入社して以来10年近く、自分自身が持つ素直な考え方の元でがむしゃらに仕事に取り組んできました。しかし、そこには論理的な考え方というものはありませんでした。全てが感覚での意思決定を元に実践してきたからです。仕事上の問題点、課題設定、解決策も言ってしまえば、なんとなく決めてきたところがあります。今までの時代は、私が所属する製薬業界もある程度、自由度が高く、成功しやすい環境であったと考えます。しかし、近年、急速に業界の状況も厳しくなり、体系的に物事を捉える力がなければ、生き抜いていくことは難しいと考えました。そこで思い切って、2年間しっかり勉強しようと決意し、MBA取得を目指しました。
直接のきっかけは、外国の知人から「最近日本には輝く企業がいない。」と言われたことでした。そう言われたままでいるのも悔しいので、自分自身を磨き直し、世界から手本とされる、そういう輝きのある会社にしたいと考えました。そのためにはまず自分の能力を一度客観的に総括し、経営を体系的に学びなおすことが大事だと考え、経営に関心のある人たちが集う場であるMBAを取得することにしました。
新卒後早い段階での転職を経て、今の会社に来て13年が経過していました。幸いにも2年目から営業所管理職を任され、やりがいを持って働いていましたが、管理職として12年が過ぎマンネリを感じていました。そんな中、社内の管理者研修(年間プログラム)を受講したのですが、その中で自身の経験を体系化することで思考が整理される感覚を味わったと共に、研修だけでは物足りないという「学びへの欲求」が生まれました。それまでの人生では、学習に関して楽しいと感じたこともなく、いわゆる劣等生として過ごしましたが、経営学全般は実践との関連性が強く「楽しい!」ということがわかってしまい、その欲求を満たす候補としてMBAにたどり着きました。
そもそもMBAには全く興味がありませんでした。しかし、BBT大学院の一期生であり、尊敬している知人から、「大前研一さんという世界的なコンサルタントが学長を務めるBBTという大学院があって、決して楽ではないけど、学べば確実に地頭がよくなるぞ!」とBBT大学院をご紹介いただきました。これからさらに練馬区を発展させていくためには、「構想力」、「論理思考力」、「問題解決力」とともに、「経営者マインド」が必要不可欠だと考えたため、MBA取得を決意しました。
私の事務所で行っていた企業再生業務のメインは、財務の改善でした。経費の節減等を行って、返済原資を増加させることと、金融機関からの返済期間の延長です。しかし、売上高が年々減少していく中小企業が多く、経費節減と返済期限の延長だけでは、再生ができない企業を多く見てきました。根本的に事業領域の見直しやサプライチェーンの見直しを行わなければ、立ち行かない企業に多く接しました。本業の立て直しが必要であることはわかっていても、その時の私の事務所では、本業の立て直しができるだけのスキルがありませんでした。何とかそのスキルを身に着けようとして、経営の勉強をすべくMBAの取得を考えました。
社内外でグローバル化が進んでいる中、英語を使った業務(翻訳)に携わっているものの、グローバルとは程遠いスキルしか持っていないのではないか、という危機感を抱いたのが大きな理由です。また、売上や利益といった数字とも縁遠い部署でもあったので、将来マネジメントする際コミュニケーション力のみならず、数値、事実から自身の解を導き出す論理的思考力も身に付けておきたいと考えた点もMBA取得のきっかけとなりました。
ビジネスを行うために必要不可欠な力とは何かを考えたときに、問題解決力などの実践的な実力養成が必要不可欠であること、そして常に考え答えを自分で出していく力を訓練する場が必要であったこと、これら自分のキャリアパスに必要不可欠なスキルを得るためMBAの取得を考えました。
個人的な経験値を主にしたキャリア構築には限界があると感じていました。企業で戦力と自身が目され、雇用が一定の条件で維持されるのは、長くても現代では50代前半まで。しかし、その後のキャリア構築、方向性をいかにすべきかと考えたところ、明確な形で、いつまでに?期間は?何を?どうやって?などが自分の中にイメージできませんでした。
現代は会社員を続けても昇格、昇給が保証されません。私には何の国家資格もありませんが、仮に医師、公認会計士、税理士、弁護士であっても独立開業し、維持していくのが難しい時代です。そういう時代の自分自身の生き方を現実に即して考えた結果、受給可能な年金が仮にゼロでも世界のどこのだれを相手にしても80歳過ぎまで個人で稼ぐ力さえあれば、少なくとも自分と家族は生存可能と考えるに至りました。またそういう実力があれば、自社内でのプレゼンスを高める可能性が高いと感じました。
当時、私は日系の中小企業からグローバル外資メーカーに転職したのですが、入社早々「あなたの意見はどうなのか?」ということが当たり前に問われる環境に身を置くことになりました。それまでは「何を言ったかではなく誰が言ったか」が重要で「言われた事を早く大量にこなす事」が仕事ができる事だと勘違いしていました。しかし、「私の意見」を持っている同僚とのレベルの差にこのままでは解雇されるのではと思うほどの危機感を感じ、グローバルで通用するビジネススキルを身につけなければ、身の危険に及ぶと模索していたところ、出会ったのがBBT大学院でした。
自分のキャリアと人生を考える時期であったことがBBT大学院の入学のきっかけです。まず最初に、自らの価値観に向き合いながら人生のゴールを突き詰めて考えて、海外と関わる仕事を希望する心の声に従う形で転職しました。BBT大学院に入学する1年前の事です。そして転職先では良縁に恵まれ、働きながら学べる環境にあると認識し、自社の海外売上高の増加やグローバリゼーションに貢献する人材となるべく、ビジネス全般を学べる機会を探しました。