する思いや世界観が変わったと思います。未だに自身の起業への思いは立っておりませんが、自分の中にも起業の思いはないのか?と常に自問自答しながら、新しいビジネスの種を探そうとするようになったと思います。
RTOCS(Real Time Online Case Study)は講義では特定企業の成長戦略を描き出すことに用いられましたが、実務上はRTOCSの考え方、手法は自分の考えを説得力を持って議論、プレゼンするありとあらゆる際の必須スキルだと思います。幅広い視野からエビデンス、事実をつかみ取り、積み上げ、分析し、構造化し本質的課題と解決策を導き出し、結果を求めていくという一連の流れは、他教科でのディスカッション、卒業研究でも大いに役に立ちました。
RTOCSを継続的に行い、喰らいついていくことができれば、経営課題、事業課題の解決策を見つけて実現させるために求められる、すべてのツールを獲得したといっても過言ではないと思います。
問題解決(PSA:Problem Solving Approach) は、BBTの講義の中でも根幹の科目です。
事実を集めて、分類し、要はなんなのか。の意味を抽出していき、打ち手を考えていくわけですが、その中で、「事実を否定しない」「全体像を捕らえる」という基本的な最初のステップが出てきます。今までいかにこれをおろそかにしていたか(人の意見に流される・全体像だと思い込んでいた)、どれだけ遠回りしていたかを考えると、最短で、最適解をどう見つけるのかを考える癖が身につけられた問題解決(PSA)は学んで最も役立っている汎用的なスキルです。
特定の科目ではなく、2年間という限られた期間の中で複数の科目を同時に受講し、クラスメートとのディスカッションに参画し、更に学んだことを仕事の中でも活用する、そんなインプットとアウトプットを両立してきた過程が役に立っていると感じています。なぜならば、BBT大学院での学びの真価とは、知識の吸収ではなく、正解を知ることでもなく、自らの意志と判断で状況に合わせて最大限の実践をすることにあると考えるためです。
数ある科目の中で最も苦しみ、悩み、心身とも疲労したと同時に、終わってみれば最も意義があり、面白く、そして発想力が身につく科目が『イノベーション』です。大前研一学長の科目でもあります。この科目は、もはや学習というよりはスポーツジムで筋トレするのと同じ様なものです。従って克服方法というものはなく、ひたすら考え、脳みそに汗をかき続け、考えるしかありません。さらに単位を取って学習が終了ということはありません。修了後もトレーニングは一生かかって継続していくべきものだと思います。特にアントレプレナーとしてゼロイチの起業や経営者を目指すためには、『イノベーション』の発想法は必須です。しかもこれはBBT大学院以外では学べない科目であろうと確信します。
『起業論』です。この科目を受ける前は、前述の通りキャリアアップの為のMBA取得であり、転職を志していました。しかし、この科目で孫正義さんの講義を受けた際には、衝撃を受けました。自身の人生を振り返り、自分の選択肢は起業しかないと痛感しました。
『問題発見思考』は問題解決力を向上させるための考え方の基盤であり、すべての科目に応用できる知の体系だと思います。「RTOCS」では毎週業界の違う企業などが一つテーマとして選ばれ、当該企業の今ある課題を踏まえたケーススタディを学び、解決策を打ち出します。今まで考えたことのないような課題を問題解決の手順に従い実践できる点が良かったです。
仕事をしていると様々な問題が起こりますが、それらには答えがなく自分で考える必要があります。問題発見の授業ではそうした問題に対しての向き合い方と考え方を学びました。特にどういうフレームワークがあるのか、そしてそれらをどうやって使っていくのかを学ぶことで実務に生かしていくことができました。インタビューを通じて実際に現場の声を拾うことの重要性に気づかせていただきました。
企業再生の実例を学ぶことができた『企業再生論』が良かったです。講義では多くの実務家をゲストに迎えて、興味深い実例を聞くことができました。受講が終了した後も毎年スクーリングを開催して頂けるので、学びの継続もできています。
『マーケティング概論』は直ぐに実践できる内容だと感じました。業種は異なりますが、マーケティングプロセスやマーケティング・ミックス等のフレームワークは共通なので、直ぐに実践に取り入れる事ができました。もちろん、実務では個別のアレンジやチューニングで応用も必要になってきますが、学んだ基礎部分は共通言語になると実感しています。