医師は、診療所や病院での勤務が多く、その専門科では長であることが多く、看護師も含め少人数で運営することが多いと思います。私は大学にいますが、組織といっても医局中心ですので、関連病院の医師を入れても、数十人というところでしょうか。大企業のような大きな組織に所属したことがないため、組織に関連する教科は、ものの考え方等全て新しく感じました。学ぶのは面白かったのですが、最終試験では、組織の中にいる立場での対応の仕方等を記載する必要があり、実際に大きな組織にいない自分にはなかなか難しいと感じました。
アカウンティングやファイナンスに関する科目に全く知識がなかったため、時間をかけて勉強する必要がありました。マーケティングやディスカッションを中心とする科目は、平日の隙間時間や移動の時間を有効に活用しながら、苦手な科目は土日に集中して落ち着いて時間を割くことで克服しました。
『イノベーション』の科目が苦手でした。自分はイノベーティブな考えを得意とするタイプだと思っていたのですが、成功事例を基に、どのような発想法で成功したか、成功要因を考え深堀りすること、そしてそこから独自のアイデアを発案するという訓練は正直難しかったです。発想法がしっくりこなくて、悩んで負のスパイラルにはまってしまうこともありましたが、なんとか乗り切りました。
自社IRに目を通す機会を日常的に増やして抵抗感を払拭していきました。また、不明点は同級生に質問して理解を深めるなどの解決行動を積極的にとっていました。
もともと左脳タイプであり、数字や論理が好きな私にとって、『イノベーション』の授業はとても苦手な科目の1つでした。発想力を高めるにあたり、様々な思考法を学びましたが、どれも自分一人では上手くいかなかったと感じます。クラスメイトの発言や考え方を徹底的に学ぶことで克服できました。クラスメイトには、様々な業種、様々な役職の方がいて、自身の足りない点は仲間から学び、自身がある程度得意な内容に対しては、少しでも貢献しようとする良い環境があった事が支えになっていました。
学長科目の一つである『イノベーション』は、完全左脳型の私にとって非常に苦しい科目でした。次々に出される右脳を活性化させる課題に対して、なかなか発想が出てこず、幾度となく投げ出しそうになりました。しかし、頭がすっきりしている朝に取り組んだり、「全てのモノは、何らかのイノベーションによってできている」と自分に言い聞かせ、身の回りのものをよく観察するようにした結果、徐々にですが習慣化し、何とか克服できました。この科目を通し発想法や、物事の視点や着眼点を学んだことで、「ふっと」解決策や新しい考えが浮かぶことが増え、それを左脳で冷静に検証するという思考パターンが多くなり、自らの思考の幅が広がったように感じます。
アントレプレナーシップという考え方や心得は、起業せずとも非常に大切なものであると受講中に感じ、なんとかついていきましたが、起業脳にはなりきれませんでした。アントレプレナーシップがリーダーシップともかなり重なる考え方であると感じられるようになった時、自分には今はない知識であると考え、必死に学びました。
『新資本論』から始まり、経営について統合的に学びトレーニングする学長科目は、非常にキツかったです。とにかくRTOCSは毎週課題レポートがあり、その上に今起こっている経済、政治、国際ニュースについてのディスカッション、輪読会の課題と、量が多くかつ当然質も求められます。1年目の前期は学習ペースがつかめず、家族との時間にも影響が出て「やっていけるんだろうか?」と真っ暗な気持ちで勉強していました。最後までキツかったので克服したとは言い難いですが、自分のペースとスタイルを掴んでからは不安に思うことなく取り組めました。この課題がスラスラ苦もなく進められるのであれば、私はここにはいなくてもいいわけだし、とも半ば開き直って学習を進めました。
金系が苦手というクラスメートもいましたが、私は日商簿記3級を持っていたこともあり、アカウンティングは面白く理解を深めることができました。しかし、ファイナンスになると考え方の変化に最初は戸惑いました。特に、投資判断に必要な「NPV」や「IRR」、「ROIC」といった専門用語の意味合いを理解するのに時間が掛かりました。でも、BBT大学院の学びのよいところは、同じ講義を何回も聴き直すことができることです。それでも分からないところは、クラスメートとの議論を通じて、確かめたり、理解を深めることで克服することができました。
1年次の最初のRTOCS(Real Time Online Case Study)で出鼻をくじかれました。RTOCSは大前学長の模範解答を目指すものではなく、自ら解答を考えるものだといわれています。しかし私は「大前学長ならどう考えるか。」と思考を巡らすようにすると、アイデアが浮かぶようになりました。学長の解答に近づけようとするのではなく、学長なら何を調べどのように判断するか、と想像を巡らすことがRTOCSのコツだと思います。それは毎週学長の講義を聞いているBBT生でないとできない学び方だと思います。