アントレプレナーシップという考え方や心得は、起業せずとも非常に大切なものであると受講中に感じ、なんとかついていきましたが、起業脳にはなりきれませんでした。アントレプレナーシップがリーダーシップともかなり重なる考え方であると感じられるようになった時、自分には今はない知識であると考え、必死に学びました。
『新資本論』から始まり、経営について統合的に学びトレーニングする学長科目は、非常にキツかったです。とにかくRTOCSは毎週課題レポートがあり、その上に今起こっている経済、政治、国際ニュースについてのディスカッション、輪読会の課題と、量が多くかつ当然質も求められます。1年目の前期は学習ペースがつかめず、家族との時間にも影響が出て「やっていけるんだろうか?」と真っ暗な気持ちで勉強していました。最後までキツかったので克服したとは言い難いですが、自分のペースとスタイルを掴んでからは不安に思うことなく取り組めました。この課題がスラスラ苦もなく進められるのであれば、私はここにはいなくてもいいわけだし、とも半ば開き直って学習を進めました。
金系が苦手というクラスメートもいましたが、私は日商簿記3級を持っていたこともあり、アカウンティングは面白く理解を深めることができました。しかし、ファイナンスになると考え方の変化に最初は戸惑いました。特に、投資判断に必要な「NPV」や「IRR」、「ROIC」といった専門用語の意味合いを理解するのに時間が掛かりました。でも、BBT大学院の学びのよいところは、同じ講義を何回も聴き直すことができることです。それでも分からないところは、クラスメートとの議論を通じて、確かめたり、理解を深めることで克服することができました。
1年次の最初のRTOCS(Real Time Online Case Study)で出鼻をくじかれました。RTOCSは大前学長の模範解答を目指すものではなく、自ら解答を考えるものだといわれています。しかし私は「大前学長ならどう考えるか。」と思考を巡らすようにすると、アイデアが浮かぶようになりました。学長の解答に近づけようとするのではなく、学長なら何を調べどのように判断するか、と想像を巡らすことがRTOCSのコツだと思います。それは毎週学長の講義を聞いているBBT生でないとできない学び方だと思います。
『アカウンティング』、『コーポレート・ファイナンス』については、業務で関わったことがなく、未知の領域でした。心掛けていたことは、基本や考え方を着実に理解できるようにすることと、実務や実生活上で活かせることがないか考え、取り組むことでした。将来価値と現在価値の考えは、住宅ローンや株式投資など、身近な問題に応用することができます。また、国債の金利をベースに、将来価値を考える方法を学びましたが、現状の日本では超低金利で、現金を持つことによるメリットが大きくはないなどの、資産運用に結びつけて理解を深めるように努力しました。
自分の業務では、ほとんど関係しない「会計」の理解に苦労しました。特に、簿記の記載については一度も学習したことがなく、概念を理解することに苦労しました。しかし、日商簿記3級の参考書を使用することで、一連の作業について理解することができました。
元々文系でしたが、大学受験では数学も選択していたこともあり、数字には強いという自負はありました。また企業では、経営企画のほか、販売促進チーム、経理、人事に所属しており、基礎的な職場経験があったことから、特に苦手と感じる科目はありませんでした。苦手と感じるとメンタルブロックがかかってしまいますが、BBT大学院での学びはどれもビジネスですぐに活用できるもので溢れており、「案ずるより産むが易し」ではありませんが、前向きに学ぶことが出来れば苦手意識は無くなるのではないかと考えています。また、全ての科目に大きなメッセージが含まれており、それを意識して学ぶことで必ず新しい気付きがありました。
長年所属してきた技術部門では、年齢性別国籍役職問わず、最も優れた解決策を見出した人の発言が重要視されていました。
その為、組織について意識することなく自由に活動してきており、組織や人材マネジメントに関する講義は実感が伴わないものでした。
しかし、企画部門への異動後に組織論や人材マネジメントに関する学びを実践するとものごとが円滑に進むことを経験し、乗り切ることができました。
『アカウンティング』や『コーポレート・ファイナンス』の講義では、専門的な会計や財務の知識習得が求められます。苦手な分野であっても、経営者として、講義を視聴し課題を一つ一つ自分の手を動かし反芻する事で、自分の血肉となっていきました。
業界・業種・年齢・役職を越えた同志と、同じ時間をディスカッションで共有することができます。自らの知見・経験がメンバーの役に立ち、他のメンバーのそれが私の役に立つ「Give&Take」によって楽しく学ぶ環境があります。何の心配もありませんでした。