アカウンティング、ファイナンスの授業は苦労しました。これまで全く学んだことがないような分野だったからです。しかし、何故これらの内容を学ぶ必要があるのかを授業でも解説頂けるので、講義の目的を理解してからは、学ぶことがとても楽しくなりました。自分のキャリアにおいて、これからこのようなスキルが必要となってくる機会はいつ来るかわかりません。その意味で、万全の準備が出来たと考えます。
苦手科目は特にありませんでした。正直な所、選択科目を選ぶ時に単位取得が大変そうなものは外したことが理由の一つかもしれません。講義は自分が選択したもの以外にも、本当は受けてみたい面白そうなものがありましたが、時間の関係で優先順位を付けた結果、諦めたものも少なからずありました。
大前学長科目にある2年間で100本ノックと言われるRTOCS(Real Time Online Case Study)。1週間という制限時間の中、他講義にも追われる中で答えのない問題に取り組むことは非常に苦しみました。知らない業界・会社の成長戦略を練るにあたって、やみくもに手を付けていては時間ばかりが掛かってしまうことから、ロジックツリーによる結論への最短ルートの当たり付けが必要となりますが、それができるようになるのに1年以上を要しました。1年目は非効率でも丁寧に事実を集め、フレームワークで状況を整理することを繰り返し、誰にも負けない努力をしたと思っています。それをひたすら繰り返し、脳に汗をかいたことで次第にロジックツリーが組めるようになりました。具体的には当初は20時間/週というRTOCSへの時間配分が2時間以下/週と激減しました。
今までいかに論理的に物事を考えてこなかったかを痛感させられました。論理思考力は『問題発見思考』だけでなく、「RTOCS(Real Time Online Case Study)」や『卒業研究』、クラスメートとのディスカッションなど在学中、いたる場面で求められる能力です。もはや習うより慣れろ。脳に汗をかきながら考え続けたことで、自ずと論理的に考えられるようになってきました。
監査法人や会計事務所での勤務のため、新商品・新サービスの開発や新規事業の立ち上げ等の業務に携わったことがありませんでした。まったくそのようなことを考えたことがなかったため、思考が停止しました。身近で困ったこと等の原体験を思い出して、アイデアを出していき、何とか克服していきました。
学長科目で毎週課題の提出があったRTOCS(Real Time Online Case Study)です。入学初年度はクラスメートの発言内容すら理解不能という、大変お粗末な状況でした(笑)。1年次は課題以外にも調べることが多く、ディスカッションに貢献どころか自身の結論を出すまでにかなり時間を要しました。しかし、ディスカッションを交わすクラスメートと次第に互いの結論を定期的にフィードバックし合うようになり、それが自分の論点の流れを見直す大変良い機会となりました。同時に、それまで及び腰だったディスカッションにも積極的に参加するようになり、次第に毎週何とかして限られた時間の中で結論を出すことができるようになりました。
正直今だに苦手な科目です。大前学長は常々現代の経営資源は「人、ひと、ヒト」と仰っておりますが、会社管理で人ほど難しいものはないと考えています。人の心は管理したくてできるものではないと思っているからです。組織論では過去の経験をベースにエッセンスを学ぶことができますので、一筋縄ではいかないものと考えますが学びをベースに体当たりで実践あるのみと考えております。また大学院での機会がなければ真面目に勉強してみようとも思ってもみませんでした。
せっかく学ぶ機会を得たので、職種、実務経験のない分野の科目も臆せず取りました。そこで得た知見を、断片的、多少無理があっても実務に使うこと、更に他教科の履修の際にも援用しました。講義期間中は講義と議論に乗り遅れず、とにかく喰らいつくのが大事だと思いました。講義を受講し、理論武装して、質疑応答して・・・・を地道に繰り返すしか手段はないと思います。専門家視点でピント外れであっても、へこたれず、喰らいつき、参考図書、記事にも接することで講義の中間地点あたりからは、随分と精神的に楽になりました。実務家としてその科目の知見をいかに活用するかという視点で見れるようになってくればかなり良いのではないかと思います。
これで克服できたか否かはわからないところも多いのですが、修了後の学び直し、実務での活用、知識の更新を自力でできるようになれば長期的には克服できたといえるのではないでしょうか。
アカウンティングは目には直接見えない「企業の健康状態=経営状態」を数値という指標で照らし出すことができる強力なツールです。今振り返ると、この概念を知らずに、よく社会人ができていたと赤面するばかりですが、入学時ほとんど馴染みのない教科で先入観もあり苦手意識のまま最初の授業が始まりました。
しかしながら、暗記ではなく理解することに主眼を置いた講義は一つひとつの概念と、意味合いを非常にわかりやすく受講できたことで苦手意識を徐々に薄くしていきました。また、理解不足の穴はクラスメートとのディスカッションで埋めていくという作業が続くと、いつの間にかこんなに面白い科目はないというほど没頭するに至りました。また、RTOCS(Real Time Online Case Study)など、毎週出題される課題に今日学んだアカウンティングの知識を活用していくと、知識を使える喜びがより学びを加速させていったと思います。
一年次、ほぼ1年間を履修に費やした科目の成績が悪かったことには大いに落ち込みました。その成績には到底納得いかないものがあり、大学院に対して成績の再審議を依頼したことを覚えています。今にして振り返ると、成績というのは所詮は外部評価にすぎないのですが、そのような外部評価に囚われていた時期があったのだと思います。二年次では、成績を全く気にすることなく、自分が納得することを学び体験することに注力し、それが結果として大変良い結果になったと認識しています。内部評価に基づいて自ら選択して自ら学ぶことに繋がり、実りある納得性の高い学習期間が実現できたと満足しています。