これまではこのようなデジタル、AIの分野を学んだことは正直、全くありませんでした。まさに目から鱗で、このような分野があるのかと学びの不足に大変反省いたしました。ただ、自分自身が率先して使えるようになるレベルには正直、至っておりません。卒業後も継続学習に努めます。
どの科目も役立ちましたが、強いて言えば学長科目の「RTOCS (Real Time On Line Case Study)」です。これは実在の会社を題材に、1週間でその戦略を考えることを毎週繰り返すという実践の場なので、①入学後受講している各科目で学んだことがすぐ応用できる ②ディスカッションを通して他業界で働くクラスメートの知識や考え方に触れられる ③1週間という限られた時間で情報収集、アイデア出し、最善策の選択ということを繰り返す習慣付けができる ④自分のプレゼンスキルを試行錯誤できる、などのことから大変役立ちました。私は始めて1か月で、自分の考え方が日々整理されていくのを実感できました。
MBAプログラムの中にあった、『アカウンティング』『コーポレート・ファイナンス』『M&Aと経営』『新規事業採算性評価』という数字を扱う講義を通じて、会計の基礎から企業価値算定などを学ぶことができます。驚きだったのは、営業所勤務から経営企画へ異動したことでM&A実務に携わることになったのですが、いきなりの実践にも関わらず一人で企業価値算定から交渉までを手探りながら遂行できたことです。いかに実践的な学びであったかが証明されたのですが、裏を返すとBBT大学院での学びが無かったらと思うと背筋に冷たいものを感じました。
毎週、課題に取組む「RTOCS」。リアルタイムな企業の経営課題を、経営者の視点に立って分析し、本質的な解決策を導き出すといったもの。現在進行系の課題に対するワークであるため、本当の正解は分かりません。ただ、先の見えないものに対して解決策を導き出すというプロセスを繰り返し行ってきたことで、先見性を身につけることができたと思います。また、他の科目でインプットした知識を総動員してアウトプットしなければならないため、知識の定着および理解の深化を図ることができました。
入学前は、職業柄、財務数値を見るケースが多く企業の外部環境を把握するという視点に欠けていました。学長科目のRTOCS(Real Time Online Case Study)では、業界の動向についても意識する必要があったため、このあたりを注視するようになりました。実際在学中に、海外で生まれた新しいビジネスモデルがすぐに日本にも普及していくのを見てきました。海外での経済動向を見ていないと、自分自身の業種で大きく変化する流れに乗り遅れるという意識を持つようになりました。
2年次グローバリゼーション必修科目だった、Eric先生の『Step to Leading Globally』です。履修以前は、リーダーシップ=強い統率力という認識があり、自分にはリーダーシップ力はないのではないかと思い込んでいました。しかし講義を通じ、環境や状況に応じて求められるリーダーシップが常に変化すること、またリーダーは各チームメンバーによってもリーダーシップを使い分ける必要があることを学び、リーダーシップ力が単なる統率力のみでなく、戦略的に使い分けるものであるものを学ぶことができ、現在の職場でも後輩を指導する際活用できる、実践的な科目だと感じました。
もともと起業を夢見てこの大学院を選んだわけではないですが、だからこそ違った視点で起業に対して向き合うことができたのではないかと思います。千本先生他、実際に起業された方々の熱い思いを直接聞くことができ、起業に対する思いや世界観が変わったと思います。未だに自身の起業への思いは立っておりませんが、自分の中にも起業の思いはないのか?と常に自問自答しながら、新しいビジネスの種を探そうとするようになったと思います。
RTOCS(Real Time Online Case Study)は講義では特定企業の成長戦略を描き出すことに用いられましたが、実務上はRTOCSの考え方、手法は自分の考えを説得力を持って議論、プレゼンするありとあらゆる際の必須スキルだと思います。幅広い視野からエビデンス、事実をつかみ取り、積み上げ、分析し、構造化し本質的課題と解決策を導き出し、結果を求めていくという一連の流れは、他教科でのディスカッション、卒業研究でも大いに役に立ちました。
RTOCSを継続的に行い、喰らいついていくことができれば、経営課題、事業課題の解決策を見つけて実現させるために求められる、すべてのツールを獲得したといっても過言ではないと思います。
問題解決(PSA:Problem Solving Approach) は、BBTの講義の中でも根幹の科目です。
事実を集めて、分類し、要はなんなのか。の意味を抽出していき、打ち手を考えていくわけですが、その中で、「事実を否定しない」「全体像を捕らえる」という基本的な最初のステップが出てきます。今までいかにこれをおろそかにしていたか(人の意見に流される・全体像だと思い込んでいた)、どれだけ遠回りしていたかを考えると、最短で、最適解をどう見つけるのかを考える癖が身につけられた問題解決(PSA)は学んで最も役立っている汎用的なスキルです。
特定の科目ではなく、2年間という限られた期間の中で複数の科目を同時に受講し、クラスメートとのディスカッションに参画し、更に学んだことを仕事の中でも活用する、そんなインプットとアウトプットを両立してきた過程が役に立っていると感じています。なぜならば、BBT大学院での学びの真価とは、知識の吸収ではなく、正解を知ることでもなく、自らの意志と判断で状況に合わせて最大限の実践をすることにあると考えるためです。