2015年3月にMBAの学位を頂き、私的にはようやくスタートラインに立てたというのが本音です。確かに学んだこと、学んだ場面に遭遇することは既に沢山あり、その都度引き出しを開け、必要に応じた知識を取り出し、実践で活かせるようにはなっています。
しかしながら、これではまだ本物ではありません。 なぜなら、あくまでも意識しながら、再確認しながらの知識を引っ張り出していることが多く、“身についた”とは言い難いものですので、瞬時に無意識にアイデア、発想、解決策が出せるようになるまで学びのレベルを上げていきたいと考えています。
私の場合、学んだことを存分に活かしたかったこともあり、卒業と同時に経営層直下の新規事業開発部門へ異動しました。
異動してまだ2ヶ月ですが、BBT大学院で学んだ考え方、知識、スキルにかなり助けられています。具体的には、こんな感じで活きています。
・「大前研一ライブ」や「大前研一アワー」で学んだ内容を元に、新規事業を提案。グローバルビジネスを取り巻く環境や、最新のビジネストレンドを踏まえて作成したため、説得力の高い提案が可能に。
・「M&Aと経営」を学んだおかげで、M&Aチームにアサインされても問題なく業務を推進。不足している知識はあるが、基礎知識があるため、アップデートするレベルで済んでいる。
・BBT大学院で学んだ内容をとりまとめ、社員向けのビジネス・セミナーを開催。「内容が役に立つ」「これは全社員が聞くべき」といったクチコミで評判になり、最終的に約1,000人の集客を実現。
職場は学びの実践の宝庫です。問題発見で学んだ「本質的課題の抽出」は様々な場面で実践できます。課題の「裏返しの取り組み」対応だけでなく、事業の成長機会の発見のための「ターゲットセグメントの見極め」「BC強化」「事業ドメインの拡大」の視点は学ばずしては生涯気づかなかったと思える技術です。問題発見・解決の講義で学んだおかげで、アンケート調査なども躊躇なくするようになり、ファクト集め、分析、課題抽出、それらの技術をRTOCS(Real Time Online Case Study)で毎週必死に駆使することで、すでに仕事における「習慣」になっていることに気づきます。課題抽出のあとの解決のための戦略オプションを検討することにおいては、100以上のRTOCSの事例、ビジネス全般を網羅する講義、『イノベーション』で学んだアイデア出しをし、論理的に優先順位をつけ検討することが当たり前にできるようになりました。
BBT大学院において重要視している「論理的思考」は、学んだ翌日の実務においてすぐに実践することができます。ほかにも実践的な科目がほとんどなので、日々の業務に自然とリンクされることが多く、在学中においても業績や成果に好影響を及ぼしました。それが学ぶ上でのモチベーションにつながり、苦しい中でも学習時間を確保することができました。
正直、現段階で学んだことがどのように活用されているのかはわかりません。ただ、少なくともMBAホルダーになったということは自覚して、優越感に浸ることはなく、変な劣等感も抱くことはなくなったように感じます。今後は、復習も兼ねながら、実際に仕事の中で活用していきたいと考えています。
大前学長をはじめ、ほかの教授・教員の方がよく言われるのが「ファクトベース」の思考法ということです。感覚や経験則ではなく、事実に基づいて議論を展開する。実は、結構難しいことですが、「ファクトベース」の議論をする癖がついたことによって、日々の業務における行動も変わってきたと感じています。事実に基づいているかどうかという判断の基準、考え方の軸が自分の中にできました。
物事をとらえる目線が変わり、昔より広い視野で考えられるようになった。複雑な事象をどう解決していくか、自身で思考、工夫をしていく意識付けができました。獲得した知識、企業再生、企業倫理、企業買収等々に関することは実践的に業務上の会話でも役立ちます。
起業準備をしていますが、その過程で、あの講義で勉強したな、とか、大前学長がこう言ってたな、と講義を思い出して考えることが良くあります。
実務の細かいところなどはBBTでの学びだけではカバーできませんが、基本的な考え方や、BBTを通しての人脈などは、起業プランを進めるうえでとても役立っています。
「もしあなたが◯◯の社長ならば、どうするか?」というReal Time Online Case Study(通称:ROTOCS」)という課題が大前学長より出されます。会社の社長になっているわけですから、いい加減な提案はできません。しっかりと分析をし、課題を抽出し、解決策を導き出さなければいけません。いい加減な提案に対してはクラスメートやTAから厳しい質問や指摘がきました。在学中に2年間で100ケースほどやるのですが、当事者意識をもつ大切さを植え付けられました。
実際に仕事でも活かせることが多く、製品の売上が伸び悩んでいる後輩が居た時には、実際にその後輩になったつもりで色々と分析をしたり、課題を抽出したり、解決策を出したりしてアドバイスするようになりました。
何かの特定の「知識」を得たのではなく、汎用性の高い「知恵」を得られたので、具体的な何かに活きるというよりは、仕事の全ての場面で活きていると感じます。
一次情報を集める癖、数字で見る癖、要は何?と考える癖、情報をただまとめるのではなく、まとめた上で一段上の構想をする癖、漏れなく被りなく考える癖、ストーリーを考える癖、視覚的に分かりやすくする癖、「自分ならば」と当事者になって考える癖、考えても考えても答えはないのだから行動に移さないと意味がないという経験、など、挙げはじめたらキリがありません。